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2章
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次の日は、体中の痛みで目を覚ました。筋肉痛にも似た痛みと、妙な胸苦しさを感じて見ると、ヒナタが僕のおなかのあたりに突っ伏して眠っている。よだれこそ垂らしてはいないが、実に気持ちよさそうな寝顔だ。
「あの……ヒナタ」
起こすのに忍びない……と言いたいところだが、朝はいろいろとマズイこともある。手を伸ばして、ツンツンと頭をつつくと、ううんと呻いてころんと寝返りを打った。
「ちょ……、ヒナタ、そっちはやめて! ていうか起きてーーー、トイレ行きたいんだーーー!」
頭をペシペシ叩いてやっと、ヒナタがもぞもぞと起き上がった。
「んん~……カゲさん、おふぁよ~……」
「ほら、起きてよ! 僕、トイレ行きたいんだけど!」
「ん~……」
「寝なおさないでー!」
コロンと再び横になろうとするヒナタを何とか起こして、トイレに連れて行ってもらうことに成功した。
見た目の傷はふさがってはいるようだが、やはり少し動いただけで体のあちこちが痛む。ヒナタの肩を借りてよたよたと部屋を出た僕は、その造りに驚いてしまった。
「ここは……ギルドだったのか」
広い一階の共有スペースは二階まで吹き抜けになっており、個室へ続くドアが共有スペースを取り巻いている。ギルドの規模によっては相部屋だったりもするようだが、だいたいが個室ですむように、メンバーの数も調整しているようだ。
「あれ、言わなかったっけ?」
ヒナタがきょとんと僕を見上げてきた。
ギルドというのは、いわゆる冒険者たちの集まりのことだ。それぞれ志が合う者たちが集団を作り、大きないさかいから小さなもめごとまで、依頼を受けて解決したりしている。ギルドは冒険者の数だけあるといわれるとおり、たった一人でもギルドを作ることは可能だし、逆に数十人が所属している大所帯のギルドもある。
正式に国にギルドの設立を認められると、ギルドハウスの建築が許可されるのだ。大勢が共同生活を送れ、なおかつ人の出入りがあっても大丈夫、となると、構造は限られてくるので、だいたい一目でそれとわかる。
というか。
ここがギルドだということは……いや、僕のことを知っている人が、そういるとも思えない。
今思えば、他ギルドとの交流があった時でも、僕は紹介すらされていなかった。結局、あの時彼が言ったとおり、僕は仲間でもなんでもなかったということなのだろう。
チクリと、心の奥で、なにかが動く。ヒンヤリとした感触。
なんだか、昨日から変だな……。
胸に手を当てて考えながら、ヒナタについて歩いていくと、ふっと足元の階段を踏み外してしまった。正確には、階段を踏み外したヒナタが僕を引っ張ってつられて転がり落ちてしまった、かな。
「いたたたたた」
「いだだだだだ」
ヒナタはお尻を打ちながら階段を落ち、ヒナタの肩を借りていた僕はそれに引っ張られるように階段を落ちていった。とはいえ、ヒナタの肩につかまったままだったから、幸い頭は打たなかったが。
「カゲさんごめん~痛かった?」
「だいじょうぶ…」
あちこちの痛みが増した気もするが、怪我はしていないのでだいじょうぶだろう。
踊り場で体勢を立て直し、今度は慎重に階下まで降りる。トイレまで案内してもらって、やっと一息つけた。
トイレから出るとヒナタはいなかったので、壁伝いにいい匂いがしてくる方向へと進んだ。広い一階はパーテーションで区切られており、仕切りの向こうはキッチンになっていた。
