憧れだった社長 【R18】

入社式。

イケメンの社長に憧れはするけれど、本気で一目惚れする馬鹿は、私一人だけだと思う。

しかも、秘書でもない限り近づけない社長を見るのは、本当に困難。

たまに廊下を歩く、社長を見かけるのをそっと見るだけで、精一杯だった。


「はぁー、今日もカッコいい。」

そうため息をついては、社長を目に焼き付ける。


「瑠璃香。今日も残業。」

「うん。」

おっちょこちょいの私は、失敗ばかりして書類のやり直しを言われるのも、いつもの事だ。

しかも今日は、いつも付き合ってくれる部長も、奥さんの誕生日だからと言って、帰ってしまった。

一人の残業。

電気はついているけれど、余計寂しさが増してくる。
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