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特別編3:異世界
模擬戦開始
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まず初めに動いたのはコウさんとアヤさん。
コウさんの片手剣の攻撃をユキさんが難なく受け止める。
アヤさんがそれを見てユキさんの右側面に回り込もうと動くけど、すかさずユキさんが手にした槍で牽制。アヤさんは攻撃が出来ずに後ろに下がる。
こちらからはソラちゃんとエルクさんが飛び出した。
それをテュケ君とノリさんが迎え撃つ。
ソラちゃんの攻撃はテュケ君が受け止めて、エルクさんの前にはノリさんが立ちはだかる。
「ソラの動きは見切ってるからな!」
「テュケのクセに生意気な」
ハルバードの刃を2本の剣で受け止めたテュケ君を力任せに吹き飛ばすソラちゃん。
エルクさんの剣を長柄の両刃斧で受け止めたノリさんも距離を取る。
その直後リオさんの魔法が発動した。
「《スパイダーウェブ》」
白い粘着質の糸が無数に降りかかってきて私達に絡みつく。ネバネバして気持ち悪い。しかも結構硬くて簡単には千切れない。
「リオ、いつの間にウェブシューターを…」
「魔法よ。ビーストマジックっていう特殊なジャンルで、ユイが使えるわ」
ソラちゃんは蜘蛛の糸に絡め取られながらリオさんに聞いていた。リオさんは得意気に解説している。
ソラちゃんの力で引っ張っても伸びるだけで千切れない。中々厄介な魔法だね。
私は…あれ?絡み付かずに滑っていったよ?
「幸運によるレジストですね」
アウラさんが解説してくれる。
なるほど。取り敢えず私は大丈夫だけど他の人達は動きが制限されてしまった。
「やっぱりミナには効かないか。次、予定通りやるわよ」
「分かった!」
予定通り…リオさんが作戦を立ててるのは想定していたけど、やっぱり敵に回すと厄介だね。
「みんな、驚かないでね!《クリムゾンフレア》!」
私は蜘蛛の糸に絡め取られたみんなに向かって29位階魔法をぶつけて糸を焼き切る。
「えっ…!?うわっ!!」
「み、ミナさん…!?」
「大丈夫です!皆さんにはダメージはありませんから」
《精密》を使っているから糸は燃えても味方には当たらない。
これでみんな動けるようになるよね。
「ねーちゃん、隙ありだ!」
《クリムゾンフレア》の火炎で視界を遮った瞬間にテュケ君が私に向かって斬りかかって来ていた!
「《雷閃舞》!」
回転するように二刀からの鋭い連続攻撃を放つテュケ君。
ヤバい…避けきれない!
「させるかよ!《メッサーグリント》!」
ロウさんが私とテュケ君の間に割り込んで攻撃テュケ君を攻撃する。
テュケ君は数カ所を斬られて後ろに下がる。
「レベルが同じなら対応はいくらでも出来るってね!」
「くっ…!中々やるな!」
ロウさんが使ったのは迎撃専用のアーツらしい。そんな技もあるんだね。
「まだまだ!」
今度は左側面からアヤさんが飛び込んでくる。
…私が狙われてるんだね。
アヤさんは右拳を振り抜いて攻撃してくる。
格闘戦なら負けないよ!
私はアヤさんの攻撃を潜ると右腕を取って関節を極めながら投げ飛ばす。
「えっ!?うわ…!」
アヤさんは勢いよく投げ飛ばされて少し離れた地面に落ちる。そのままコロコロと転がって直ぐに立ち上がったけど、右腕を押さえて痛そうにしていた。
「《オプティカルレイ》!」
今度はマユミさんが光線を私目掛けて撃ってくる。私はアヤさんに対応した事で反応が遅れる。
「させないよ」
ソラちゃんは前進しながらハルバードを振り下ろして《オプティカルレイ》を叩き斬った。
「魔法を…斬った!?」
驚くマユミさん。
「経験の差だよ」
「何言ってんのよ。ただの力技のクセに」
「むぅ…」
リオさんに言われてソラちゃんは口を尖らせている。
今のは技じゃないんだ…。
「《サブヴァードシェル》!」
ニアさんが私、ソラちゃん、ユキさんの魔法防御力を上げてくれる。
向こうには3人も魔法使いがいるんだから有効だね。
「甘いわ。《インクウェティマジックシールド》!」
リオさんが即座に魔法防御力を低下させてきた。
リオさんの魔力の方が高いので上昇値の打ち消しどころか低下させられてしまう。
これは厳しい。はやく魔法使いを1人でも減らさないと…。
そうだ、もう1人魔法使いがいたんだった!
