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竜人族の島
防衛戦
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ハウト氏の攻撃が知らされた。いよいよ戦闘開始だ。
私達は町の中で待機、特にやる事はない。
リオさんとネネさんはラストモンスターが気になるらしく、ダンジョンに行って簡単な研究をするらしい。
何かあればすぐに戻ってきてもらう予定。
私達は適当に見晴らしの良い所で町の様子を見ている事にした。
で、やってきたのは農地の付近。
空き地にヴォアル氏の捕虜の竜人族と半竜人族が後ろ手に縛られて座らされていた。
首には例の首輪が付いている。
それにしても野ざらしなのはちょっと可哀想だ。見張りの竜人族に簡単な建物を作っても良いかと聞いてみたら了承してくれたので、石造りの大きな牢屋を《建設》で建てておいた。
扉は作っていないので、私が解除しないと永久に出られないだろう。
一応下側を少し開けておいたので、そこから食事や水は渡せる筈。
部屋は分けるのは大変だと思ったので、竜人族と半竜人族に分けるくらいにしておいた。
これくらいやっておけばいいよね。
見張りの人は「私がする事は余程おかしなことではない限り好きにさせて良い」という指示をもらっているそうなので、牢屋の中の人の縄を解いてあげる事にした。
「手足が自由ならこんな所すぐに破壊して逃げ出すぞ」
「意外と硬いので怪我をしない様に気をつけてくださいね」
私が昏倒させたハウト氏の1人が言ってきたけど力で壊せる様な強度じゃない。大人しくしていて欲しい。
「ミナって意外と煽り上手」
「違うよ!」
本当に怪我してほしくないから言ったんだよソラちゃん。
「敵さんのお出ましだ」
屋根の上で寝転がっていたマサキさんがみんなに知らせてくれる。指差す方を見ると翼を羽ばたかせて6人の竜人族が飛んできていた。
「リオさんとネネさんを呼びますね」
「いや、アレくらいなら俺達だけで十分だろ」
「ん、楽勝」
マサキさんとソラちゃんはそう言うけどいいのかな?
2人は空から迫り来る竜人族に向かって走り出す。他のみんなも後に続いた。
「ミナ、取り敢えず撃墜しよう。単体攻撃で頼む」
「分かったよ」
ハナちゃんはそう言うと、氷の魔法で3本の剣を作り出すと空に飛ばす。
ハナちゃんの氷の剣が飛んできたのを見て竜人族達は高度を上げる。かなり上空に行ってしまった。
「届く?」
「大丈夫だ。《マナインクリーズ》!」
脱力したまま聞いてくるソラちゃんに答えながら魔法を追加するハナちゃん。どうやら射程距離を延長できる魔法みたい。
氷の剣は1人の竜人族の翼を貫いた。
「《ブレイクソード》」
力ある言葉と共に氷の剣が破裂して翼全体を凍り付かせた。羽ばたく事が出来ずに落ちてくる。
あとの2本は躱されてしまったけど、近くで破裂させたので翼や身体が凍りついて動きが鈍くなる。
「すまない、1体しか落とせなかった」
「大丈夫だよ。任せて」
私は弓矢を出して構える。狙うのは翼の付け根。
《エイミングアロー》をほぼ真上に向かって放つ。
直ぐに次を番えて2射目、3射目と撃っていき、合計5発放った。
矢の行き先を見ていると1本が竜人族の翼の付け根に命中した。続いて2人、3人、4人と命中していったけど、最後の1本は4人目に突き刺さってしまった。
落ちていく5人を尻目に最後の1人が急降下を開始する。口を大きく開けて火の玉を吐き出した。
竜人族のブレスって放射状に広がったりウルちゃんがよく放つレーザー状のものじゃないんだね。
のんびり火の玉を見送ってしまったのは、ヴォアル氏の捕虜達を収監している牢屋に向かって攻撃をしていたからだ。
あの牢屋もウルちゃんのブレスでも壊れない位には強化してある。
