恋人だと思っていたのは私だけだったようです~転移先で女神から後付けでスキルを貰えたので、気分を切り替え何とかやっていきます

ゆうぎり

文字の大きさ
26 / 35
林の中での攻防戦

2 クルトさんというの人は

しおりを挟む
 クルトさんのステータスは私の目の前に表示されたままだ。


 名前:ギルクルート・バッケルシュタン(クルト)
 年齢:二十八歳
 種族:人族・元貴族
 職業:元聖騎士
 レベル:五十八

 魔法:火・水・風・身体強化・浄化・武器収納(小)
 スキル:剣・槍・棍棒・盾・武術・格闘・手拳・魔法鑑定無効・物理ダメージ軽減・魔法ダメージ軽減

 称号:裏切りの放浪者

『現在:味方』
『未来:不明・未知数』


 ……………………ツッコミどころが多すぎる。

 年齢二十代後半だったんだ。
 私は若く見られるタイプだったけど、クルトさんは、逆だったんだね。
 てっきり、三十代後半だと思ってた。

 元貴族だなんて見えないし、元聖騎士って……。
 各国にある大神殿所属の騎士だよね。

 そして教会の上位組織だよね。
 一目見れたら一生自慢出来ると、リタやウーラとか教会の見習い達が言っていた様な気がしたんだけど。
 言葉が不自由な時だったから、正確かどうかは分からないけどね。

 魔法とスキルは戦闘職っぽいし、さすが元傭兵と自分で言うだけあるよね。
 傭兵はステータスには載ってないけど、実際にしたのかそれとも虚偽なのか分からない。

 でも称号が酷すぎる。
 私の振られ人も酷いけど、一体何があったのか知るのは怖いな。

 それよりも何よりも、未来予測なんてしないでよ。
 『不明・未知数』って、将来敵になるかもしれないって事だよね。
 …………怖すぎる。

 これ、鑑定で見た後どう対応していいのか凄く困る。
 友達の隠していた秘密を偶然知ってしまった感じを、何倍も酷くした様な物だろうか。
 そして、知った事を相手に言えない奴。
 色々悶々と考えていても仕方がないけど、これだけは言える。

 私は余程のことが無い限り、もう鑑定で人は見ないと決めた。

 そんな私の元に、クルトさんは普通にやって来た。
 まぁ、当然だよね。

「カーリ、まだ落ち込んでいるのか?仕方ないな、ほれ」

 ひょいと片腕で、荷物の様に横抱きにされた。
 私は急な事に驚き、心の中で悲鳴を上げた。

 まだ、今見た情報消化できていない!
 私が足をバタバタとばたつかせているが、お構いなしだ。

「降ろして、子供扱いしないで、歩ける~」
「はいはい。足場がかなり悪いからな。けて怪我されたらたまらん。湧き水持って来てもいいが、まぁ大人しくしとけ」

 そう言って、レーナとヨハン、ベンの前を通って湧き水の方に向かっていった。
 こら、ベン、爆笑するな、後で見ていろ。
 レーナとヨハンは呆れていた。

 少し移動し、木々をわけ行った後視界が開ける。
 私の目の前に虹が見えた。

 湧き水はどうゆう原理か間欠泉の様に吹き出ていて、水しぶきを上げていた。
 触れる水滴はあたたかい。

 溜まれば温泉が出来きそうだけど、それほど水量はなさそうだった。
 私は見入っていたのだろう。
 やっと下ろしてくれたクルトさんが、私の頭に手を乗せながら言った。

「少し息抜けたか?ここでしっかりと休息しておけ。体も気持ちもだ。追っ手がどういう手で来るか分からん。また来ないかも知れん。だが緊張し続けると、いざという時、動けないからな」

 頭に乗せた手で髪をくしゃくしゃとかき乱されながら、私はその手を振りほどかずにいた。

「……それは、傭兵の心得こころえ?」

 私は震えない様に、声を抑えて聞いた。
 この人はどう答えるだろう?

「ああそうだ。動けた筈だと後で思うのは、心に来る」

 感情を消した淡々した声は、何を思っているのか分からない。

 私の事は言っても信じてもらえないだろうし、言えない事だらけだけど……。
 クルトさんもそうなんだと、でも言わなくてもこうして気を配ってくれる人なんだと思った。


 この先待っているのは、波乱か平穏かは分からない。
 ただ何事もなく、王族達が帰ってくれたらなと思った。


しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

聖女を怒らせたら・・・

朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。

下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。 豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。 小説家になろう様でも投稿しています。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

処理中です...