【完結】死ぬとレアアイテムを落とす『ドロップ奴隷』としてパーティーに帯同させられ都合よく何度も殺された俺は、『無痛スキル』を獲得し、覚醒する

Saida

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思わぬ妨害

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戦士の頭部に、剣が触れる寸前。

声が聞こえた。

「動くな」

『えっ……』

僕の剣は、戦士ゴダスの頭の上でぴたりと動きを止めた。

『嘘、だろ……』

「ククク……」

動かない体。

目だけで前を見る。

近づいてきたのは最も憎らしい相手。

僕を村まで引き取りにきた本国の役人であり、パーティーでは学者職を担っている男。

ザン=ダールアン。

「ご機嫌に戦われているところ申し訳ありませんね~。

まさか、私がいることを忘れていたってわけじゃないでしょう?」

余裕のある口調も戻ってきている。ここしばらくの、不機嫌そうに押し黙っていた様子が嘘のように。


『くっ……』

どれだけ力を入れても、腕は震えるばかり。そのまま振り下ろすだけで剣は戦士の頭部に当てられるのに、寸前の所で止まったまま動かせない。

「色々と考えていたみたいですが、どうしてこの展開は予想外だという顔をしているのでしょう。

その羽衣をまとっていれば、私があなたにかける服従の呪いが効かないとでも?」

学者が指を動かす。

僕の腕は、ダゴスに振り下ろしていた剣を脇に放り投げた。

「もしそうならば、あなたの思い違いですよ。

『封魔する羽衣』は、確かに魔力による攻撃を無効化する。しかしスキルまで無効化することはできない。

あなたも知っての通り、私は自身のスキルを使ってあなたを服従させてきた。

まさか、忘れたわけではないですよね~?」

『くそっ!』

こいつがスキルで僕をコントロールしてることなんて嫌というほどわかっている。こいつ自身が得意げに語っていたから。


羽衣がスキルを防いでくれるかもと期待していたのも事実だ。これは頭陀袋の中で試すことができなかったから、ある種の賭けだったことは否めない。

でもそれだけじゃなかった。

戦士ゴダスとの一対一に持ち込めた時点で、学者は割り込んでこないと思っていた。

勝算は、別のところにあった。


「おい、学者。何をべらべら話している。早く俺にかけられているこのうざったい魔法を解け!」

鎧の重さに耐えきれなくなったのか。僕と学者の間で地面に跪いている戦士が叫んだ。

学者はちらと視線を落とし、戦士ゴダスを見た。それからゆっくりと、僕の方に視線を戻した。

にたりと唇を広げて。

「ああ、ようやくわかった。

あなたもいやらしい人ですね~。

私がこのくそ野郎のことを助けるはずがないと考えていたんでしょう?

だったらその考え、根本的に間違っていますよ」

「おい、学者! 無視するな!!

いいから早く、この魔法を……」

流れるような動きだった。

学者が短剣を取り出したかと思うと、次の瞬間には、血が噴き出していた。

「がっ……」

鎧の重さに負けて、戦士ゴダスは崩れ落ちた。

切られた首から流れ出る血は、明らかに致死量だ。

「こいつをやるのは、私だって決めてたんです。

まさかあなたに横取りされそうになるなんて、思ってもみませんでしたけどね」
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