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特別編3:異世界
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──〔god side〕──
アスティアの神界に戻ってからはこの世界の様子を見たり、ライオアールの様子を見たりで結構忙しく過ごしていた。
人間側の私も結構大変そう。
と、人間側の私から連絡が…。
物凄く細い通信、ヌスクァムから更に他の世界に行っているからかな?
…なるほど。一応聞いてみて欲しいと。
私はフラウリア様のいる空間に移動する。
「ミナ様。今日は何か御用ですか?」
「フラウリア様、今日は一つ提案があって来ました」
「…何でしょう?」
「ライオアールに戻りたくないと言われていましたけど、他の世界で神様をやってみる気はありませんか?勿論いきなり1人で何とかしてとはいいません。私達もサポートしますし虚空の覇者さんも援助してくださるそうです。あちらの準備が整ったら一度見に行ってみませんか?」
私は人間側の私に提示された条件を説明しながらフラウリア様に聞いてみる。
フラウリア様は暫く俯いて考えていた。
「直ぐにとは言いません。フラウリア様の魂の破損が治って、気持ちの整理が出来たら私と一度見に行ってみませんか?」
「ミナ様がそこまで仰るなら、分かりました」
「とはいえまだ神獣討伐が済んでいないので、それまでは行けませんが」
「神獣…討伐?もしかしてとんでもない世界なのではないですか…?」
「いえいえ、ちょっと神様が自分の創り出した獣に食べられちゃっただけの世界ですよ。駆除が済んだら安全ですので」
「…信じて良いのでしょうか」
フラウリア様を不安にさせてしまったけど、一度直接見てもらって判断してもらおう。
──〔human side〕──
「フラウリア様は全て片付いたら見に来る事になりましたよ」
「そうか。ならば早めに神獣を駆除してしまわなければな」
神獣を倒した後、暫くは川本さんが管理してくれる事になるしフラウリア様に断られたら、管理できる神様が見つかるまで川本さんにお任せするからね。
「あと8体ですね。このままのペースで倒していければ何とかなりそうです」
「セラちゃん、それフラグじゃないですかね?口にして言うとこの後とんでもない事が起こるかも知れないですよ~?」
「あら、そんなものですか?気を引き締めていかなければいけませんね」
レフィさんに言われてセラさんも笑ながら答えている。
「コミュニティについては、下地は作ったのでこれ以上は手出しするつもりはありません。今後、人間同士で争いが起こっても私達が引き上げた後は関与しないつもりです」
レアさんは人間側の方針を話してくれる。ここまでやればそうそう争いは起きないと思うけど。
「それについては賛成よ。契約もここまでやったのだから、抜け道を見つけてまで戦争を始めるなら勝手にやればいいわ」
リオさんは冷たく言っているけど、抜け道なんてあるのかな?
「幾らでもあるわよ。今回の契約の根底が不安定なものだから」
「そうなんですか…」
「そうなのよ」
みんな分かっている様で頷いていた。ソラちゃんさえも…。
「むぅ、ミナは私の事をおバカな子供だと思ってる?」
「そんな事ないよ!…って、それはつまり私がおバカな子供って言ってるの?」
「…チガウヨ」
目を逸らしながら言うソラちゃん。
「ねーちゃんはそのままでいいんだ」
テュケ君に頭を撫でられる。
何か最近テュケ君が私を妹の様に扱ってる気がする。
「まああれだ。ミナ殿は今まで通り真っ直ぐでいてくれと言う事だよな?」
「そ、そうですよ。ミナさんは私達の良心でいてください」
レアさんは笑顔でそう言っていた。
それだとみんなが悪い子みたいでちょっと嫌だなぁ。
「さあ、話し合いも終わったし、ご飯を食べて少し休むわよ。明日には本格的に攻勢に出るんだからね」
リオさんがそう言って解散する事になった。
ーーーー
次の日。
朝食を済ませて準備を整える。今回はレアさん達も船に戻っていた。
ヘッジホッグセレイラの整備も完了してリコッタちゃんの船ロアゾブルエステレラも修理が完了していた。
ただし出撃はメレ君の船ルミエドゥースゾハルの中に搭載したままらしい。
船一隻お腹の中に入れたまま空を飛べるの?
(私の船の魔動力炉のエネルギーをメレの船に供給してるから大丈夫)
疑問をリコッタちゃんに聞いたらすぐに答えてくれた。
(おー、ツインドライブの船にエネルギー供給。トリプルドライブだ)
(それカッコいいね!これからはそう呼ぼうよ!)
ソラちゃんが言った事に大喜びのメレ君。
(それってメレの船の中に誰かの船がいる事になるんだよな?効率悪いだろ)
(外部装甲として使うなら突撃にもってこい)
(そりゃいいな。アルマータグレイヴが中に入って突撃するぜ)
今度はエヴァルさんが乗り気だ。
(それだと僕の船が捨て駒になるよね?ヤダよ!)
メレ君が言うと兄弟達から笑いがおきる。
仲良しなのはいい事だね。
(注意、北部方向に感あり…あれは!神獣多数!数は…8!)
イルナさんが報告して来る。
(どうやら総力戦に出て来たみたいだね。こっちは一隻増えたけど被害無く勝てるかね)
エリザベートさんは弱気な事を言っているけど声はしっかりしていた。
(最善を尽くしましょう。総指揮はエリザベートさんがとりますか?)
(戦略的なのはサッパリなのさ。レアがとってくれ)
(分かりました!)
