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勇者
遺跡攻略
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「さあ、答えなさい。ここを作ったのは誰?」
「マイファメイア様だ」
「嘘を言ったわね?神様が直接こんなものを作ったと言うの?」
「事実である。マイファメイア様は我らの創造主」
そんな事ってあり得るのかしら?
「神話の時代からこの遺跡が存在しているのならもしかしたら」
ミラはそう言っているけど神話の時代というのはいつの事なのかしら?私がイルメイアに来るよりも前の事だとしたら物凄い昔になるが。
「貴方の創造主は何処にいるの?」
「それだけは答えられない」
真っ二つになった全身鎧は『分からない』と言わなかった。
つまり居所を知っている?
「この遺跡にいるの?」
「……答えられない」
今の答え方だと本当にこの遺跡にいるのかも知れない。
それにしても人間の様な反応ね。情報を聞き出す為に使えそうだし持っていこうかしら?
声の発している左側の頭を抱えてみる。
少し重いが持てない事もない。
「それをどうするの?」
「色々教えてくれそうだからここを出るまで連れていこうかと」
「なに!?我はこれ以上何も話さんぞ!置いていけ!」
芽依に聞かれて答えると、全身鎧が騒ぎ出す。
「本当に話さなくなったら破壊して捨てていくわ。それまでは付き合ってもらうわよ」
「ハル……お前、そんな過激だったのか……」
「あら、使えるものは何でも使わないと。探索だって命懸けなのだから」
そう返したらジェイドは何も言わなかった。
「じゃあ行きましょうか」
「そ、そうだね……早くここの探索を終えよう!」
セロがそう言って先に歩き出す。
ジェイドもすぐに後に続いた。
奥に続く通路を暫く進む。なだらかな上り坂になり右方向にカーブしていた。
暫く進むとまた部屋がある。
「この辺りにマイファメイアがいるのかしらね?」
頭に聞いてみるけど答えてはくれなかった。
「ここには何がいるの?」
「ここは第二の修練場、防具の取り扱いを教える」
「マイファメイアはこの辺りにいるの?」
「しつこいぞ!ここにはおらんわ!」
2度聞いたら教えてくれた。
「ありがとう」
「く……」
部屋に入ると扉は閉じられる。
中には人間サイズの全身鎧が三体、横並びにこちらを向いて立っていた。
左側からそれぞれ盾、鎧、手甲と足甲を持っている。
「ようこそ聖剣の主人よ。こちらの装備を身に付けられよ」
「あ、はい」
セロは素直に身に着け始める。
聖剣の主人であるセロに対しておかしな真似はしないだろう。
盾は身体半分が隠せる位の五角形に近い形をしたものだ。腕に通して使う事も、手で持って使う事も出来るようだ。
鎧は意外と軽いらしく、両手足の防具も同様。
どうやら盾も含めて全てミスリル製らしい。
鎧、手足の防具はセロには少し大きかったのだが、身に着けたら丁度良いサイズに変更された。
「スゴい便利だね」
「よく似合ってるじゃないか」
芽依とジェイドが褒めている。
「盾を使った事がないから取り回しを覚えないとな」
「それではこれより我らと戦っていただきます」
「それは必要ないわ」
地面から石の槍を発生させて三体の全身鎧を串刺しにする。
「君は悪魔か……」
抱えていた頭が震え声で呟く。
「私達はギルドの依頼で来ているだけで、貴方達の思惑通りにするつもりはないのよ」
人を軽々しく殺そうとする様な遺跡の製作者の思い通りにしてやるつもりはない。
「お母さんを怒らせると怖いんだからね」
何故か胸を張って言う芽依。
「と、とにかく先に進もう!」
装備を一新したセロが言って奥に続く道へ進む事にする。
同じようになだらかな上り坂に右カーブ。
こうやって一層毎に装備だったり訓練だったりをしながら出口を目指す構造の様だ。
「次は何があるのかしら?」
私が聞いても抱えた頭はピクリと震えただけで何も答えない。
「態度を変えたわね?つまりこの辺りに何かあるのかしら?」
カタカタと震え出す頭。
本当に嘘がつけない性格なのね。
「マイファメイア様だ」
「嘘を言ったわね?神様が直接こんなものを作ったと言うの?」
「事実である。マイファメイア様は我らの創造主」
そんな事ってあり得るのかしら?