キッチンでは、10人くらい並んで座れそうな長テーブルに、ハルとヒナタが座って朝食を食べている。僕の顔を見るとハルは立ち上がり、美味しそうなスープを出してくれた。
「急にたくさん食べるとよくないから、ちょっとずつねー」
言われたとおり、ゆっくりとスープをすすると、温かいスープが体中にしみこんでいく。まさに五臓六腑に染み渡っていく心地だ。美味い。もうそれ以外に言う言葉が見つからない。
「おかわりもらってもいい?」
「いいけど、食べ過ぎはよくないから、あとすこしだけね?」
新たによそってもらったスープもぺろりと平らげると、ハルが感心したような、あきれたようなまなざしを僕に向けてきた。
「それだけ食べられるなら、夜にはもうちょっとガッツリしたものだしても大丈夫そうね」
スープだけでもこんなに美味いのに、もっとガッツリした料理……あ、想像しただけでよだれが。
洗い物はヒナタの仕事のようで、食べ終わったお皿を重ねてキッチンへとヒナタが持っていく。落としはないかとはらはらと見守る僕に、ハルが声をかけてきた。
「ちょっと立ってみてくれる?」
「ん?」
ガタンと椅子を鳴らして立ち上がると、ハルが僕の前にやってきた。手を挙げろだの片足で立ってみてだのいろいろと注文があり、その通りに動いて見せると、満足そうにうなずいた。
「うん、あまり後遺症もないみたいだし、少しリハビリしたら元通り動けると思う」
怪我の治療に魔法を使うと、多少齟齬が出るというのが通説だ。傷にしろ骨折にしろ、ゆっくり治るべきところを急激にくっつけるのだから、本来なら生じないずれができてしまう。そうなると、以前のような動きができなくなり、冒険者としてはもうやってはいけない。
それが、あれだけの怪我を後遺症が出ないように治癒させるなんて、王都のギルドでもそれができるヒーラーはそう多くない。
「すごいんだな…」
素直に感心すると、ハルは照れくさそうに微笑んだ。その背後から、ひょこっとヒナタが顔を出す。
「そーだよ、ハルはすごいんだよ! 王都のギルドからも引き抜きの話が来るくらいだからね!」
「へぇ…。王都にはいかないの?」
「行かないよ。私はここにいたいからね」
そう言い切って笑うハルが、僕にはとてもまぶしく見えた。
ここにいたいと思える、僕の場所はもうなくなってしまった。いや、そもそもあの場所は僕の居場所と言っていい場所だったのか……。
実を言えば、僕は孤児だ。ぼんやりと覚えているのは、どこかの孤児院にいたこと、そこにいた僕は引き取られ、王都にあるギルドに連れていかれたこと。そこでは名前はなく、身体的な特徴で呼ばれており、僕は髪の色からシロと呼ばれていた。名前をもらえると教育は終了となる。初めて呼ばれたときは、誇らしい思いがしたものだ。
一通りの戦闘技術を身に着けた僕は、トカゲ、と。
そう名付けられた。
ギルド内のあるPTへ迎え入れられ、ともに冒険に出た。仲間ができたのだと思っていた。実際のところは、仲間だと思っていたのは僕だけだったのだが……。
ぼんやりと考え込んでいると、洗い物を終えたヒナタが戻ってきた。
「ねー、カゲさん、ちょっとお散歩行こうよ」
「え?」
「お天気いーし! 少し動いた方がいいんじゃないかなー?」
後半はハルの顔をうかがいながらの言葉である。ふと思いついて言ってみたけど、まだダメって怒られるかな~と少し顔が曇り気味。実にわかりやすい。
ちょっとだけだよ、とハルからの許可をもらい、ヒナタは嬉しそうに僕の手を引いた。つられて立ち上がり、ゆっくりなら歩けることだし、散歩に付き合うことにした。
ヒナタに腕を引かれるまま、ギルドハウスを出ると、まぶしい日差しに目を細めてしまった。目を細めて一歩二歩……とゆっくり足を進め、五歩目で段差に気が付かずに足を踏み外した。
「わっ!」
「うひゃぁ!?」
先を歩くヒナタに覆いかぶさる格好になり、また、ヒナタも僕を支えようとこちらを振り向いたため、期せずして抱き合うような形になってしまった。思いもよらない近距離に思わず飛び離れようとし、なおかつ真っ赤になったヒナタも僕を突き飛ばしたため、勢いよくしりもちをついた。
「いた!」
「ごめんなさい! だいじょうぶ?」
「うん……僕もごめん」
ヒナタの手を借りて立ち上がると、少し離れたところからゴホンと咳払いが聞こえた。そちらを見れば数人の村人が固まってこちらをによによと見ている。
「ええのぅ若いもんは」
「あまり見せつけるなよー」
「え!?」
「まぁまぁ、ヒナちゃんにもやっと春が来たんだから、あまり言ってやるなよ」
「ちが!? ヒナタもちゃんと言って……って、なんで顔赤らめてんのー!?」
「えええ? まだ赤い!?」
ヒナタがパタパタと顔を扇ぐが、そんなことで簡単におさまらない。集まっていた村人たちはひとしきりからかうと気がすんだのか、それぞれ思い思いのほうへと散っていってしまった。
「ヒナタ……あとで訂正しといてよ……」
そう呟くと、ヒナタはぷぅと頬を膨らませた。
「私と誤解されるのそんなにイヤなんだ?」
「え? いや、そうじゃなくてヒナタがイヤかなぁと……イヤじゃないの?」
「んん? そういわれてみれば……ちょっとイヤかも?」
顎に人差し指を当て、少し考えた後でヒナタはうなずいた。ひどいな!?
一つ息をついて改めて村を見回すと、まず中心にそびえたっている大樹に目を奪われた。そう……まさにそびえたって、
「あれ?」
一つ瞬きをしたら、それはちょっと大きいがごく普通の大木でしかなかった。
「……あの木は?」
「大きいでしょー? あの木があるからここに村ができたんだって! すんごく古い木らしいよ」
「ふぅん……」
それからヒナタに村を案内してもらいながらも、先ほど見た大樹の影が頭を離れなかった。錯覚というにはどうにも引っかかるものがあったのだ。しかし、その時以降、大樹の影を見ることはなかった。
「あの……ヒナタ」
起こすのに忍びない……と言いたいところだが、朝はいろいろとマズイこともある。手を伸ばして、ツンツンと頭をつつくと、ううんと呻いてころんと寝返りを打った。
「ちょ……、ヒナタ、そっちはやめて! ていうか起きてーーー、トイレ行きたいんだーーー!」
頭をペシペシ叩いてやっと、ヒナタがもぞもぞと起き上がった。
「んん~……カゲさん、おふぁよ~……」
「ほら、起きてよ! 僕、トイレ行きたいんだけど!」
「ん~……」
「寝なおさないでー!」
コロンと再び横になろうとするヒナタを何とか起こして、トイレに連れて行ってもらうことに成功した。
見た目の傷はふさがってはいるようだが、やはり少し動いただけで体のあちこちが痛む。ヒナタの肩を借りてよたよたと部屋を出た僕は、その造りに驚いてしまった。
「ここは……ギルドだったのか」
広い一階の共有スペースは二階まで吹き抜けになっており、個室へ続くドアが共有スペースを取り巻いている。ギルドの規模によっては相部屋だったりもするようだが、だいたいが個室ですむように、メンバーの数も調整しているようだ。
「あれ、言わなかったっけ?」
ヒナタがきょとんと僕を見上げてきた。
ギルドというのは、いわゆる冒険者たちの集まりのことだ。それぞれ志が合う者たちが集団を作り、大きないさかいから小さなもめごとまで、依頼を受けて解決したりしている。ギルドは冒険者の数だけあるといわれるとおり、たった一人でもギルドを作ることは可能だし、逆に数十人が所属している大所帯のギルドもある。
