10 / 13
10
しおりを挟む
領地を見回った帰り道で、馬車の目の前で女性が転けあやうく轢きかけるという事案が起きたので、その女性の様子を確認するため使用人が確認しに行った。
「い、いったぁ~い」
可愛らしい高い声が聞こえた。
「ノアせっかくオシャレしたのにぃワンピースがぁ」
何処かで聞いたことのある喋り方と名前。
まさかな、まさかな、と思いつつ、ドアからそっと出て確認して、スッと馬車の中に避難した。
ドッドッドットッ、と心臓が驚きで脈打っていた。
ピンクの髪、眼は緑だったが、高く可愛らしい声。可愛らしい顔立ち。フリフリのワンピース。
ミリスのいっていたノアが目の前に現れた!
***
最初は冷静になれなかったが、よく考えると
あのノアに関わらなければミリスは安心なのでは?という考えに至った。
ミリスがあのノアと何処で出会ったか分からないが、よっぽど因縁があるに違いない。
馬車に接触したわけでも無く、勝手に転んだだけだったのでそのまま放置し、家に帰ってからあのノアについて調べるよう使用人に指示をした。
馬車に一緒に乗っていた使用人のベル__本名はベルナール___が未だに驚いた様子で謙次に話しかけてきた。
「本当に居ましたね、ノア」
「未だに信じられない気持ちだ」
「まさかとは思うんですけど、謙次様はあのノアに恋をしましたか?」
「恋をしたと思うか?」
「ですよね~、謙次様はミリス様に首ったけですもんね~~」
「五月蝿いぞ」
「早く、謙次様のお子様をお世話したいです」
「うるさい」
ベルと話しつつ、先ほどのノアを思い出したが、無意味なことだと思った。
現在、辺境伯家では使用人ですらピンク髪の女性は謙次に近づけないようになっているのに、庶民であろうあのノアが謙次と今後関わる可能性は無に等しかったからだ。
ミリスの言ってたノアらしき人物__謙次は正直なところミリスの妄想の人物だと思っていた__の居所は把握できそうだったので、ミリスの憂も晴れる可能性も高い。
謙次とミリスが結婚してからもうすぐ半年。
ミリスとの距離感は相変わらずであったが、これから進展できるかもしれない。
謙次は嬉しくて「ふふっ」と1人でに笑って、ベルに引かれた。
「い、いったぁ~い」
可愛らしい高い声が聞こえた。
「ノアせっかくオシャレしたのにぃワンピースがぁ」
何処かで聞いたことのある喋り方と名前。
まさかな、まさかな、と思いつつ、ドアからそっと出て確認して、スッと馬車の中に避難した。
ドッドッドットッ、と心臓が驚きで脈打っていた。
ピンクの髪、眼は緑だったが、高く可愛らしい声。可愛らしい顔立ち。フリフリのワンピース。
ミリスのいっていたノアが目の前に現れた!
***
最初は冷静になれなかったが、よく考えると
あのノアに関わらなければミリスは安心なのでは?という考えに至った。
ミリスがあのノアと何処で出会ったか分からないが、よっぽど因縁があるに違いない。
馬車に接触したわけでも無く、勝手に転んだだけだったのでそのまま放置し、家に帰ってからあのノアについて調べるよう使用人に指示をした。
馬車に一緒に乗っていた使用人のベル__本名はベルナール___が未だに驚いた様子で謙次に話しかけてきた。
「本当に居ましたね、ノア」
「未だに信じられない気持ちだ」
「まさかとは思うんですけど、謙次様はあのノアに恋をしましたか?」
「恋をしたと思うか?」
「ですよね~、謙次様はミリス様に首ったけですもんね~~」
「五月蝿いぞ」
「早く、謙次様のお子様をお世話したいです」
「うるさい」
ベルと話しつつ、先ほどのノアを思い出したが、無意味なことだと思った。
現在、辺境伯家では使用人ですらピンク髪の女性は謙次に近づけないようになっているのに、庶民であろうあのノアが謙次と今後関わる可能性は無に等しかったからだ。
ミリスの言ってたノアらしき人物__謙次は正直なところミリスの妄想の人物だと思っていた__の居所は把握できそうだったので、ミリスの憂も晴れる可能性も高い。
謙次とミリスが結婚してからもうすぐ半年。
ミリスとの距離感は相変わらずであったが、これから進展できるかもしれない。
謙次は嬉しくて「ふふっ」と1人でに笑って、ベルに引かれた。
0
あなたにおすすめの小説
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?
嘘コクのゆくえ
キムラましゅろう
恋愛
アニーは奨学金とバイトで稼いだお金で魔法学校に通う苦学生。
生活は困窮、他の学生みたいに愛だの恋だのに現を抜かしている暇などない生活を送っていた。
そんな中、とある教授の研究室で何らかの罰としてアニー=メイスンに告白して来いと教授が学生に命じているのを偶然耳にしてしまう。
アニーとは自分のこと、そして告白するように言われていた学生は密かに思いを寄せる同級生のロンド=ハミルトンで……
次の日、さっそくその命令に従ってアニーに嘘の告白、嘘コクをしてきたロンドにアニーは……
完全ご都合主義、ノーリアリティノークオリティのお話です。
誤字脱字が罠のように点在するお話です。菩薩の如き広いお心でお読みいただけますと幸いです。
作者は元サヤハピエン主義を掲げております。
アンチ元サヤの方は回れ右をお勧めいたします。
小説家になろうさんにも時差投稿します。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
元恋人が届けた、断りたい縁談
待鳥園子
恋愛
シュトルム辺境伯の末娘ソフィに隣国の帝国第二皇子から届けられた『縁談』の使者は、なんと元恋人のジョサイアだった。
手紙ひとつで別れることになったソフィは、素直になれずジョサイアから逃げ回る。
「私に届けなければ、彼は帝国に帰ることが出来ない」
そう思いようやく書状を受け取ろうと決意したソフィに、ジョサイアは何かを言い掛けて!?
夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました
香木陽灯
恋愛
伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。
これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。
実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。
「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」
「自由……」
もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。
ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。
再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。
ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。
一方の元夫は、財政難に陥っていた。
「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」
元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。
「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」
※ふんわり設定です
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる