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スカウトされました?

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「さっきのものの考え方といい、計算力といい、ねぇ、ギルドで働く気はない?汗臭い冒険者相手に仕事しなくちゃならないけど、むさくるしさはあるけれど、給料はそこそこもらえるし、ちょっと華やかさには欠けるけれどいい職場よ?」
 いろいろと、本音が駄々洩れになっていますよ、フィーネさん。周りの冒険者たちが微妙な顔をしています。
 ギルド……給料いいんですね。
 もし、妹の望結が見つかったら、この世界で生きていくために就職するにはいいかもしれません。でも、今は一か所にとどまっていることはできないんです。
「ごめんなさい。文字の読み書きができないので無理です。では、ありがとうございました」
 お金とレアポーションを受け取って逃げるようにして出張買取所を後にします。
 えへへへ。
 そして、銅貨8枚で買ったレアポーションの瓶を眺めます。
 かわいい。
 めっちゃかわいい。
 中の液体が薄桃色。えーっと、乳桃色の入浴剤みたいな色。ほかのポーションはもうちょっとこう、シンプルな色。
 ダンジョン産は薄い黄色の透明。人工物は薬草が入っている関係で、ほとんどのものが青汁っぽい色をしています。
 それなのに、このレアポーションは乳桃色。しかも、瓶の蓋がハートになっているんです!めちゃくちゃかわいいんです!
 ポーションとしての高価なんて、どうでもいいです。この世界って割と武骨なデザインの物が多いなかで、これほどキュートでかわいいものに出会えるなんて。
「おかえり、ユーキ。どうだった?」
 ああ、そうでした。最高級のかわいいバーヌがいたのでした。
 もふもふしたいけど、解体の邪魔しちゃうといけないので我慢です。
「えっと、小銀貨4枚になったけれど、これを買い物しちゃったから、小銀貨3枚と銅貨2枚。勝手にごめんね、無駄遣いしちゃって」
「謝る必要はありません。ご主人様の欲しいものにお金は使うべぎゅにゃしゅs」
 ほっぺたぷにーです。
「ポーションを買うなんて、もしかしてユーキはどこか悪いのですか?」
 ふお!そうでした。
 私が買ってきたのはかわいくてもポーション。
 バーヌが心配そうな顔をしています。
「違うよ、この瓶が」
 すごくかわいかったから欲しくなっちゃっただけ……って、言えないです!
 よく考えたら、私、男の子のふりしてました。まさか、かわいさのあまり思わず買っちゃったと、ピンクのポーションを嬉しそうに眺めるわけにも……。
「レ、レアポーションだって言ってたから、えっと、レアポーション見るの初めてで、その……」
 うう、目が泳いでしまいます。
「ユーキは、レアが好きなんですか?」
 えーっと、そういうわけじゃないけど、そう言うことにしておきましょう。
「う、うん。ボク、小さいけど鑑定が使えるし、珍しいものを鑑定するのは楽しいんだよ」
 と言えば、納得したようにバーヌが頷きました。
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