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その頃 孤児院にいるサンドラは
シャルに対しての 妬みが膨らみに膨らんで 院長のシスターに対しても
毒を吐きまくっていた

「院長先生は シャルに肩入れしてたんでしょ?」
「シャルを利用して何か企んでるんじゃないの?」
「私にも 何か親か誰かが残したものがあるに違いないはずよ 私のをシャルに渡したんじゃないでしょうね!」

周りの取り巻き達ですら 引いてしまう様な事を捲し立てるのだ

「サンドラ そんな事は無いわよ
ここに居る子供達はみな かわいい私の
 そして神の子供達ですもの」

「そんな綺麗事ばっかり言って
じゃあ 私の迎えはいつ来るのよ!」
シャルみたいなグズが貴族に仕事を貰えるなんて……ムカつく!
それなら シャルより私のほうが優れているわ 本当は 私の仕事だったのでは

同じ考えがグルグルと……

「サンドラ シャルとあなたは
違う人間よ シャルにはシャルの良い所
あなたにはあなたの良い所があるのよ」

「はっ?シャルに良い所?
有るわけないじゃない あんなグズに」

「サンドラ……一つ覚えておきなさい
あなたの口から出る言葉はあなたの
品格が出てしまうの これは誰でもそうなのよ シャルを妬んだり貶めるような言葉を言わないの それを辞めたら…あなたにもきっと良い事があるはずよ」

「へー そんなんだ
じゃあ 辞めない 私よりシャルが
優れているわけないから」

「サンドラ…」
これ以上何を言っても駄目なのは
分かっているが シスターである自分が
サンドラを導く事を辞める訳にはいかない

「さぁ 自分の仕事をやってしまいなさい 終わったら文字の勉強もしないと 
全然進んでいないはずよ」
少しでも学んで貰って
少しでも明るい将来を掴んでもらいたい
その心から子供達に字を教えているが
習得度合いは 其々で
サンドラは全くと言っていいほど
勉強しない

「はっ やりたくないわ」
面倒臭い方に話がいったので
早々に退散しよう
院長に背を向けて歩き出した

「シャルは 大丈夫かしら…」
サンドラの背中を見つめながら
巣立っていったシャルを思う




その シャルといえば

「何だか 凄くいい所に就職出来て
良かった」
と 一日を終えて 自分の部屋に戻って
二人の精霊に話しかけていた
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