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Mission2 げきまじゅおくちゅりを克服せよ!
71.普通の令嬢
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ということで、読み書き問題はクリアできた。
独特の言い回しとか、地名やこの世界にしか存在しないものは、読めたとしてもなんのことかさっぱりわからないが……。
前世を思い出す前のフレーシア――病気がちで貴族の子女としては教養が足りていない六歳児――が知らないコトバは、カルティに質問して教えてもらっている。
カルティが答えられないことは、辞書や辞典でカルティと一緒になって調べていた。
調べてわからないことがあれば、またそれを調べたりと……気づけば脱線していることもあるが、それはそれで楽しい。
ステータスが高いカルティも知識をドンドン吸収していっているし、仕事中に本が読めてカルティも嬉しそうだ。
特に不自由しているわけではないから安心してほしい……という意味を込めて、ライース兄様に説明する。
「そうか。子ども用の本が本邸にあるから、運ばせるように手配しておく」
「……ありがとうございます」
子ども用ということは、絵本だろうが……できれば、地理や歴史書、王室関連の情報が欲しいのだが、そんなことをここで口走ったら、ライース兄様を驚かせてしまう。
本ではなく、あたしの方が本邸に移動できるようにならないといけないだろう。
今でさえ、なんだか、ライース兄様の表情に元気がない。なにか、心配事でもあるのだろうか。
「それよりも、ライース兄様!」
「なんだ?」
テーブルから身を乗り出すあたしに、ライース兄様は少し驚いた表情を浮かべる。
「木登りとっくんは、いつからはじめるのですか? まじゅいおくちゅりをがんばってのんで、あたしはこのとーり、元気になりました!」
まじゅいお薬をがんばって飲んでいるご褒美をおねだりしてみる。
「木登り?」
「おしえてくださるって……やくちょくしましたよね?」
「ああ……。木から落ちたら危ないから、もう少ししてからだな」
即答だった。
え? 木登りを教えてくれるっていう話だったのに?
そこで「はい、わかりました」って引き下がるあたしではない。
「木登りとっくんがだめなら、馬にのれるようになりたいです。じょーばとっくんです!」
脱虚弱体質!
目指せ死亡イベ回避!
木登りは隠れて自主トレも可能だろうが、馬の乗り方など……子どもの頃に旅行先のふれあい牧場で乗馬体験をしたくらいだ。
手綱は係のお姉さんが持っていて、あたしは鞍についていたハンドルを握るようにって言われた。
あたしはただおとなしい馬の背に乗って、ぐるりとコースを一周しただけなのだが……それだけの経験というか、子どもの思い出で馬に乗れるようになるはずがない。
乗れるだけではなく、乗りこなせるようにならなくてはならない。
行動範囲を広げ、行動スピードをあげるためには、この世界では乗馬は必須だ。
場面転換はフェードイン、フェードアウトでよくわからなかったが、便利な転移装置はなかった……はずだ。
普通の令嬢は馬車でガタゴト移動するものだろうが、数は少ないが後宮を護衛する女性騎士もいるし、ヒロインも当たり前のように馬を乗りこなしていたので、女性が馬に乗ることがタブーとされている世界設定ではない。
ライース兄様の手から砂糖なし、ミルクなしのブラックなコーヒーが入ったカップが滑り落ち、テーブルの上に茶色い染みが広がる。
「レーシア! いきなり、なにを言いだすんだっ! なにをやりたいって?」
ライース兄様が声を張り上げる。
「じょーばです!」
「だめだ! 馬から落ちたらどうするつもりだ!」
すごい剣幕で怒られてしまった。
とりあえず、あたしは落ちるの前提なんだ……。
ライース兄様は首をブルブルと振りながら、ダメだ、ダメだと連呼する。
「ライース兄様はじょーばを教えてくださらないのですか?」
「侯爵令嬢が馬に乗る必要などない! 危険すぎる!」
