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第十一話.イチリルの町10 天使アルフィーさん
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1ドロルを支払い、門をくぐった俺は、いそいそと、冒険者ギルドにむかう。
残金 89ドロル 大銅貨8.9枚
冒険者ギルドには、今日は天使がいた。
ああっ神様ありがとう。
アルフィーさんに冒険者カードとウサギ3羽と赤鶏3羽を渡す。
すると、にっこりと天使が微笑んだ。
「おおー、エルヴァンさん。すごいじゃないですか!」
やっぱりほめられた。
俺も思わず笑顔になる。
ああ、うれしいな。
うれしすぎて、転んだ傷がうずくぜ。
「いやあ。たまたまですよ」
「たまたまでもソロで6羽は、なかなか、ないですよ。しかもエルヴァンさんの武器は剣ですよね、弓ならともかく……もしかして魔法がつかえますか?」
探るようなアルフィーさんの問いかけに、俺は急にドキッとした。
アイテムボックスの事を説明するか迷ったが、とりあえずは隠しておこうと思ってしまった。
まあ間違いなく魔法ではないしな。
「いやあ、本当に調子がよかったんですよ。アルフィーさんにほめてもらおうと思ってがんばりました」
「本当ですか、うれしいです。こんなにがんばってもらえるなら、いくらでもほめちゃいますよ」
やっぱりカワイイ・・・・・・。
ヤバイ、完全にキャバ嬢に貢ぐお客になってしまっている気がする。
「でも、無理しないでくださいね、怪我をするほど、がんばらなくてもいいんですよ。エルヴァンさんが、がんばってるのはわかってますからね」
いや、これは自分でやった怪我でして……。
ううっ、言えない!
恥ずかしすぎる。
「大丈夫です。無理はしてませんから」
「だったらいいですけど……。心配です」
と言って首を横に傾けたアルフィーさんは本当に天使に見えた。
か、カワイイーーー! わー ほれてまうやろ!
俺はドキドキする胸を押さえながらその天使を見つめていた。
「えーっと、それで、買い取りなんですけど……。この赤鶏2羽は綺麗ですね。これなら相場で買い取れますので、うーんと銀貨1.3枚ですね。エルヴァンさん。初、銀貨獲得おめでとうございます!」
銀貨を渡された後、祝福するように手を握ってもらえた!
白くてやわらかくしっとりした手だ。
ああ、このまま離したくない……無理だけど。
あっ終わった。
名残惜しいけど素直に頭を下げた。
「ありがとうございます」
だけど、めっちゃうれしいな。
がんばった甲斐がある。
そう思いながら頭をあげると、アルフィーさんが俺の顔の傷を見てまた心配する顔に戻ってしまった。
俺の心にも罪悪感のようなものがわいてくる。
変な心配させちゃったな・・・・・・。
するとアルフィーさんは何か決意したようにうなずくとこう言った。
「体は大事にしてくださいね……。本当はだめなんだけど……」
と周りを警戒するように見渡して、こそっと俺に手招きする。
そして俺をカウンターの端の、見えにくい場所に隠すようによせた。
アルフィーさんは口元に人差し指を立てて。
「内緒ですよ」
と言った。
もう一度周りを見渡したあと、潤んだ瞳で俺の顔を見ながらアルフィーさんの左手が、俺の右ほほにそっと触れられた。
ドクンッ! と胸が高鳴った。
(おおおおおーっ!!!? キスか? キスしてくれるのか!!!?)
まさか!? まさか、こんなところで?
俺のテンションが跳ね上がる。
バクバクと心臓の音が聞こえてくる……。
こんなことが、あるのか。
こんなに幸せでいいのか。
ああっ神様ありがとう。
俺ここにきて本当に良かったです。
やさしくしてください……。
そう思って天使の顔を見つめていると
「んっ♡」
とアルフィーさんが甘い声をあげた。
キャー可愛いー!! たまらんっっ いただきます!
