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番外編 妹サイド その10 ダンジョン編最終話
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ルークが指さした先は、ルークの鎧の上だ。
さっきまでいい匂いを立ててエスカルゴを焼いていたところ。
その上に、はみ出すように剣が1本と、小さな塊が乗っていた。
「すごい、ドラゴンの心臓とドラゴンの剣が出た」
ルークが驚いた顔をしている。
「あっと、火を止めないと」
アイテムに手を伸ばしたルークがあつっとすぐに手をひっこめた。
「心臓?ハツってことよね。ハツの焼肉……」
少女の口元からつーっと一筋たれるよだれ。
「火はこのままで!ってか、剣じゃまっ」
少女が、手にしていたナイフで、熱くなった剣の端っこをちょいっと突っついて鍋から落とした。
そして、ナイフを使って、ひっくり返しながらハツを焼く。
「ねぇ、念のため聞くけど、これ、毒とかないよね?」
「ドロップしたアイテムは、何か良い効果があることはあっても、悪い効果があるものはないから大丈夫だ。ただ、宝箱に入っているものは、時には呪いのアイテムなど悪い効果のあるものが罠として設置されていたりするが」
というルークの親切なアドバイスなど、少女の耳には右から左。
「牛のハツなら刺身でも食べられるって聞いたことがあるけど、さすがに……どの肉でも生が大丈夫なわけじゃないし、これも生で大丈夫か分からないから、しっかり焼いた方が……ああ、でも、もう、お腹が、げんか……」
ナイフをぶっさして、少女が表面を焼いた肉にかぶりついた。
「はふ、はふ、あつ、はぁ、何、これ、うまっ」
はぐはぐ、あつあつと言いながら、少女は口を止めることなく、ハツをむしゃぶり食った。
「あ、え?食べた……」
ルークがびっくりして両目を見開いた。
「何?私が一人で食べたことを怒ってる?」
いや違う。
ドラゴンの心臓など、乾燥させてすりつぶして粉にして、秘薬を作るのに少しずつ使うような代物だ……それを、ばくっと食べちゃうなんて……。
大丈夫だろうか……と、心配するも、ルークは口下手である。説明しようと口を開きかけた時には……。
「ごちそうさまっ!はー、オイシカッタ」
と、少女は満足顔である。
その顔は頬に赤みが戻り、目が潤んでとてもかわいい。かわいすぎて、尊さすら感じる。
「かわ……」
かわいいと口に出しそうになったルークを少女は見上げた。
「わ、悪かったわよ。一人で食べて……。い、言い訳するわけじゃないけど、もう3日も食べてなかったし……そ、その代わり、2つ出てきたから、もう一つの方、剣はあげるから」
ルークは唖然とする。
いや、もう、なんというか、これ以上ないくらいかわいくて尊いと思っていた少女が、ちょっと困ったように視線をそらしつつも、申し訳なさそうに謝るその姿……。
神ってる!
もしかしたら、女神の化身なのかもしれない!と、ルークが脳みそぶっ飛ばしている。
「ん?あれ?なんか、体が光ってない?」
そう、光り輝く女神さま!
って、ちがーう。
ルークは慌ててドラゴンの剣に手を伸ばしてつかんだ。胸当てはまだ熱々で、手を伸ばしたもののあきらめた。
「ボス部屋のボスを倒すと、地上に戻されるんだ。この光がその合図」
というルークの言葉が終わるか終わらないかのうちに、ルークと少女はダンジョンの入り口に転送された。
=======
どもども。
妹サイドのダンジョン編最終話になります。
ダンジョンを出てから向かった先は……。
うん、まずはあそこでしょうね。だって、ルークは……(たぶん、皆さんの想像は当たっている)
それから、妹のチートはまだ考えてません。どういう系が好きですか?
ちなみに、……ドラゴンの心臓なんて食べちゃったら、どうなるんでしょうね?ふふふふふ。
さて、第二部開始までしばらくお待ちください……。
あ、えーっと、投票していただいた方、ありがとうございます!