私の足元が泥濘んで一瞬で膝まで沈み込む。
「私の事忘れたのかな?」
ほのかさんが地の精霊に呼びかけて地面を泥化させていた。
ほのかさんは同時に多くの精霊を操れる。手数が圧倒的だ。
私も呼んじゃうよ!
「ヴィエトさん!グラートさん!」
『久しぶりだな!』
『ここはどこだ?』
風の精霊王のヴィエトさんと大地の精霊王のグラートさんを呼び出した。
「お久しぶりです。ここは私のダンジョンで、今は模擬戦中です。手伝ってもらえますか?」
『勿論だとも』『我らに任せておけ』
2人とも快く応じてくれた。
「えぇ…ミナちゃん精霊呼べるんだ?困ったなぁ。風と土は言う事を聞いてくれなくなっちゃったよ」
ほのかさんは少し困った様に周りを見ていた。
でもそれ以外の精霊は従っているね。
「私でも精霊王は呼べないんだよね。普通は呼び出せないみたい」
「そうなんですか…」
「こらこら、呑気に話をしない。ほのかはミナの精霊王2体を全部の精霊で相手をして」
「りょーかいだよ」
リオさんがほのかさんに指示を出している。
「やっぱりミナを倒さないと勝てそうにないわね」
リオさんの呟きが聞こえてきた。
私はこっちが圧されてると思ってるんだけど、向こうはそう思ってないみたい。
まだまだ序盤。これからだよ!
コウさんの片手剣の攻撃をユキさんが難なく受け止める。
アヤさんがそれを見てユキさんの右側面に回り込もうと動くけど、すかさずユキさんが手にした槍で牽制。アヤさんは攻撃が出来ずに後ろに下がる。
こちらからはソラちゃんとエルクさんが飛び出した。
それをテュケ君とノリさんが迎え撃つ。
ソラちゃんの攻撃はテュケ君が受け止めて、エルクさんの前にはノリさんが立ちはだかる。
「ソラの動きは見切ってるからな!」
「テュケのクセに生意気な」
ハルバードの刃を2本の剣で受け止めたテュケ君を力任せに吹き飛ばすソラちゃん。
エルクさんの剣を長柄の両刃斧で受け止めたノリさんも距離を取る。
その直後リオさんの魔法が発動した。
「《スパイダーウェブ》」
白い粘着質の糸が無数に降りかかってきて私達に絡みつく。ネバネバして気持ち悪い。しかも結構硬くて簡単には千切れない。
「リオ、いつの間にウェブシューターを…」
「魔法よ。ビーストマジックっていう特殊なジャンルで、ユイが使えるわ」
ソラちゃんは蜘蛛の糸に絡め取られながらリオさんに聞いていた。リオさんは得意気に解説している。
ソラちゃんの力で引っ張っても伸びるだけで千切れない。中々厄介な魔法だね。
私は…あれ?絡み付かずに滑っていったよ?
「幸運によるレジストですね」
アウラさんが解説してくれる。
なるほど。取り敢えず私は大丈夫だけど他の人達は動きが制限されてしまった。
「やっぱりミナには効かないか。次、予定通りやるわよ」
「分かった!」
予定通り…リオさんが作戦を立ててるのは想定していたけど、やっぱり敵に回すと厄介だね。
「みんな、驚かないでね!《クリムゾンフレア》!」
私は蜘蛛の糸に絡め取られたみんなに向かって29位階魔法をぶつけて糸を焼き切る。
「えっ…!?うわっ!!」
「み、ミナさん…!?」
「大丈夫です!皆さんにはダメージはありませんから」
《精密》を使っているから糸は燃えても味方には当たらない。
これでみんな動けるようになるよね。
「ねーちゃん、隙ありだ!」
《クリムゾンフレア》の火炎で視界を遮った瞬間にテュケ君が私に向かって斬りかかって来ていた!