と思わずキスをしようとした。
その瞬間……。
ポワンっと、右ほほから、熱を感じたかと思ったらすぐ、全身がほんわかとあったかくなった。
「えっ!?」
「ヒール(回復呪文小)です。内緒にしといてくださいね」
かわいく天使が微笑んだ。
(……)
よく見ると、怪我をした部分の痛みが消え、きれいさっぱりなくなっていた。
すげぇー。
なんとアルフィーさんは魔法使いでした。
残金 89ドロル 大銅貨8.9枚
冒険者ギルドには、今日は天使がいた。
ああっ神様ありがとう。
アルフィーさんに冒険者カードとウサギ3羽と赤鶏3羽を渡す。
すると、にっこりと天使が微笑んだ。
「おおー、エルヴァンさん。すごいじゃないですか!」
やっぱりほめられた。
俺も思わず笑顔になる。
ああ、うれしいな。
うれしすぎて、転んだ傷がうずくぜ。
「いやあ。たまたまですよ」
「たまたまでもソロで6羽は、なかなか、ないですよ。しかもエルヴァンさんの武器は剣ですよね、弓ならともかく……もしかして魔法がつかえますか?」
探るようなアルフィーさんの問いかけに、俺は急にドキッとした。
アイテムボックスの事を説明するか迷ったが、とりあえずは隠しておこうと思ってしまった。
まあ間違いなく魔法ではないしな。
「いやあ、本当に調子がよかったんですよ。アルフィーさんにほめてもらおうと思ってがんばりました」
「本当ですか、うれしいです。こんなにがんばってもらえるなら、いくらでもほめちゃいますよ」
やっぱりカワイイ・・・・・・。
ヤバイ、完全にキャバ嬢に貢ぐお客になってしまっている気がする。
「でも、無理しないでくださいね、怪我をするほど、がんばらなくてもいいんですよ。エルヴァンさんが、がんばってるのはわかってますからね」
いや、これは自分でやった怪我でして……。
ううっ、言えない!
恥ずかしすぎる。
「大丈夫です。無理はしてませんから」
「だったらいいですけど……。心配です」
と言って首を横に傾けたアルフィーさんは本当に天使に見えた。
か、カワイイーーー! わー ほれてまうやろ!
俺はドキドキする胸を押さえながらその天使を見つめていた。
「えーっと、それで、買い取りなんですけど……。この赤鶏2羽は綺麗ですね。これなら相場で買い取れますので、うーんと銀貨1.3枚ですね。エルヴァンさん。初、銀貨獲得おめでとうございます!」
銀貨を渡された後、祝福するように手を握ってもらえた!
白くてやわらかくしっとりした手だ。
ああ、このまま離したくない……無理だけど。
あっ終わった。
名残惜しいけど素直に頭を下げた。
「ありがとうございます」
だけど、めっちゃうれしいな。
がんばった甲斐がある。
そう思いながら頭をあげると、アルフィーさんが俺の顔の傷を見てまた心配する顔に戻ってしまった。
俺の心にも罪悪感のようなものがわいてくる。
変な心配させちゃったな・・・・・・。
するとアルフィーさんは何か決意したようにうなずくとこう言った。
「体は大事にしてくださいね……。本当はだめなんだけど……」
と周りを警戒するように見渡して、こそっと俺に手招きする。
そして俺をカウンターの端の、見えにくい場所に隠すようによせた。
アルフィーさんは口元に人差し指を立てて。
「内緒ですよ」
と言った。
もう一度周りを見渡したあと、潤んだ瞳で俺の顔を見ながらアルフィーさんの左手が、俺の右ほほにそっと触れられた。
ドクンッ! と胸が高鳴った。
(おおおおおーっ!!!? キスか? キスしてくれるのか!!!?)
まさか!? まさか、こんなところで?
俺のテンションが跳ね上がる。
バクバクと心臓の音が聞こえてくる……。
こんなことが、あるのか。
こんなに幸せでいいのか。
ああっ神様ありがとう。
俺ここにきて本当に良かったです。
やさしくしてください……。
そう思って天使の顔を見つめていると
「んっ♡」
とアルフィーさんが甘い声をあげた。
キャー可愛いー!! たまらんっっ いただきます!
と思わずキスをしようとした。
その瞬間……。
ポワンっと、右ほほから、熱を感じたかと思ったらすぐ、全身がほんわかとあったかくなった。
「えっ!?」
「ヒール(回復呪文小)です。内緒にしといてくださいね」
かわいく天使が微笑んだ。
(……)
よく見ると、怪我をした部分の痛みが消え、きれいさっぱりなくなっていた。
すげぇー。
なんとアルフィーさんは魔法使いでした。
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