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おまけ
王子様の呟き⑥
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こんな男を連れて北の辺境伯領に向かうことになった私に、兄弟姉妹たちは「無謀なことをするね」「命があることを祈っているよ」「くれぐれも私たちの首まで飛ぶような事態には発展させないように」「恋なの?ねぇ恋なのね?」と分からぬことも含めて、様々な声を掛けてきた。
総出で見送ってくれたことには、有難かったけれど。
最後に現れた父王はさらにおかしく、「今はもうあの子だけなんだ。頼むからお気持ちを鎮めてきておくれ」「お前が気に入られたらすべてが丸く収まるな。どうだ結婚しないか?」「この際どちらでもいいぞ」「あぁだが怒らせるくらいなら逃げ帰って来ておくれ」「だが連れて来られそうならまだ幼いうちに」と妙な言葉ばかり掛けられてしまったが。
そうして長い旅路の後に北の辺境伯領にやって来て、しばらく滞在すれば……。
結局私は心配でこれは離れられないなと思ってしまった。
王の子としては七番目、王子としては四番目に生まれた私が、国のために、王家のために、そして国の民のためにも、何か少しでも役に立てる存在になれたのだと思えば……まぁ良かったのかな?
姉妹は話せば分かる子たちだったことも、私の決断に影響を与えていると思う。
どちらも素直でとてもいい子だからね。
南から来た男だけは、相変わらず話が出来ないままだったけれど。
こちらもまぁ分かりやすい男で、扱いやすく付き合えなくもない男だった。
それでもたまには。
「どうして妹に愛人の話なんかしたんだ!!!」
つい世話を焼き過ぎて、大変な目に合うこともある。
だけどそんなときには。
「話せば分かる。話せば分かるはずだから。まずは話せる状態を保たせておくれ!お願いだから、ね?」
そうお願いすれば、会話は出来る相手だから。
どんなことが起きても、このまま上手く付き合っていけるように思っている。
時々記憶なく眠っていることはあるけれどね。
まだ怪我はしていない、それは自慢かな。
総出で見送ってくれたことには、有難かったけれど。
最後に現れた父王はさらにおかしく、「今はもうあの子だけなんだ。頼むからお気持ちを鎮めてきておくれ」「お前が気に入られたらすべてが丸く収まるな。どうだ結婚しないか?」「この際どちらでもいいぞ」「あぁだが怒らせるくらいなら逃げ帰って来ておくれ」「だが連れて来られそうならまだ幼いうちに」と妙な言葉ばかり掛けられてしまったが。
そうして長い旅路の後に北の辺境伯領にやって来て、しばらく滞在すれば……。
結局私は心配でこれは離れられないなと思ってしまった。
王の子としては七番目、王子としては四番目に生まれた私が、国のために、王家のために、そして国の民のためにも、何か少しでも役に立てる存在になれたのだと思えば……まぁ良かったのかな?
姉妹は話せば分かる子たちだったことも、私の決断に影響を与えていると思う。
どちらも素直でとてもいい子だからね。
南から来た男だけは、相変わらず話が出来ないままだったけれど。
こちらもまぁ分かりやすい男で、扱いやすく付き合えなくもない男だった。
それでもたまには。
「どうして妹に愛人の話なんかしたんだ!!!」
つい世話を焼き過ぎて、大変な目に合うこともある。
だけどそんなときには。
「話せば分かる。話せば分かるはずだから。まずは話せる状態を保たせておくれ!お願いだから、ね?」
そうお願いすれば、会話は出来る相手だから。
どんなことが起きても、このまま上手く付き合っていけるように思っている。
時々記憶なく眠っていることはあるけれどね。
まだ怪我はしていない、それは自慢かな。
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