「《雷閃舞》!」
回転するように二刀からの鋭い連続攻撃を放つテュケ君。
ヤバい…避けきれない!
「させるかよ!《メッサーグリント》!」
ロウさんが私とテュケ君の間に割り込んで攻撃テュケ君を攻撃する。
テュケ君は数カ所を斬られて後ろに下がる。
「レベルが同じなら対応はいくらでも出来るってね!」
「くっ…!中々やるな!」
ロウさんが使ったのは迎撃専用のアーツらしい。そんな技もあるんだね。
「まだまだ!」
今度は左側面からアヤさんが飛び込んでくる。
…私が狙われてるんだね。
アヤさんは右拳を振り抜いて攻撃してくる。
格闘戦なら負けないよ!
私はアヤさんの攻撃を潜ると右腕を取って関節を極めながら投げ飛ばす。
「えっ!?うわ…!」
アヤさんは勢いよく投げ飛ばされて少し離れた地面に落ちる。そのままコロコロと転がって直ぐに立ち上がったけど、右腕を押さえて痛そうにしていた。
「《オプティカルレイ》!」
今度はマユミさんが光線を私目掛けて撃ってくる。私はアヤさんに対応した事で反応が遅れる。
「させないよ」
ソラちゃんは前進しながらハルバードを振り下ろして《オプティカルレイ》を叩き斬った。
「魔法を…斬った!?」
驚くマユミさん。
「経験の差だよ」
「何言ってんのよ。ただの力技のクセに」
「むぅ…」
リオさんに言われてソラちゃんは口を尖らせている。
今のは技じゃないんだ…。
「《サブヴァードシェル》!」
ニアさんが私、ソラちゃん、ユキさんの魔法防御力を上げてくれる。
向こうには3人も魔法使いがいるんだから有効だね。
「甘いわ。《インクウェティマジックシールド》!」
リオさんが即座に魔法防御力を低下させてきた。
リオさんの魔力の方が高いので上昇値の打ち消しどころか低下させられてしまう。
これは厳しい。はやく魔法使いを1人でも減らさないと…。
そうだ、もう1人魔法使いがいたんだった!
私の足元が泥濘んで一瞬で膝まで沈み込む。
「私の事忘れたのかな?」
ほのかさんが地の精霊に呼びかけて地面を泥化させていた。
ほのかさんは同時に多くの精霊を操れる。手数が圧倒的だ。
私も呼んじゃうよ!
「ヴィエトさん!グラートさん!」
『久しぶりだな!』
『ここはどこだ?』
風の精霊王のヴィエトさんと大地の精霊王のグラートさんを呼び出した。
「お久しぶりです。ここは私のダンジョンで、今は模擬戦中です。手伝ってもらえますか?」
『勿論だとも』『我らに任せておけ』
2人とも快く応じてくれた。
「えぇ…ミナちゃん精霊呼べるんだ?困ったなぁ。風と土は言う事を聞いてくれなくなっちゃったよ」
ほのかさんは少し困った様に周りを見ていた。
でもそれ以外の精霊は従っているね。
「私でも精霊王は呼べないんだよね。普通は呼び出せないみたい」
「そうなんですか…」
「こらこら、呑気に話をしない。ほのかはミナの精霊王2体を全部の精霊で相手をして」
「りょーかいだよ」
リオさんがほのかさんに指示を出している。
「やっぱりミナを倒さないと勝てそうにないわね」
リオさんの呟きが聞こえてきた。
私はこっちが圧されてると思ってるんだけど、向こうはそう思ってないみたい。
まだまだ序盤。これからだよ!
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