13 / 40
魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約
魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約 13
しおりを挟む
授業が進められる。
書かれる文字は一通り魔族の国で学んできたが、単語に関しては未だ難しいところがあり、都度ディプスクロスに聴いた。
ディプスクロスはソレを訳し、エディーリンはノートに纏め、現在の授業は魔法を武器に宿すという、…いわば基本中の基礎の勉強であることを把握した。
魔族の国では自然にやっていることを、コノ国ではまだ習得していないということだろうか?
エディーリンは一文字一句逃さず書き記した。
どんな授業であれ、人間を侮辱したりしない。
学べることは学びたい。
ソレが既に自分が知っていることだとしても。
復習にもなるし、ソレに楽しいのだ。
学ぶこと自体が。
ある程度時間が経った頃、音楽が学園内に流れた。
ソレを聴いた先生と生徒が手を止めて「講義はここまで!休み時間の次は実技授業だ!各自演習場に遅れないように!」と先生が言い、生徒達は立ち上がり各々の時間を過ごしていた。
「ねぇソコの貴女」
「ひっ!きゃあ! 話しかけられたわ!」
「話しかけないでよ魔族!!
穢れてしまうわ!!」
「はぁ…、ねぇソコの貴方…」
「おい、逃げろ!」
「兵士達様の後ろに隠れろ!」
「はぁ……、ちょっと誰か!
休み時間とはどのくらいの時間で、演習場って何処!」
エディーリンが仕方なく大声で部屋中に響くように問うた。
すると生徒達は「魔族が叫んだぞ」と各自各々まためんどくさ言葉のやりとりが始まった。
聴くだけ無駄のようだった。
さて…、どうしたものか。
とりあえずじっとしていても仕方ないし、と想いながらエディーリンは教室から出ると、右左を見た。
休み時間だからだろう。
何処も生徒で溢れていた。
しかし誰もが、エディーリンを見て、怯えた様子で走り去って行った。
廊下は誰一人として、居なくなってしまった。
教室では、取り残された生徒が怯えているようだった。
しかし彼らに何を聴いても、……きっと無駄なことなのだろう。
嗚呼、これでは情報も集めれやしない。
ていうか、魔族に怯えるくらいなら侮辱やめたら?なんて想ってしまう。
もう大して気にしてないけれど。
さて…、どうしたものか。
そんなことを想いながら適当に歩いていると、階段の角で人とぶつかってしまった。
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
謝ったのは同時だった。
ソノ声は少女のモノだった。
少女が階段からエディーリンの前に立つ。
すると「まぁ」と声を挙げて口元を手で覆った。
──…………?
嫌味も侮辱も飛んでこない?
少女はエディーリンを見つめたまま固まっていた。
よく見れば少女は服装が、他の生徒と制服が違っていた。
緑を基調としたのは変わらないが、色は薄めの緑で白い生地が多くマントのようになっている。
マントの中は上品な濃さの緑色のスカートで、頭には薄緑色の被り物をしていた。
明らかに他の生徒と違うソノ少女は、白い肌に黄色い長い髪、澄んだ蒼い瞳をした少女だった。
──コノ子…、神気を感じる…
「あの!」
「あの!」
また声が被ってしまった。
「失礼、ソチラからどうぞ」
エディーリンが柔らかく言うと、少女は笑んで膝を少し折り感謝の礼をして、口を開いた。
書かれる文字は一通り魔族の国で学んできたが、単語に関しては未だ難しいところがあり、都度ディプスクロスに聴いた。
ディプスクロスはソレを訳し、エディーリンはノートに纏め、現在の授業は魔法を武器に宿すという、…いわば基本中の基礎の勉強であることを把握した。
魔族の国では自然にやっていることを、コノ国ではまだ習得していないということだろうか?
エディーリンは一文字一句逃さず書き記した。
どんな授業であれ、人間を侮辱したりしない。
学べることは学びたい。
ソレが既に自分が知っていることだとしても。
復習にもなるし、ソレに楽しいのだ。
学ぶこと自体が。
ある程度時間が経った頃、音楽が学園内に流れた。
ソレを聴いた先生と生徒が手を止めて「講義はここまで!休み時間の次は実技授業だ!各自演習場に遅れないように!」と先生が言い、生徒達は立ち上がり各々の時間を過ごしていた。
「ねぇソコの貴女」
「ひっ!きゃあ! 話しかけられたわ!」
「話しかけないでよ魔族!!
