【完結】死ぬとレアアイテムを落とす『ドロップ奴隷』としてパーティーに帯同させられ都合よく何度も殺された俺は、『無痛スキル』を獲得し、覚醒する

Saida

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馬鹿げた野望

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「おめでとう!」と、僕の親代わりであるタスラ兄さんは祝ってくれた。


朝。

僕は起きると、夢で見たことを話した。

そして腕まくりして、自分の両腕を見せた。

子供の頃にいれられた刺青が、綺麗さっぱりなくなっていた。

この刺青が消えたと言うことは、僕がその日、たしかに成人したのだということを示している。つまり僕の体に、スキルが宿ったという証拠なのだ。

さっき見た妙にリアルな夢は、僕の勘違いなどではなかった。成人した日に見る「神のお告げの夢」だったのだ!


「おめでとう、××」

兄さんは僕の名を呼び、祝福してくれた。

「どうする? お腹は減っているだろうし、先に朝ごはんを……」

「ううん、今から教会に行かせてよ!

気になって気になって、朝ごはんなんて喉を通らないよ!」

「わかった、わかった」

兄さんは呆れたようにそう言った。

「じゃあ今から教会に行こう。

服だけ着替えてくれよ。寝巻きのまま成人の儀を迎えるなんて、あり得ないからな!」

「分かってるよ!」

僕がそう言うと、兄さんは本当に愉快そうに笑った。




教会に向かう道中、僕は夢中でタスラ兄さんに話をした。

もちろん話題は、どんなスキルが欲しいかということだった。

僕が手に入れたいスキルは、昔から決まっていた。

それは、魔物を「テイム」(調教)するスキルだ。

魔物を仲間に加え、魔物とともに戦うことができる能力。


でも僕が本当に望んでいたのは、魔物を支配し、自分の言いなりにさせることではなかった。

僕の野望は、もっと大きかった。そして、馬鹿馬鹿しくもあった。

『僕がこの世の全ての魔物をテイムする。それによって、人間と魔物の争いを終わらせるんだ』


自分でも荒唐無稽だという自覚があって、誰にも言ってこなかった。

その日、スキルが覚醒したことによって興奮していた僕は初めてその野望を兄さんに打ち明けた。

「全ての魔物をテイムすれば、もう魔物と戦う必要なんてなくなるでしょ?」

兄さんは馬鹿にせず、微笑んでくれた。

「××ならできるよ」
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