幼馴染みが皇帝になった件

日下奈緒

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第6章 正式に

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「なぜです?」

「だって今まで、こんな格好して、ヴィックに会った事ないし。」

二人は、うーんと唸ってしまった。

「まあ、可笑しいかどうかは、皇帝閣下にお訪ねする事ですね。」

「はい。」

イーヴさんに丸め込まれ、私はヴィックの部屋に入った。


「皇帝閣下。アンヌ・マリー嬢がお見えでございます。」

「ようやく来たか。」

立ち上がったヴィックは、私を見て、茫然としていた。

「やっぱり、変だよね。」

「いや。すごく似合っているよ。とても綺麗だ。」

その誉め言葉に、私は顔が赤くなる。


しばらく私とヴィックが見つめ合っているので、イーヴさんは咳払いをした。

「皇帝閣下。いくら同じ階に住んでいるとは言え、まだ手を出してはいけませんよ。」

「あ、当たり前だろ!」

ヴィックの顔が、赤くなる。

赤い顔をした同士、ヴィックと私は、笑い合った。


「では、アンヌ嬢は広間へ。早速ダンスの練習をして頂きます。」

「ダンス……」

今まで生きてきた中には、ない言葉だ。

「さあ、行きましょう。アンヌ。」

カトリーヌさんも、やる気満々だ。

「じゃあね、ヴィック。」
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