「そーでしょうか? 馬にのれたら、いろいろなところに行けて、たのしいとおもいます」
「馬に乗れなくても、色々な場所に行けるぞ」
独特の言い回しとか、地名やこの世界にしか存在しないものは、読めたとしてもなんのことかさっぱりわからないが……。
前世を思い出す前のフレーシア――病気がちで貴族の子女としては教養が足りていない六歳児――が知らないコトバは、カルティに質問して教えてもらっている。
カルティが答えられないことは、辞書や辞典でカルティと一緒になって調べていた。
調べてわからないことがあれば、またそれを調べたりと……気づけば脱線していることもあるが、それはそれで楽しい。
ステータスが高いカルティも知識をドンドン吸収していっているし、仕事中に本が読めてカルティも嬉しそうだ。
特に不自由しているわけではないから安心してほしい……という意味を込めて、ライース兄様に説明する。
「そうか。子ども用の本が本邸にあるから、運ばせるように手配しておく」
「……ありがとうございます」
子ども用ということは、絵本だろうが……できれば、地理や歴史書、王室関連の情報が欲しいのだが、そんなことをここで口走ったら、ライース兄様を驚かせてしまう。
本ではなく、あたしの方が本邸に移動できるようにならないといけないだろう。
今でさえ、なんだか、ライース兄様の表情に元気がない。なにか、心配事でもあるのだろうか。
「それよりも、ライース兄様!」
「なんだ?」
テーブルから身を乗り出すあたしに、ライース兄様は少し驚いた表情を浮かべる。
「木登りとっくんは、いつからはじめるのですか? まじゅいおくちゅりをがんばってのんで、あたしはこのとーり、元気になりました!」
まじゅいお薬をがんばって飲んでいるご褒美をおねだりしてみる。
「木登り?」
「おしえてくださるって……やくちょくしましたよね?」
「ああ……。木から落ちたら危ないから、もう少ししてからだな」
即答だった。
え? 木登りを教えてくれるっていう話だったのに?
そこで「はい、わかりました」って引き下がるあたしではない。
「木登りとっくんがだめなら、馬にのれるようになりたいです。じょーばとっくんです!」
脱虚弱体質!
目指せ死亡イベ回避!
木登りは隠れて自主トレも可能だろうが、馬の乗り方など……子どもの頃に旅行先のふれあい牧場で乗馬体験をしたくらいだ。
手綱は係のお姉さんが持っていて、あたしは鞍についていたハンドルを握るようにって言われた。
あたしはただおとなしい馬の背に乗って、ぐるりとコースを一周しただけなのだが……それだけの経験というか、子どもの思い出で馬に乗れるようになるはずがない。
乗れるだけではなく、乗りこなせるようにならなくてはならない。
行動範囲を広げ、行動スピードをあげるためには、この世界では乗馬は必須だ。
場面転換はフェードイン、フェードアウトでよくわからなかったが、便利な転移装置はなかった……はずだ。
普通の令嬢は馬車でガタゴト移動するものだろうが、数は少ないが後宮を護衛する女性騎士もいるし、ヒロインも当たり前のように馬を乗りこなしていたので、女性が馬に乗ることがタブーとされている世界設定ではない。
ライース兄様の手から砂糖なし、ミルクなしのブラックなコーヒーが入ったカップが滑り落ち、テーブルの上に茶色い染みが広がる。
「レーシア! いきなり、なにを言いだすんだっ! なにをやりたいって?」
ライース兄様が声を張り上げる。
「じょーばです!」
「だめだ! 馬から落ちたらどうするつもりだ!」
すごい剣幕で怒られてしまった。
とりあえず、あたしは落ちるの前提なんだ……。
ライース兄様は首をブルブルと振りながら、ダメだ、ダメだと連呼する。
「ライース兄様はじょーばを教えてくださらないのですか?」
「侯爵令嬢が馬に乗る必要などない! 危険すぎる!」
「そーでしょうか? 馬にのれたら、いろいろなところに行けて、たのしいとおもいます」
「馬に乗れなくても、色々な場所に行けるぞ」
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