「神話の時代からこの遺跡が存在しているのならもしかしたら」
ミラはそう言っているけど神話の時代というのはいつの事なのかしら?私がイルメイアに来るよりも前の事だとしたら物凄い昔になるが。
「貴方の創造主は何処にいるの?」
「それだけは答えられない」
真っ二つになった全身鎧は『分からない』と言わなかった。
つまり居所を知っている?
「この遺跡にいるの?」
「……答えられない」
今の答え方だと本当にこの遺跡にいるのかも知れない。
それにしても人間の様な反応ね。情報を聞き出す為に使えそうだし持っていこうかしら?
声の発している左側の頭を抱えてみる。
少し重いが持てない事もない。
「それをどうするの?」
「色々教えてくれそうだからここを出るまで連れていこうかと」
「なに!?我はこれ以上何も話さんぞ!置いていけ!」
芽依に聞かれて答えると、全身鎧が騒ぎ出す。
「本当に話さなくなったら破壊して捨てていくわ。それまでは付き合ってもらうわよ」
「ハル……お前、そんな過激だったのか……」
「あら、使えるものは何でも使わないと。探索だって命懸けなのだから」
そう返したらジェイドは何も言わなかった。
「じゃあ行きましょうか」
「そ、そうだね……早くここの探索を終えよう!」
セロがそう言って先に歩き出す。
ジェイドもすぐに後に続いた。
奥に続く通路を暫く進む。なだらかな上り坂になり右方向にカーブしていた。
暫く進むとまた部屋がある。
「この辺りにマイファメイアがいるのかしらね?」
頭に聞いてみるけど答えてはくれなかった。
「ここには何がいるの?」
「ここは第二の修練場、防具の取り扱いを教える」
「マイファメイアはこの辺りにいるの?」
「しつこいぞ!ここにはおらんわ!」
2度聞いたら教えてくれた。
「ありがとう」
「く……」
部屋に入ると扉は閉じられる。
中には人間サイズの全身鎧が三体、横並びにこちらを向いて立っていた。
左側からそれぞれ盾、鎧、手甲と足甲を持っている。
「ようこそ聖剣の主人よ。こちらの装備を身に付けられよ」
「あ、はい」
セロは素直に身に着け始める。
聖剣の主人であるセロに対しておかしな真似はしないだろう。
盾は身体半分が隠せる位の五角形に近い形をしたものだ。腕に通して使う事も、手で持って使う事も出来るようだ。
鎧は意外と軽いらしく、両手足の防具も同様。
どうやら盾も含めて全てミスリル製らしい。
鎧、手足の防具はセロには少し大きかったのだが、身に着けたら丁度良いサイズに変更された。
「スゴい便利だね」
「よく似合ってるじゃないか」
芽依とジェイドが褒めている。
「盾を使った事がないから取り回しを覚えないとな」
「それではこれより我らと戦っていただきます」
「それは必要ないわ」
地面から石の槍を発生させて三体の全身鎧を串刺しにする。
「君は悪魔か……」
抱えていた頭が震え声で呟く。
「私達はギルドの依頼で来ているだけで、貴方達の思惑通りにするつもりはないのよ」
人を軽々しく殺そうとする様な遺跡の製作者の思い通りにしてやるつもりはない。
「お母さんを怒らせると怖いんだからね」
何故か胸を張って言う芽依。
「と、とにかく先に進もう!」
装備を一新したセロが言って奥に続く道へ進む事にする。
同じようになだらかな上り坂に右カーブ。
こうやって一層毎に装備だったり訓練だったりをしながら出口を目指す構造の様だ。
「次は何があるのかしら?」
私が聞いても抱えた頭はピクリと震えただけで何も答えない。
「態度を変えたわね?つまりこの辺りに何かあるのかしら?」
カタカタと震え出す頭。
本当に嘘がつけない性格なのね。
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