火の玉が命中しても傷一つ付かなかった。
急降下してくる竜人族はそのまま手に持ったソードランスを構えて攻撃に来る。
「俺がやる!」
マサキさんが迫り来る竜人族の前に躍り出て剣を構える。
突撃してくる竜人族をギリギリで避けると通り抜け様に翼を切り裂いた。
バランスを崩して地面に叩きつけられる竜人族。ダメージは相当なものだったらしく気を失っている。
落ちてくる竜人族達は、何とかバランスを取ろうと必死だった。このままだと何もないところに降りてくるだろう。ダメ押しにもう一度掃射してもいいけど軌道が変わって民家に落ちられたら困るので落ちてくるのを待つ事にした。
既に落下点にはユキさん、ソラちゃん、テュケ君が待ち構えているし。
一応降伏勧告をしておこうか。
「あなた達に勝ち目はありません。降伏してください」
「だまれ!我ら竜人族は降伏などしない!」
まあそうだよね。仕方ないから戦闘不能にして捕らえておこう。
何とか勢いを殺して着地するとそれぞれの武器で襲いかかってくる。
…確かにこの人達に魚を食べさせるのは無理そう。
負傷しながらも果敢に攻めてくる竜人族達。
でも相手が悪かった。
攻撃を真正面から受け止めて跳ね返すユキさん。
相手の武器ごと叩き折るソラちゃん。
テュケ君は二刀で相手の攻撃を捌きながら追い詰めていく。
ウェスターさんも相手の槍を躱して反撃している。関節部分を確実に攻撃して動きを鈍らせていた。
ハナちゃんが雷の剣を2本、手に持って竜人族と斬り結ぶ。
流石勇者の娘、圧倒的な体格差でも全然怯まない。力で押し負けない様に攻撃を逸らして反撃をしていく。相手は斬られる度に電撃を受けて動きを悪くしていく。
援護の必要は無さそう。
それなら私は周囲の索敵と状況の把握をしよう。
オーバーブーストを掛けて《鑑定》で様子を見てみる。
防衛地点ではかなり酷い乱戦が行われていた。真正面からぶつかり合って多くの死傷者を出しているけど、防衛地点は守られていた。
私達は町の中で待機、特にやる事はない。
リオさんとネネさんはラストモンスターが気になるらしく、ダンジョンに行って簡単な研究をするらしい。
何かあればすぐに戻ってきてもらう予定。
私達は適当に見晴らしの良い所で町の様子を見ている事にした。
で、やってきたのは農地の付近。
空き地にヴォアル氏の捕虜の竜人族と半竜人族が後ろ手に縛られて座らされていた。
首には例の首輪が付いている。
それにしても野ざらしなのはちょっと可哀想だ。見張りの竜人族に簡単な建物を作っても良いかと聞いてみたら了承してくれたので、石造りの大きな牢屋を《建設》で建てておいた。
扉は作っていないので、私が解除しないと永久に出られないだろう。
一応下側を少し開けておいたので、そこから食事や水は渡せる筈。
部屋は分けるのは大変だと思ったので、竜人族と半竜人族に分けるくらいにしておいた。
これくらいやっておけばいいよね。
見張りの人は「私がする事は余程おかしなことではない限り好きにさせて良い」という指示をもらっているそうなので、牢屋の中の人の縄を解いてあげる事にした。
「手足が自由ならこんな所すぐに破壊して逃げ出すぞ」
「意外と硬いので怪我をしない様に気をつけてくださいね」
私が昏倒させたハウト氏の1人が言ってきたけど力で壊せる様な強度じゃない。大人しくしていて欲しい。
「ミナって意外と煽り上手」
「違うよ!」
本当に怪我してほしくないから言ったんだよソラちゃん。
「敵さんのお出ましだ」
屋根の上で寝転がっていたマサキさんがみんなに知らせてくれる。指差す方を見ると翼を羽ばたかせて6人の竜人族が飛んできていた。
「リオさんとネネさんを呼びますね」
「いや、アレくらいなら俺達だけで十分だろ」
「ん、楽勝」
マサキさんとソラちゃんはそう言うけどいいのかな?