穢れてしまうわ!!」
「はぁ…、ねぇソコの貴方…」
「おい、逃げろ!」
「兵士達様の後ろに隠れろ!」
「はぁ……、ちょっと誰か!
休み時間とはどのくらいの時間で、演習場って何処!」
エディーリンが仕方なく大声で部屋中に響くように問うた。
すると生徒達は「魔族が叫んだぞ」と各自各々まためんどくさ言葉のやりとりが始まった。
聴くだけ無駄のようだった。
さて…、どうしたものか。
とりあえずじっとしていても仕方ないし、と想いながらエディーリンは教室から出ると、右左を見た。
休み時間だからだろう。
何処も生徒で溢れていた。
しかし誰もが、エディーリンを見て、怯えた様子で走り去って行った。
廊下は誰一人として、居なくなってしまった。
教室では、取り残された生徒が怯えているようだった。
しかし彼らに何を聴いても、……きっと無駄なことなのだろう。
嗚呼、これでは情報も集めれやしない。
ていうか、魔族に怯えるくらいなら侮辱やめたら?なんて想ってしまう。
もう大して気にしてないけれど。
さて…、どうしたものか。
そんなことを想いながら適当に歩いていると、階段の角で人とぶつかってしまった。
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
謝ったのは同時だった。
ソノ声は少女のモノだった。
少女が階段からエディーリンの前に立つ。
すると「まぁ」と声を挙げて口元を手で覆った。
──…………?
嫌味も侮辱も飛んでこない?
少女はエディーリンを見つめたまま固まっていた。
よく見れば少女は服装が、他の生徒と制服が違っていた。
緑を基調としたのは変わらないが、色は薄めの緑で白い生地が多くマントのようになっている。
マントの中は上品な濃さの緑色のスカートで、頭には薄緑色の被り物をしていた。
明らかに他の生徒と違うソノ少女は、白い肌に黄色い長い髪、澄んだ蒼い瞳をした少女だった。
──コノ子…、神気を感じる…
「あの!」
「あの!」
また声が被ってしまった。
「失礼、ソチラからどうぞ」
エディーリンが柔らかく言うと、少女は笑んで膝を少し折り感謝の礼をして、口を開いた。
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
勝手にしろと言われたので、勝手にさせていただきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
子爵家の私は自分よりも身分の高い婚約者に、いつもいいように顎でこき使われていた。ある日、突然婚約者に呼び出されて一方的に婚約破棄を告げられてしまう。二人の婚約は家同士が決めたこと。当然受け入れられるはずもないので拒絶すると「婚約破棄は絶対する。後のことなどしるものか。お前の方で勝手にしろ」と言い切られてしまう。
いいでしょう……そこまで言うのなら、勝手にさせていただきます。
ただし、後のことはどうなっても知りませんよ?
* 他サイトでも投稿
* ショートショートです。あっさり終わります
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
【完結】王太子に婚約破棄され、父親に修道院行きを命じられた公爵令嬢、もふもふ聖獣に溺愛される〜王太子が謝罪したいと思ったときには手遅れでした
まほりろ
恋愛
【完結済み】
公爵令嬢のアリーゼ・バイスは一学年の終わりの進級パーティーで、六年間婚約していた王太子から婚約破棄される。
壇上に立つ王太子の腕の中には桃色の髪と瞳の|庇護《ひご》欲をそそる愛らしい少女、男爵令嬢のレニ・ミュルべがいた。
アリーゼは男爵令嬢をいじめた|冤罪《えんざい》を着せられ、男爵令嬢の取り巻きの令息たちにののしられ、卵やジュースを投げつけられ、屈辱を味わいながらパーティー会場をあとにした。
家に帰ったアリーゼは父親から、貴族社会に向いてないと言われ修道院行きを命じられる。
修道院には人懐っこい仔猫がいて……アリーゼは仔猫の愛らしさにメロメロになる。
しかし仔猫の正体は聖獣で……。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
・ざまぁ有り(死ネタ有り)・ざまぁ回には「ざまぁ」と明記します。
・婚約破棄、アホ王子、モフモフ、猫耳、聖獣、溺愛。
2021/11/27HOTランキング3位、28日HOTランキング2位に入りました! 読んで下さった皆様、ありがとうございます!
誤字報告ありがとうございます! 大変助かっております!!
アルファポリスに先行投稿しています。他サイトにもアップしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる