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Mission3 お祖母様を救え!
103.真面目なお兄様
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(どういうこと? どういうことなの?)
あたしは自分の部屋でぐるぐると歩き回る。
「お嬢様……」
カルティの困り切った顔がちらちらと視界に入ってくるが、あたしはかまわず歩き続けた。
――そうだな。デイラル先生のおっしゃるとおりだ。ちょうど、今は『バーニラーヌ』の花が開花する時期だ。急ぎ、取り寄せよう――
違うのだ。
そのときのライース兄様のセリフは、
――いや、待て……この青い花……。見覚えがあるぞ――
なのだ。
決して、白い『バーニラーヌ』の花をお取り寄せしようとかは言わない。ヒロインといっしょに青い『バーニラーヌ』の花を採取しようと、夜間にもかかわらずライース兄様はすぐにでかけるのだ。
たしか、『夜道は危ないので、夜明けとともに出発する』を選択すると、夜間にしか咲かない『バーニラーヌ』の青い花を見つけることができずに失敗となる。
世が明ける前に、ライース兄様が青い『バーニラーヌ』の群生地にヒロインを導き、ふたりが自力で花を発見して屋敷に持ち帰ってくるのだ。
決して、外部委託やお取り寄せにはならない。
(どこで間違ったの?)
ライース兄様は使用人に『バーニラーヌ』の花を用意するよう命令していた。
でも、白い一般的な『バーニラーヌ』の花では、氷結晶病は治らないような気がする。
レア度の高い、青い色の花というのがポイントだろう。シナリオ的に白い花だと感動が薄い。
奇病には貴重種で勝負だ。
(この頃のライース兄様は、まだ青い『バーニラーヌ』の花を知らないの?)
「ああああっ!」
突如、叫び声をあげたあたしに、カルティがびくりと身体を震わせて驚く。
ライース兄様は、放浪の旅の途中、道に迷って青い『バーニラーヌ』の花の群生地を偶然発見するんだった!
あたしが死ななかったから、ライース兄様は放浪してないじゃん!
オーマイガー! なんてこと!
領地の仕事の手伝いをして忙しいライース兄様は、領地内の視察がいいところだ。
もっとウロウロしてよライース兄様!
真面目に仕事しちゃだめだ!
なんで、さっさと家出しないのよ!
「お嬢様、そろそろ寝るお仕度をしませんか? お風呂の準備も整っています」
部屋の中でぐるぐる回り続けているあたしに、カルティが恐る恐る声をかけてくる。
「うるさいわよ!」
「ひいっ。申し訳ございません……」
あたしの一喝に、カルティは思わず首をすくめる。
(こんなときに、のんびり風呂なんて入ってられない!)
そう。風呂に入っている場合でもないし、部屋の中をウロウロしていても、青い
『バーニラーヌ』の花は手に入らない。
手詰まりなんて思いたくない。あきらめたくない。
あたしが死ななかったんだから、お祖母様だって、ゲームのストーリーを盛り上げるためだけに死ぬ必要なんてない!
あたしは絵本を胸に抱えると、部屋を飛び出していた。
「お、お嬢様! お待ちください!」
カルティの声を無視して、あたしは廊下を走る。
向かう先は書庫。
捜すのは本。
お祖母様の部屋に向かわなかったのに安心したのか、書庫にまでついてきたカルティは、黙ってあたしがすることを見ている。
あたしは本棚から一冊の大きくて分厚い本を取り出すと、床の上で広げた。
本の最後にある索引で目当てのページを確認すると、あたしはページをめくっていく。
六歳の子どもが読むには、少しばかり大きくて重い本だ。
あたしは自分の部屋でぐるぐると歩き回る。
「お嬢様……」
カルティの困り切った顔がちらちらと視界に入ってくるが、あたしはかまわず歩き続けた。
――そうだな。デイラル先生のおっしゃるとおりだ。ちょうど、今は『バーニラーヌ』の花が開花する時期だ。急ぎ、取り寄せよう――
違うのだ。
そのときのライース兄様のセリフは、
――いや、待て……この青い花……。見覚えがあるぞ――
なのだ。
決して、白い『バーニラーヌ』の花をお取り寄せしようとかは言わない。ヒロインといっしょに青い『バーニラーヌ』の花を採取しようと、夜間にもかかわらずライース兄様はすぐにでかけるのだ。
たしか、『夜道は危ないので、夜明けとともに出発する』を選択すると、夜間にしか咲かない『バーニラーヌ』の青い花を見つけることができずに失敗となる。
世が明ける前に、ライース兄様が青い『バーニラーヌ』の群生地にヒロインを導き、ふたりが自力で花を発見して屋敷に持ち帰ってくるのだ。
決して、外部委託やお取り寄せにはならない。
(どこで間違ったの?)
ライース兄様は使用人に『バーニラーヌ』の花を用意するよう命令していた。
でも、白い一般的な『バーニラーヌ』の花では、氷結晶病は治らないような気がする。
レア度の高い、青い色の花というのがポイントだろう。シナリオ的に白い花だと感動が薄い。
奇病には貴重種で勝負だ。
(この頃のライース兄様は、まだ青い『バーニラーヌ』の花を知らないの?)
「ああああっ!」
突如、叫び声をあげたあたしに、カルティがびくりと身体を震わせて驚く。
ライース兄様は、放浪の旅の途中、道に迷って青い『バーニラーヌ』の花の群生地を偶然発見するんだった!
あたしが死ななかったから、ライース兄様は放浪してないじゃん!
オーマイガー! なんてこと!
領地の仕事の手伝いをして忙しいライース兄様は、領地内の視察がいいところだ。
もっとウロウロしてよライース兄様!
真面目に仕事しちゃだめだ!
なんで、さっさと家出しないのよ!
「お嬢様、そろそろ寝るお仕度をしませんか? お風呂の準備も整っています」
部屋の中でぐるぐる回り続けているあたしに、カルティが恐る恐る声をかけてくる。
「うるさいわよ!」
「ひいっ。申し訳ございません……」
あたしの一喝に、カルティは思わず首をすくめる。
(こんなときに、のんびり風呂なんて入ってられない!)
そう。風呂に入っている場合でもないし、部屋の中をウロウロしていても、青い
『バーニラーヌ』の花は手に入らない。
手詰まりなんて思いたくない。あきらめたくない。
あたしが死ななかったんだから、お祖母様だって、ゲームのストーリーを盛り上げるためだけに死ぬ必要なんてない!
あたしは絵本を胸に抱えると、部屋を飛び出していた。
「お、お嬢様! お待ちください!」
カルティの声を無視して、あたしは廊下を走る。
向かう先は書庫。
捜すのは本。
お祖母様の部屋に向かわなかったのに安心したのか、書庫にまでついてきたカルティは、黙ってあたしがすることを見ている。
あたしは本棚から一冊の大きくて分厚い本を取り出すと、床の上で広げた。
本の最後にある索引で目当てのページを確認すると、あたしはページをめくっていく。
六歳の子どもが読むには、少しばかり大きくて重い本だ。
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