さあ、決戦の始まりだ!
アスティアの神界に戻ってからはこの世界の様子を見たり、ライオアールの様子を見たりで結構忙しく過ごしていた。
人間側の私も結構大変そう。
と、人間側の私から連絡が…。
物凄く細い通信、ヌスクァムから更に他の世界に行っているからかな?
…なるほど。一応聞いてみて欲しいと。
私はフラウリア様のいる空間に移動する。
「ミナ様。今日は何か御用ですか?」
「フラウリア様、今日は一つ提案があって来ました」
「…何でしょう?」
「ライオアールに戻りたくないと言われていましたけど、他の世界で神様をやってみる気はありませんか?勿論いきなり1人で何とかしてとはいいません。私達もサポートしますし虚空の覇者さんも援助してくださるそうです。あちらの準備が整ったら一度見に行ってみませんか?」
私は人間側の私に提示された条件を説明しながらフラウリア様に聞いてみる。
フラウリア様は暫く俯いて考えていた。
「直ぐにとは言いません。フラウリア様の魂の破損が治って、気持ちの整理が出来たら私と一度見に行ってみませんか?」
「ミナ様がそこまで仰るなら、分かりました」
「とはいえまだ神獣討伐が済んでいないので、それまでは行けませんが」
「神獣…討伐?もしかしてとんでもない世界なのではないですか…?」
「いえいえ、ちょっと神様が自分の創り出した獣に食べられちゃっただけの世界ですよ。駆除が済んだら安全ですので」
「…信じて良いのでしょうか」
フラウリア様を不安にさせてしまったけど、一度直接見てもらって判断してもらおう。
──〔human side〕──
「フラウリア様は全て片付いたら見に来る事になりましたよ」
「そうか。ならば早めに神獣を駆除してしまわなければな」
神獣を倒した後、暫くは川本さんが管理してくれる事になるしフラウリア様に断られたら、管理できる神様が見つかるまで川本さんにお任せするからね。
「あと8体ですね。このままのペースで倒していければ何とかなりそうです」
「セラちゃん、それフラグじゃないですかね?口にして言うとこの後とんでもない事が起こるかも知れないですよ~?」
「あら、そんなものですか?気を引き締めていかなければいけませんね」
レフィさんに言われてセラさんも笑ながら答えている。
「コミュニティについては、下地は作ったのでこれ以上は手出しするつもりはありません。今後、人間同士で争いが起こっても私達が引き上げた後は関与しないつもりです」
レアさんは人間側の方針を話してくれる。ここまでやればそうそう争いは起きないと思うけど。
「それについては賛成よ。契約もここまでやったのだから、抜け道を見つけてまで戦争を始めるなら勝手にやればいいわ」
リオさんは冷たく言っているけど、抜け道なんてあるのかな?
「幾らでもあるわよ。今回の契約の根底が不安定なものだから」
「そうなんですか…」
「そうなのよ」
みんな分かっている様で頷いていた。ソラちゃんさえも…。
「むぅ、ミナは私の事をおバカな子供だと思ってる?」
「そんな事ないよ!…って、それはつまり私がおバカな子供って言ってるの?」
「…チガウヨ」
目を逸らしながら言うソラちゃん。
「ねーちゃんはそのままでいいんだ」
テュケ君に頭を撫でられる。
何か最近テュケ君が私を妹の様に扱ってる気がする。
「まああれだ。ミナ殿は今まで通り真っ直ぐでいてくれと言う事だよな?」
「そ、そうですよ。ミナさんは私達の良心でいてください」
レアさんは笑顔でそう言っていた。
それだとみんなが悪い子みたいでちょっと嫌だなぁ。
「さあ、話し合いも終わったし、ご飯を食べて少し休むわよ。明日には本格的に攻勢に出るんだからね」
リオさんがそう言って解散する事になった。
ーーーー
次の日。
朝食を済ませて準備を整える。今回はレアさん達も船に戻っていた。
ヘッジホッグセレイラの整備も完了してリコッタちゃんの船ロアゾブルエステレラも修理が完了していた。
ただし出撃はメレ君の船ルミエドゥースゾハルの中に搭載したままらしい。
船一隻お腹の中に入れたまま空を飛べるの?
(私の船の魔動力炉のエネルギーをメレの船に供給してるから大丈夫)
疑問をリコッタちゃんに聞いたらすぐに答えてくれた。
(おー、ツインドライブの船にエネルギー供給。トリプルドライブだ)
(それカッコいいね!これからはそう呼ぼうよ!)
ソラちゃんが言った事に大喜びのメレ君。
(それってメレの船の中に誰かの船がいる事になるんだよな?効率悪いだろ)
(外部装甲として使うなら突撃にもってこい)
(そりゃいいな。アルマータグレイヴが中に入って突撃するぜ)
今度はエヴァルさんが乗り気だ。
(それだと僕の船が捨て駒になるよね?ヤダよ!)
メレ君が言うと兄弟達から笑いがおきる。
仲良しなのはいい事だね。
(注意、北部方向に感あり…あれは!神獣多数!数は…8!)
イルナさんが報告して来る。
(どうやら総力戦に出て来たみたいだね。こっちは一隻増えたけど被害無く勝てるかね)
エリザベートさんは弱気な事を言っているけど声はしっかりしていた。
(最善を尽くしましょう。総指揮はエリザベートさんがとりますか?)
(戦略的なのはサッパリなのさ。レアがとってくれ)
(分かりました!)
さあ、決戦の始まりだ!
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