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海
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大地に帰るその前に、私にはやることがあるわ。
リスは務めを果たしてく。私は彼を見守るの。
激しい情熱うちに秘め、輝く乙女は、舞い降りた。
後光の差した海のそば、朝日が昇り、舟遊び。オールを下ろして、海を渡る。流され、流れ、生きてきた。特に、何があったというわけではないけれど、確かに、愛した女がいたね。
女は、きっと微笑んで、大地に帰るその前に、導く私は、リスなのよ。
女よ、女、たがいに愛し合うことはできなくても、最後に頬にチークして、抱きしめてあげなさい。
男よ、男、あなたは何を求めるの?
長い歴史の中で、男女はいつも番ってきた。
けれども、女はいつも奴隷だった。男はいつも、主人だった。
そうよ、男は今、女の手の甲に触れて、口づける、それが、別れの合図。
大地に帰るその前に、私にはやることがあるわ。
リスは務めを果たしてく。私は彼女を導くの。
やさしい愛情を内に秘め。解き放つの。本当の愛の人が待っている。でもその人は、神様、かもしれない。女よ、女、あなたは、愛せるの? 覚悟はあるの?
男と女はもう生きていけないから……
一度はいった亀裂は、2000年以上前から決まっていた。
大きな白い衣をまとった神様は、きっと神様ではない。
あなたは愛する恋人よ。
彼のことはこう呼んで。
「あなた」と。
そばにいて欲しいのなら、信じなさい。
共に生きたいのなら愛するように、努めなさい。
キスしてほしいなら、キスしてほしいと正直に言いなさい。抱きしめなさい。
そして、尽くしなさい。
これは掟ではないのよ。
長く連れ添った人類を、神様は見ていた。
愛していたのよ。
女、あなたは可愛い生き物よ
男、あなたは情けない生き物よ。
それも、「あなた」は決して見放さない。離れたのは男に、欺瞞があったから、おごりのせいよ。「あなた」はいつまでも一緒にいたかった。
さあ、たがいに愛し合いましょう。
私は「女」と「あなた」の仲人よ。
リスは断罪するためにいるのでもなく、没薬でもない、そう人類愛そのもの。
優しさの象徴ね。
どうするかは、「女」次第。
どうするかは……
軽い気持ちではだめ。覚悟を決めなさい。
「あなた」は女の恋を信じてる。
最後に言うわね、男たち。
「あなたたちには、きっと幸せな海が待っている」
まるで赤ん坊のように、母が抱きしめてくれるわ。
信じなさい。そうすれば、救われる。
リスはあなたたちを愛し抜いた。あとは神様にゆだねなさい。
女の幸せを願いなさい。
そして、笑いなさい。
これが、リスの最も大切な、メッセージだからね。
クロスハートは誰のもの。
誰のものでもない。
「神様」のものでも、「あなた」のものでも、女でも男でもない。ましてや宇宙でも、草木でも、地球のものでもない。
そう、『君のためのものよ』
最後に言いなさい。
「ありがとう」と。「女」に。そして「あなた」に。さらに「君自身」に。
以上で、リスのお説教を終わります。
リスは務めを果たしてく。私は彼を見守るの。
激しい情熱うちに秘め、輝く乙女は、舞い降りた。
後光の差した海のそば、朝日が昇り、舟遊び。オールを下ろして、海を渡る。流され、流れ、生きてきた。特に、何があったというわけではないけれど、確かに、愛した女がいたね。
女は、きっと微笑んで、大地に帰るその前に、導く私は、リスなのよ。
女よ、女、たがいに愛し合うことはできなくても、最後に頬にチークして、抱きしめてあげなさい。
男よ、男、あなたは何を求めるの?
長い歴史の中で、男女はいつも番ってきた。
けれども、女はいつも奴隷だった。男はいつも、主人だった。
そうよ、男は今、女の手の甲に触れて、口づける、それが、別れの合図。
大地に帰るその前に、私にはやることがあるわ。
リスは務めを果たしてく。私は彼女を導くの。
やさしい愛情を内に秘め。解き放つの。本当の愛の人が待っている。でもその人は、神様、かもしれない。女よ、女、あなたは、愛せるの? 覚悟はあるの?
男と女はもう生きていけないから……
一度はいった亀裂は、2000年以上前から決まっていた。
大きな白い衣をまとった神様は、きっと神様ではない。
あなたは愛する恋人よ。
彼のことはこう呼んで。
「あなた」と。
そばにいて欲しいのなら、信じなさい。
共に生きたいのなら愛するように、努めなさい。
キスしてほしいなら、キスしてほしいと正直に言いなさい。抱きしめなさい。
そして、尽くしなさい。
これは掟ではないのよ。
長く連れ添った人類を、神様は見ていた。
愛していたのよ。
女、あなたは可愛い生き物よ
男、あなたは情けない生き物よ。
それも、「あなた」は決して見放さない。離れたのは男に、欺瞞があったから、おごりのせいよ。「あなた」はいつまでも一緒にいたかった。
さあ、たがいに愛し合いましょう。
私は「女」と「あなた」の仲人よ。
リスは断罪するためにいるのでもなく、没薬でもない、そう人類愛そのもの。
優しさの象徴ね。
どうするかは、「女」次第。
どうするかは……
軽い気持ちではだめ。覚悟を決めなさい。
「あなた」は女の恋を信じてる。
最後に言うわね、男たち。
「あなたたちには、きっと幸せな海が待っている」
まるで赤ん坊のように、母が抱きしめてくれるわ。
信じなさい。そうすれば、救われる。
リスはあなたたちを愛し抜いた。あとは神様にゆだねなさい。
女の幸せを願いなさい。
そして、笑いなさい。
これが、リスの最も大切な、メッセージだからね。
クロスハートは誰のもの。
誰のものでもない。
「神様」のものでも、「あなた」のものでも、女でも男でもない。ましてや宇宙でも、草木でも、地球のものでもない。
そう、『君のためのものよ』
最後に言いなさい。
「ありがとう」と。「女」に。そして「あなた」に。さらに「君自身」に。
以上で、リスのお説教を終わります。
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