正式に国にギルドの設立を認められると、ギルドハウスの建築が許可されるのだ。大勢が共同生活を送れ、なおかつ人の出入りがあっても大丈夫、となると、構造は限られてくるので、だいたい一目でそれとわかる。
というか。
ここがギルドだということは……いや、僕のことを知っている人が、そういるとも思えない。
今思えば、他ギルドとの交流があった時でも、僕は紹介すらされていなかった。結局、あの時彼が言ったとおり、僕は仲間でもなんでもなかったということなのだろう。
チクリと、心の奥で、なにかが動く。ヒンヤリとした感触。
なんだか、昨日から変だな……。
胸に手を当てて考えながら、ヒナタについて歩いていくと、ふっと足元の階段を踏み外してしまった。正確には、階段を踏み外したヒナタが僕を引っ張ってつられて転がり落ちてしまった、かな。
「いたたたたた」
「いだだだだだ」
ヒナタはお尻を打ちながら階段を落ち、ヒナタの肩を借りていた僕はそれに引っ張られるように階段を落ちていった。とはいえ、ヒナタの肩につかまったままだったから、幸い頭は打たなかったが。
「カゲさんごめん~痛かった?」
「だいじょうぶ…」
あちこちの痛みが増した気もするが、怪我はしていないのでだいじょうぶだろう。
踊り場で体勢を立て直し、今度は慎重に階下まで降りる。トイレまで案内してもらって、やっと一息つけた。
トイレから出るとヒナタはいなかったので、壁伝いにいい匂いがしてくる方向へと進んだ。広い一階はパーテーションで区切られており、仕切りの向こうはキッチンになっていた。
キッチンでは、10人くらい並んで座れそうな長テーブルに、ハルとヒナタが座って朝食を食べている。僕の顔を見るとハルは立ち上がり、美味しそうなスープを出してくれた。
「急にたくさん食べるとよくないから、ちょっとずつねー」
言われたとおり、ゆっくりとスープをすすると、温かいスープが体中にしみこんでいく。まさに五臓六腑に染み渡っていく心地だ。美味い。もうそれ以外に言う言葉が見つからない。
「おかわりもらってもいい?」
「いいけど、食べ過ぎはよくないから、あとすこしだけね?」
新たによそってもらったスープもぺろりと平らげると、ハルが感心したような、あきれたようなまなざしを僕に向けてきた。
「それだけ食べられるなら、夜にはもうちょっとガッツリしたものだしても大丈夫そうね」
スープだけでもこんなに美味いのに、もっとガッツリした料理……あ、想像しただけでよだれが。
洗い物はヒナタの仕事のようで、食べ終わったお皿を重ねてキッチンへとヒナタが持っていく。落としはないかとはらはらと見守る僕に、ハルが声をかけてきた。
「ちょっと立ってみてくれる?」
「ん?」
ガタンと椅子を鳴らして立ち上がると、ハルが僕の前にやってきた。手を挙げろだの片足で立ってみてだのいろいろと注文があり、その通りに動いて見せると、満足そうにうなずいた。
「うん、あまり後遺症もないみたいだし、少しリハビリしたら元通り動けると思う」
怪我の治療に魔法を使うと、多少齟齬が出るというのが通説だ。傷にしろ骨折にしろ、ゆっくり治るべきところを急激にくっつけるのだから、本来なら生じないずれができてしまう。そうなると、以前のような動きができなくなり、冒険者としてはもうやってはいけない。
それが、あれだけの怪我を後遺症が出ないように治癒させるなんて、王都のギルドでもそれができるヒーラーはそう多くない。
「すごいんだな…」
素直に感心すると、ハルは照れくさそうに微笑んだ。その背後から、ひょこっとヒナタが顔を出す。
「そーだよ、ハルはすごいんだよ! 王都のギルドからも引き抜きの話が来るくらいだからね!」
「へぇ…。王都にはいかないの?」
「行かないよ。私はここにいたいからね」
そう言い切って笑うハルが、僕にはとてもまぶしく見えた。