さっきまでいい匂いを立ててエスカルゴを焼いていたところ。
その上に、はみ出すように剣が1本と、小さな塊が乗っていた。
「すごい、ドラゴンの心臓とドラゴンの剣が出た」
ルークが驚いた顔をしている。
「あっと、火を止めないと」
アイテムに手を伸ばしたルークがあつっとすぐに手をひっこめた。
「心臓?ハツってことよね。ハツの焼肉……」
少女の口元からつーっと一筋たれるよだれ。
「火はこのままで!ってか、剣じゃまっ」
少女が、手にしていたナイフで、熱くなった剣の端っこをちょいっと突っついて鍋から落とした。
そして、ナイフを使って、ひっくり返しながらハツを焼く。
「ねぇ、念のため聞くけど、これ、毒とかないよね?」
「ドロップしたアイテムは、何か良い効果があることはあっても、悪い効果があるものはないから大丈夫だ。ただ、宝箱に入っているものは、時には呪いのアイテムなど悪い効果のあるものが罠として設置されていたりするが」
というルークの親切なアドバイスなど、少女の耳には右から左。
「牛のハツなら刺身でも食べられるって聞いたことがあるけど、さすがに……どの肉でも生が大丈夫なわけじゃないし、これも生で大丈夫か分からないから、しっかり焼いた方が……ああ、でも、もう、お腹が、げんか……」
ナイフをぶっさして、少女が表面を焼いた肉にかぶりついた。
「はふ、はふ、あつ、はぁ、何、これ、うまっ」
はぐはぐ、あつあつと言いながら、少女は口を止めることなく、ハツをむしゃぶり食った。
「あ、え?食べた……」
ルークがびっくりして両目を見開いた。
「何?私が一人で食べたことを怒ってる?」
いや違う。
ドラゴンの心臓など、乾燥させてすりつぶして粉にして、秘薬を作るのに少しずつ使うような代物だ……それを、ばくっと食べちゃうなんて……。
大丈夫だろうか……と、心配するも、ルークは口下手である。説明しようと口を開きかけた時には……。
「ごちそうさまっ!はー、オイシカッタ」
と、少女は満足顔である。
その顔は頬に赤みが戻り、目が潤んでとてもかわいい。かわいすぎて、尊さすら感じる。
「かわ……」
かわいいと口に出しそうになったルークを少女は見上げた。
「わ、悪かったわよ。一人で食べて……。い、言い訳するわけじゃないけど、もう3日も食べてなかったし……そ、その代わり、2つ出てきたから、もう一つの方、剣はあげるから」
ルークは唖然とする。
いや、もう、なんというか、これ以上ないくらいかわいくて尊いと思っていた少女が、ちょっと困ったように視線をそらしつつも、申し訳なさそうに謝るその姿……。
神ってる!
もしかしたら、女神の化身なのかもしれない!と、ルークが脳みそぶっ飛ばしている。
「ん?あれ?なんか、体が光ってない?」
そう、光り輝く女神さま!
って、ちがーう。
ルークは慌ててドラゴンの剣に手を伸ばしてつかんだ。胸当てはまだ熱々で、手を伸ばしたもののあきらめた。
「ボス部屋のボスを倒すと、地上に戻されるんだ。この光がその合図」
というルークの言葉が終わるか終わらないかのうちに、ルークと少女はダンジョンの入り口に転送された。
=======
どもども。
妹サイドのダンジョン編最終話になります。
ダンジョンを出てから向かった先は……。
うん、まずはあそこでしょうね。だって、ルークは……(たぶん、皆さんの想像は当たっている)
それから、妹のチートはまだ考えてません。どういう系が好きですか?
ちなみに、……ドラゴンの心臓なんて食べちゃったら、どうなるんでしょうね?ふふふふふ。
さて、第二部開始までしばらくお待ちください……。
あ、えーっと、投票していただいた方、ありがとうございます!
応援ありがとうございます!
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