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第4章
第141話 おまじない
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大きなケースに教科書と筆記用具と服と砂時計を詰め込んで、と。
よし、忘れ物はない。ばっちりだ。
今日はフェルライト公爵邸に帰る日。
「用意できたか?」
「うん」
馬車に乗って帰る間、僕とクライスはずうっと手を繋いでいた。まるで初めてこの学園にきた時みたいに。第一王子御用達の豪華な馬車は今日も颯爽と走り、僕の屋敷に着くのはあっという間だった。
「クライス、あの、手……」
「ああ……」
もうお別れ……寂しい。だけど我慢だ。休暇中だってダンスパーティーでまた会える。
彼の手を借りて馬車を降りると、そのままふわりと抱き寄せられた。何するの? と思ったら、額にそっと優しいキスが降ってきた。
(あ、おまじないだ。)
キラキラと輝く朝の光の中、そうっと触れるだけのキスは、すごく神秘的でなんだかすごく大切なものをもらった気がした。
よし、忘れ物はない。ばっちりだ。
今日はフェルライト公爵邸に帰る日。
「用意できたか?」
「うん」
馬車に乗って帰る間、僕とクライスはずうっと手を繋いでいた。まるで初めてこの学園にきた時みたいに。第一王子御用達の豪華な馬車は今日も颯爽と走り、僕の屋敷に着くのはあっという間だった。
「クライス、あの、手……」
「ああ……」
もうお別れ……寂しい。だけど我慢だ。休暇中だってダンスパーティーでまた会える。
彼の手を借りて馬車を降りると、そのままふわりと抱き寄せられた。何するの? と思ったら、額にそっと優しいキスが降ってきた。
(あ、おまじないだ。)
キラキラと輝く朝の光の中、そうっと触れるだけのキスは、すごく神秘的でなんだかすごく大切なものをもらった気がした。
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