ここにいたいと思える、僕の場所はもうなくなってしまった。いや、そもそもあの場所は僕の居場所と言っていい場所だったのか……。
実を言えば、僕は孤児だ。ぼんやりと覚えているのは、どこかの孤児院にいたこと、そこにいた僕は引き取られ、王都にあるギルドに連れていかれたこと。そこでは名前はなく、身体的な特徴で呼ばれており、僕は髪の色からシロと呼ばれていた。名前をもらえると教育は終了となる。初めて呼ばれたときは、誇らしい思いがしたものだ。
一通りの戦闘技術を身に着けた僕は、トカゲ、と。
そう名付けられた。
ギルド内のあるPTへ迎え入れられ、ともに冒険に出た。仲間ができたのだと思っていた。実際のところは、仲間だと思っていたのは僕だけだったのだが……。
ぼんやりと考え込んでいると、洗い物を終えたヒナタが戻ってきた。
「ねー、カゲさん、ちょっとお散歩行こうよ」
「え?」
「お天気いーし! 少し動いた方がいいんじゃないかなー?」
後半はハルの顔をうかがいながらの言葉である。ふと思いついて言ってみたけど、まだダメって怒られるかな~と少し顔が曇り気味。実にわかりやすい。
ちょっとだけだよ、とハルからの許可をもらい、ヒナタは嬉しそうに僕の手を引いた。つられて立ち上がり、ゆっくりなら歩けることだし、散歩に付き合うことにした。
ヒナタに腕を引かれるまま、ギルドハウスを出ると、まぶしい日差しに目を細めてしまった。目を細めて一歩二歩……とゆっくり足を進め、五歩目で段差に気が付かずに足を踏み外した。
「わっ!」
「うひゃぁ!?」
先を歩くヒナタに覆いかぶさる格好になり、また、ヒナタも僕を支えようとこちらを振り向いたため、期せずして抱き合うような形になってしまった。思いもよらない近距離に思わず飛び離れようとし、なおかつ真っ赤になったヒナタも僕を突き飛ばしたため、勢いよくしりもちをついた。
「いた!」
「ごめんなさい! だいじょうぶ?」
「うん……僕もごめん」
ヒナタの手を借りて立ち上がると、少し離れたところからゴホンと咳払いが聞こえた。そちらを見れば数人の村人が固まってこちらをによによと見ている。
「ええのぅ若いもんは」
「あまり見せつけるなよー」
「え!?」
「まぁまぁ、ヒナちゃんにもやっと春が来たんだから、あまり言ってやるなよ」
「ちが!? ヒナタもちゃんと言って……って、なんで顔赤らめてんのー!?」
「えええ? まだ赤い!?」
ヒナタがパタパタと顔を扇ぐが、そんなことで簡単におさまらない。集まっていた村人たちはひとしきりからかうと気がすんだのか、それぞれ思い思いのほうへと散っていってしまった。
「ヒナタ……あとで訂正しといてよ……」
そう呟くと、ヒナタはぷぅと頬を膨らませた。
「私と誤解されるのそんなにイヤなんだ?」
「え? いや、そうじゃなくてヒナタがイヤかなぁと……イヤじゃないの?」
「んん? そういわれてみれば……ちょっとイヤかも?」
顎に人差し指を当て、少し考えた後でヒナタはうなずいた。ひどいな!?
一つ息をついて改めて村を見回すと、まず中心にそびえたっている大樹に目を奪われた。そう……まさにそびえたって、
「あれ?」
一つ瞬きをしたら、それはちょっと大きいがごく普通の大木でしかなかった。
「……あの木は?」
「大きいでしょー? あの木があるからここに村ができたんだって! すんごく古い木らしいよ」
「ふぅん……」
それからヒナタに村を案内してもらいながらも、先ほど見た大樹の影が頭を離れなかった。錯覚というにはどうにも引っかかるものがあったのだ。しかし、その時以降、大樹の影を見ることはなかった。
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