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127 婚約準備

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「貴族じゃないのが何が問題なんだ?」
 フレッド君。怒った顔のままだけど。
「そうだぞ、別に貴族じゃなくたっていいじゃないか。なんだっけ、どっか適当な貴族の養女にして結婚するとかできるんだろ?なんなら、うちの養女にするか?リザークの家でもいいんじゃないのか?女の子いないんだろ?」
「いるよっ!」
「「え?」」
 あ。しまった……。
「養女はいなくても、ボクとか、兄上が結婚すれば、女の子も8人増えるんだよっ。だから、いいんだよっ」
 やばいやばい。
「あー、まぁ、確かにそうか。8人兄弟だもんなぁ。これ以上子供増えるのもあれか。じゃ、うちの養女のが現実的かな……。俺んち、俺と妹しかいないし。もう一人妹ができるのか。いや、姉ちゃんかな?」
 いやだ。
 マージの妹にも姉にもなりたくないです。
「って、違うーっ、そうじゃない。待て。いろいろと言いたいことが多すぎて、多すぎて、はーはー」
 過呼吸になりそうだ。
「落ち着けリザーク。何をそんなに興奮してるんだ」
 マージ、お前のせいだっ。話をややこしくしやがって。
「いいかよく聞け。王子と結婚する娘を養女にすれば、国内での地位が上がるのは分かるな?王家とつながりが持てるんだから」
 マージが首をかしげる。
 フレッドが、ちょっといやそうな顔をする。
「それって、僕の天使が利用されるってことか?」
 おい、フレッド、僕のとかつけるな。私はお前の天使じゃないっ。そもそも天使じゃないっ!
兄「リザは天使だよ」
母「リザベーナは天使よ」
父「誰だ!私のかわいいリザが天使じゃないとか言っている奴は!」
 ……気のせい。頭の中の声は気のせい。
「とにかく、うちとかマージの家は、ただでさえ力が強すぎるとほかの貴族からにらまれているのに、これ以上力をつけては国を乗っ取る気だとかいらない憶測が飛ぶから、ダメだっての!特に、第一王子派が、第二王子ははバックにうちやマージん家の後ろ盾とどうのとかで、ありもしないお家騒動を勝手にでっちあげたりするからっ!」
 私の言葉に、フレッドの黒いのが霧散した。
 マージもちょっと真面目な顔になる。
「僕は兄を尊敬している!兄に代わって王の座を奪おうなんて一度も思ったことはない!」
「だろ?それなのに、えーっと、周りの人間は勝手にいろいろ動いたりすることがあるってのは、フレッドもわかってるだろう?」
 よしよし。
 なんとか説得できそうだぞ。
「とにかく、フレッド、お前が好きだというだけで、利用される可能性があるってことは覚えておくんだ。そして、その利用を阻止しようとするにはどうしたらいいと大人は考える?」
 さっさと別の子と婚約させちゃえばいんじゃね?ってなるよね。
 ん?待てよ……。さっさと誰かと婚約しちゃえば、少なくとも私に婚約は回ってこないんじゃない?フラグ1個折れたんじゃない?


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まぁ、普通は王子が庶民を好きになっても、本人たちの意思だけでどうこうならないよなー。
……乙女ゲームだけはみんな脳みそお花畑なのかな……。
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