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魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約
魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約 2
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「魔族の翼?!」
「馬鹿な!
ココは大教会の結界の中!
魔族は魔素のほとんどを奪われ何も出来ないはず…!」
「──…それ程、彼女の魔素の量が膨大だということでしょう。
魔王の娘というのは、本当かもしれませんね」
兵士達が動揺する中、大司教──クリステン卿が冷静に言った。
そしてクリステン卿が言葉を続ける。
「初めまして、魔王の娘──エディーリン姫。
私は大教会の大司教──クリステン・レインワーズと申します。
して…、先程仰った“人間と魔族の休戦締約と同盟条約”というのは?」
クリステン卿が言うと、魔王の娘──エディーリン姫は赤きドレスを靡かせて書状を持った手を堂々と前に出した。
そして書状がビラッと重力に従い開かれる。
「今やこの大陸──リ・テラの覇権を争い優勢である我が魔族。
ソノ我ら魔族は魔王の建てた“人間と魔族の休戦締約と同盟条約”の許、今日この時を持って貴方達と争うことを辞めに来た。
ソノ証として、私が参りましたの!
争いの時代は終わり、これからは魔族と人間の分かり合える時代を共に築こうと私達魔族は考えています!」
「何を馬鹿なッ!!」
そう言って立ち上がったのはエンテイラー国王だった。
「ソレは真っ赤な嘘だ!
魔族は狡猾でずる賢い生き物だ!
我々を騙すつもりだ!」
「あら、嘘ではありませんくてよ。
ソノ証として、私が参りましたの。
コレがどういう意味かお分かりになりまして?」
「ふむ…、もしや、魔王の娘である姫を人間界に差し出すと…?」
「正解ですわ、クリステン卿」
エンテイラー国王が剛腕な腕で赤いドレスの華奢な少女を指さして怒鳴り散らすと、華奢な少女は羽をしまって堂々と話した。
エディーリン姫の耳元の赤い花の耳飾りがキラリと光る。
ソレにクリステン卿は口元に手を当てて考えながら話すと、エディーリン姫は笑顔で答えた。
ソレに対して、「そんな馬鹿な…」とあらゆる方向から兵士の声、国王達の声が聴こえた。
「カアー!カアー!姫様見つけた!姫様見つけた!」
「姫っ!姫っ!御早すぎます!まずは我々から説明申し上げるという順番が…!」
「あら、遅かったわね、貴方達。
もう言っちゃったわ、御父様の建てた“人間と魔族の休戦締約と同盟条約”のこと」
「カアー!」
「魔族だ…」
「だが他の魔族達は弱弱しい姿になってるぞ、見ろ、爪も短い。
やはり結界は効いているんだ」
「ではやはりアノ魔王の娘という姫が強すぎるのか…?」
「なんて恐ろしい…!」
「お前達!狼狽えるな!すぐに魔族を殺せ!」
「いいえ、お待ちくださいエンテイラー国王よ」
「何を待たれるというのですクリステン卿!」
兵士と国王達のざわめきの中、息を切らして正装した魔族数人と一羽の喋る烏が飛んできた。
魔族に至っては余程走ってきたのか息切れをし、烏も疲れたのか魔族のエディーリン姫の肩に止まった。
エディーリン姫はそんな烏を撫でる。
魔族の長い耳も短く、鋭い爪は人間のぎりぎりまで切った爪のように小さく、大きな牙はまるで人間の歯のようになっている。
兵士達は人間界の結界が効いていることを確認すると同時に、怯えながらエディーリン姫に槍や剣を向けた。
そんな怯える兵士に向かって、エンテイラー国王が怒鳴ると、クリステン卿がすぐに止めた。
しかしソレにエンテイラー国王は反発する。
「馬鹿な!
ココは大教会の結界の中!
魔族は魔素のほとんどを奪われ何も出来ないはず…!」
「──…それ程、彼女の魔素の量が膨大だということでしょう。
魔王の娘というのは、本当かもしれませんね」
兵士達が動揺する中、大司教──クリステン卿が冷静に言った。
そしてクリステン卿が言葉を続ける。
「初めまして、魔王の娘──エディーリン姫。
私は大教会の大司教──クリステン・レインワーズと申します。
して…、先程仰った“人間と魔族の休戦締約と同盟条約”というのは?」
クリステン卿が言うと、魔王の娘──エディーリン姫は赤きドレスを靡かせて書状を持った手を堂々と前に出した。
そして書状がビラッと重力に従い開かれる。
「今やこの大陸──リ・テラの覇権を争い優勢である我が魔族。
ソノ我ら魔族は魔王の建てた“人間と魔族の休戦締約と同盟条約”の許、今日この時を持って貴方達と争うことを辞めに来た。
ソノ証として、私が参りましたの!
争いの時代は終わり、これからは魔族と人間の分かり合える時代を共に築こうと私達魔族は考えています!」
「何を馬鹿なッ!!」
そう言って立ち上がったのはエンテイラー国王だった。
「ソレは真っ赤な嘘だ!
魔族は狡猾でずる賢い生き物だ!
我々を騙すつもりだ!」
「あら、嘘ではありませんくてよ。
ソノ証として、私が参りましたの。
コレがどういう意味かお分かりになりまして?」
「ふむ…、もしや、魔王の娘である姫を人間界に差し出すと…?」
「正解ですわ、クリステン卿」
エンテイラー国王が剛腕な腕で赤いドレスの華奢な少女を指さして怒鳴り散らすと、華奢な少女は羽をしまって堂々と話した。
エディーリン姫の耳元の赤い花の耳飾りがキラリと光る。
ソレにクリステン卿は口元に手を当てて考えながら話すと、エディーリン姫は笑顔で答えた。
ソレに対して、「そんな馬鹿な…」とあらゆる方向から兵士の声、国王達の声が聴こえた。
「カアー!カアー!姫様見つけた!姫様見つけた!」
「姫っ!姫っ!御早すぎます!まずは我々から説明申し上げるという順番が…!」
「あら、遅かったわね、貴方達。
もう言っちゃったわ、御父様の建てた“人間と魔族の休戦締約と同盟条約”のこと」
「カアー!」
「魔族だ…」
「だが他の魔族達は弱弱しい姿になってるぞ、見ろ、爪も短い。
やはり結界は効いているんだ」
「ではやはりアノ魔王の娘という姫が強すぎるのか…?」
「なんて恐ろしい…!」
「お前達!狼狽えるな!すぐに魔族を殺せ!」
「いいえ、お待ちくださいエンテイラー国王よ」
「何を待たれるというのですクリステン卿!」
兵士と国王達のざわめきの中、息を切らして正装した魔族数人と一羽の喋る烏が飛んできた。
魔族に至っては余程走ってきたのか息切れをし、烏も疲れたのか魔族のエディーリン姫の肩に止まった。
エディーリン姫はそんな烏を撫でる。
魔族の長い耳も短く、鋭い爪は人間のぎりぎりまで切った爪のように小さく、大きな牙はまるで人間の歯のようになっている。
兵士達は人間界の結界が効いていることを確認すると同時に、怯えながらエディーリン姫に槍や剣を向けた。
そんな怯える兵士に向かって、エンテイラー国王が怒鳴ると、クリステン卿がすぐに止めた。
しかしソレにエンテイラー国王は反発する。
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