2人は空から迫り来る竜人族に向かって走り出す。他のみんなも後に続いた。
「ミナ、取り敢えず撃墜しよう。単体攻撃で頼む」
「分かったよ」
ハナちゃんはそう言うと、氷の魔法で3本の剣を作り出すと空に飛ばす。
ハナちゃんの氷の剣が飛んできたのを見て竜人族達は高度を上げる。かなり上空に行ってしまった。
「届く?」
「大丈夫だ。《マナインクリーズ》!」
脱力したまま聞いてくるソラちゃんに答えながら魔法を追加するハナちゃん。どうやら射程距離を延長できる魔法みたい。
氷の剣は1人の竜人族の翼を貫いた。
「《ブレイクソード》」
力ある言葉と共に氷の剣が破裂して翼全体を凍り付かせた。羽ばたく事が出来ずに落ちてくる。
あとの2本は躱されてしまったけど、近くで破裂させたので翼や身体が凍りついて動きが鈍くなる。
「すまない、1体しか落とせなかった」
「大丈夫だよ。任せて」
私は弓矢を出して構える。狙うのは翼の付け根。
《エイミングアロー》をほぼ真上に向かって放つ。
直ぐに次を番えて2射目、3射目と撃っていき、合計5発放った。
矢の行き先を見ていると1本が竜人族の翼の付け根に命中した。続いて2人、3人、4人と命中していったけど、最後の1本は4人目に突き刺さってしまった。
落ちていく5人を尻目に最後の1人が急降下を開始する。口を大きく開けて火の玉を吐き出した。
竜人族のブレスって放射状に広がったりウルちゃんがよく放つレーザー状のものじゃないんだね。
のんびり火の玉を見送ってしまったのは、ヴォアル氏の捕虜達を収監している牢屋に向かって攻撃をしていたからだ。
あの牢屋もウルちゃんのブレスでも壊れない位には強化してある。
火の玉が命中しても傷一つ付かなかった。
急降下してくる竜人族はそのまま手に持ったソードランスを構えて攻撃に来る。
「俺がやる!」
マサキさんが迫り来る竜人族の前に躍り出て剣を構える。
突撃してくる竜人族をギリギリで避けると通り抜け様に翼を切り裂いた。
バランスを崩して地面に叩きつけられる竜人族。ダメージは相当なものだったらしく気を失っている。
落ちてくる竜人族達は、何とかバランスを取ろうと必死だった。このままだと何もないところに降りてくるだろう。ダメ押しにもう一度掃射してもいいけど軌道が変わって民家に落ちられたら困るので落ちてくるのを待つ事にした。
既に落下点にはユキさん、ソラちゃん、テュケ君が待ち構えているし。
一応降伏勧告をしておこうか。
「あなた達に勝ち目はありません。降伏してください」
「だまれ!我ら竜人族は降伏などしない!」
まあそうだよね。仕方ないから戦闘不能にして捕らえておこう。
何とか勢いを殺して着地するとそれぞれの武器で襲いかかってくる。
…確かにこの人達に魚を食べさせるのは無理そう。
負傷しながらも果敢に攻めてくる竜人族達。
でも相手が悪かった。
攻撃を真正面から受け止めて跳ね返すユキさん。
相手の武器ごと叩き折るソラちゃん。
テュケ君は二刀で相手の攻撃を捌きながら追い詰めていく。
ウェスターさんも相手の槍を躱して反撃している。関節部分を確実に攻撃して動きを鈍らせていた。
ハナちゃんが雷の剣を2本、手に持って竜人族と斬り結ぶ。
流石勇者の娘、圧倒的な体格差でも全然怯まない。力で押し負けない様に攻撃を逸らして反撃をしていく。相手は斬られる度に電撃を受けて動きを悪くしていく。
援護の必要は無さそう。
それなら私は周囲の索敵と状況の把握をしよう。
オーバーブーストを掛けて《鑑定》で様子を見てみる。
防衛地点ではかなり酷い乱戦が行われていた。真正面からぶつかり合って多くの死傷者を出しているけど、防衛地点は守られていた。
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