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今ここ→⑤
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「しょ、証明?! そんなものできるわけがない! だが事実として、妖精王が宣言しただろう!」
ジョエルのあまりの浅ましさに、私は首を横に振る。
いつの間にか、私の横には、緑の仮面をつけたパメラが立っていて、先ほど離れていたピエルパオロも傍に来ていた。
そして、テオ様が私の体を支えてくれているという事実が、私に力をくれる。
「ジョエル。私の番はテオ様よ。それは間違いのないことだわ」
「信じられない。なあ、皆。皆は、妖精王の宣言とフィオーレの言葉、どちらを信じる?」
ジョエルが会場を見回す。
「私は妖精王を信じますわ!」
コラソンの言葉が一番に発せられる。あんなぞんざいな扱いを受けたのに、まだ、ジョエルの味方でいるつもりらしい。
「番については、番であるフィオーレ様しかわかるわけがないわ」
パメラの言葉に、私は頷く。
「その通りだ」
うんうん、とゆったり頷くピエルパオロを、ジョエルが睨む。
髪色が違って仮面をつけていても、ライバル視していたピエルパオロのことはすぐにわかるらしい。
番である私のことは、瞳の色を変えていたとは言え、全然気づきもしなかったのに。
ジョエルが私の番だと言い出して婚約を進めた時も、ピエルパオロが人間界に行っている時を狙ってやったことだった。きっと、ピエルパオロがいたら、邪魔されると思っていたんだろう。
他の会場の人々は、息をのみ、誰も声を発さない。
「では、証拠を見せてほしいな」
ニヤニヤと、どこか私を馬鹿にした様子でジョエルが告げる。
証明できないと思っているからだろう。
……私だって、証明する方法など知らない。
「証拠……ですか」
私はテオ様を見る。
「私たちが番である証拠……ですか」
テオ様は困ったように眉を下げている。
テオ様だって、証明する方法など知らないだろう。
「証拠を出すことは難しい。でも、彼が、ジョエル殿が、フィーの番ではなく、フィーにふさわしくない理由であれば、告げられますよ?」
テオ様の目が、楽しそうに輝く。
「あら、それならば、私だって言えるわ」
言えと言われれば、何時間でも! 時間の無駄だから、絶対数分で終わらせるけど!
ふふふ、と私も微笑めば、先ほどまでニヤニヤ笑っていたジョエルが、忌々しそうに私たちを睨む。
「私のどこがフィオーレの番らしくなく、フィオーレにふさわしくないのだ!」
テオ様がため息交じりに首を横に振る。
「番以外の相手を必要だと思わないからですよ。あなたは、フィー以外の女性を望んでいるようだが、私には番以外目に入らないんだけれどね」
私を抱きかかえるテオ様の手に力が込められたことに、嬉しいという気持ちが湧く。私はテオ様に視線を向けて微笑むと、その視線をジョエルに向けてきつい視線に変える。
「コラソン嬢とそのように戯れる気持ちが出るなど、番がいるはずの相手にはあり得ないことだわ。番は唯一無二の存在だもの。私には、もうテオ様以外いないと、断言できるもの。そもそも、姿が変わっていても、番には気づくものだと、テオ様が教えてくれたわ」
「つ、番は形ばかりだろう!?」
狼狽えるジョエルに、私は首を横に振る。
「どこかの教育係は、そう私に教え込んでいたけれど、それはおかしいわ。ずっと不思議だったの。歴代の妖精王には親しいものが番一人しかいないはずなのに、教育係が、番は形ばかりだと言っていたのが。ようやくその謎が解けたのよ、ジョエル」
「謎が解けた?!」
訝し気なジョエルに私は微笑んで見せる。
ここでやる予定はなかったけど、仕方ない。でも、ようやく、ジョエルに仕返しができそうだ。
ジョエルのあまりの浅ましさに、私は首を横に振る。
いつの間にか、私の横には、緑の仮面をつけたパメラが立っていて、先ほど離れていたピエルパオロも傍に来ていた。
そして、テオ様が私の体を支えてくれているという事実が、私に力をくれる。
「ジョエル。私の番はテオ様よ。それは間違いのないことだわ」
「信じられない。なあ、皆。皆は、妖精王の宣言とフィオーレの言葉、どちらを信じる?」
ジョエルが会場を見回す。
「私は妖精王を信じますわ!」
コラソンの言葉が一番に発せられる。あんなぞんざいな扱いを受けたのに、まだ、ジョエルの味方でいるつもりらしい。
「番については、番であるフィオーレ様しかわかるわけがないわ」
パメラの言葉に、私は頷く。
「その通りだ」
うんうん、とゆったり頷くピエルパオロを、ジョエルが睨む。
髪色が違って仮面をつけていても、ライバル視していたピエルパオロのことはすぐにわかるらしい。
番である私のことは、瞳の色を変えていたとは言え、全然気づきもしなかったのに。
ジョエルが私の番だと言い出して婚約を進めた時も、ピエルパオロが人間界に行っている時を狙ってやったことだった。きっと、ピエルパオロがいたら、邪魔されると思っていたんだろう。
他の会場の人々は、息をのみ、誰も声を発さない。
「では、証拠を見せてほしいな」
ニヤニヤと、どこか私を馬鹿にした様子でジョエルが告げる。
証明できないと思っているからだろう。
……私だって、証明する方法など知らない。
「証拠……ですか」
私はテオ様を見る。
「私たちが番である証拠……ですか」
テオ様は困ったように眉を下げている。
テオ様だって、証明する方法など知らないだろう。
「証拠を出すことは難しい。でも、彼が、ジョエル殿が、フィーの番ではなく、フィーにふさわしくない理由であれば、告げられますよ?」
テオ様の目が、楽しそうに輝く。
「あら、それならば、私だって言えるわ」
言えと言われれば、何時間でも! 時間の無駄だから、絶対数分で終わらせるけど!
ふふふ、と私も微笑めば、先ほどまでニヤニヤ笑っていたジョエルが、忌々しそうに私たちを睨む。
「私のどこがフィオーレの番らしくなく、フィオーレにふさわしくないのだ!」
テオ様がため息交じりに首を横に振る。
「番以外の相手を必要だと思わないからですよ。あなたは、フィー以外の女性を望んでいるようだが、私には番以外目に入らないんだけれどね」
私を抱きかかえるテオ様の手に力が込められたことに、嬉しいという気持ちが湧く。私はテオ様に視線を向けて微笑むと、その視線をジョエルに向けてきつい視線に変える。
「コラソン嬢とそのように戯れる気持ちが出るなど、番がいるはずの相手にはあり得ないことだわ。番は唯一無二の存在だもの。私には、もうテオ様以外いないと、断言できるもの。そもそも、姿が変わっていても、番には気づくものだと、テオ様が教えてくれたわ」
「つ、番は形ばかりだろう!?」
狼狽えるジョエルに、私は首を横に振る。
「どこかの教育係は、そう私に教え込んでいたけれど、それはおかしいわ。ずっと不思議だったの。歴代の妖精王には親しいものが番一人しかいないはずなのに、教育係が、番は形ばかりだと言っていたのが。ようやくその謎が解けたのよ、ジョエル」
「謎が解けた?!」
訝し気なジョエルに私は微笑んで見せる。
ここでやる予定はなかったけど、仕方ない。でも、ようやく、ジョエルに仕返しができそうだ。
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