4 / 130
第1章
謎の現象
しおりを挟む
ドシィィィィィィィン!!
「きゃあ!」
思わず声を上げてしまった。木はなんとか折れなかったが、熊に見つかってしまった。
「た、助けて…」
今まで感じたことの無い恐怖。それは、『死』
私は足が動かず、口も動かず、ただ熊を見つめていた。
…すると熊は笑ったように見えた。そのまま熊は倒れた。
「フゥゥゥゥ…」
…張り詰めた空気で、呼吸するのも忘れていた。思わず息を吐く。
「死んだ?」
分からない。そもそも木の下にはあの兎がいて、降りて確認することも出来ない。兎は確実に死んでいると思う。だって呼吸をしていないから。
ふと気がつくと、もう既に周りは暗くなっていた。
「うぅぅ」
今まで張り詰めていた糸が切れたからなのか、猛烈に眠気が襲ってきた。
「もう、無理…」
私は木の枝に抱き着くようにして眠りに着いた。
次の日
どうやら木から落ちなくて済んだようで、目を開けると木の肌が目の前にあった。
…そして兎の死体、熊の死体もあった。何時間寝たのか分からないけれど、1晩寝たのだからかなり時間が経っているだろう。それで1ミリも動いていないから多分死んでいるのだろう。
「どうしよ…」
ひとまず木から降りたいんだけど…
「私、どうやってこんな高い木に登れたの?」
少なくとも地面まで10メートルはあるだろう。もうちょっと見てみようとして…滑った。
「あ!」
えー!私こんなことで死ぬのー!
ドサ!
「…あれ?」
どこも痛くない?体を見回しても骨折どころか傷1つない。
「どゆこと?」
その場でジャンプしてみる。問題は……あった。
「うぉ!」
軽くジャンプしただけなのに今まで私がいた枝まで飛ぶことが出来た。驚いたせいで体勢を崩して落下した。
「ひぇー!」
ドサ!
やっぱり痛くない。
「…これが人じゃないってこと?」
つまりは身体能力が人より明らかに高いから、人間より高位な存在?
「でも人化って言ってたよね…」
つまりこれが人化した姿ということ?ってなると本物の姿があるはずだけど…
「どうやるの?」
だいたいこう言うのってその姿をイメージすることでできそうだけど、そもそも本当の姿が分からないから、イメージして出来るもんじゃない。
「はぁ…まぁ今はいいや。とにかく、この死体をどうにかしないとね」
今の私よりも明らかに巨大な兎と熊の死体。運ぶなんてできそうにないけど、このままにしておいたらまた別のこんなのが来ることになる。
「穴を掘るか、もしく火で焼くかだけど…」
どちらも現実的でない。そんな巨大な穴なんて掘れないし、火で焼くにはそもそも火がない。それにここは森。火事にならないとは限らない。
「どうしたもんかなぁ…」
そう言いながら私は兎の死体に触れる。食べるという手段もあるが…
「そもそも食べれるか分かんないし…はぁ、ゲームみたいにアイテムだけ残して消えるとかあったらいいのに」
そう思っていると、突如兎の死体が消えた。
「へ!?」
なにが起きたの?消えた?どこへ?え?
…少し脳内パニック状態に陥りながらも熊の方へ向かう。
「さっきどうしたんだっけ?」
とりあえず触れて、消えてと心で思ったら同じように消えた。
「…うん、こういう仕様なんだ!そうしよう!」
いわゆる思考放棄である。
「とにかく、こういうやつに出会ったときのためにも武器が欲しいよね…」
ひとまず私は兎と熊を忘れることにした。
「きゃあ!」
思わず声を上げてしまった。木はなんとか折れなかったが、熊に見つかってしまった。
「た、助けて…」
今まで感じたことの無い恐怖。それは、『死』
私は足が動かず、口も動かず、ただ熊を見つめていた。
…すると熊は笑ったように見えた。そのまま熊は倒れた。
「フゥゥゥゥ…」
…張り詰めた空気で、呼吸するのも忘れていた。思わず息を吐く。
「死んだ?」
分からない。そもそも木の下にはあの兎がいて、降りて確認することも出来ない。兎は確実に死んでいると思う。だって呼吸をしていないから。
ふと気がつくと、もう既に周りは暗くなっていた。
「うぅぅ」
今まで張り詰めていた糸が切れたからなのか、猛烈に眠気が襲ってきた。
「もう、無理…」
私は木の枝に抱き着くようにして眠りに着いた。
次の日
どうやら木から落ちなくて済んだようで、目を開けると木の肌が目の前にあった。
…そして兎の死体、熊の死体もあった。何時間寝たのか分からないけれど、1晩寝たのだからかなり時間が経っているだろう。それで1ミリも動いていないから多分死んでいるのだろう。
「どうしよ…」
ひとまず木から降りたいんだけど…
「私、どうやってこんな高い木に登れたの?」
少なくとも地面まで10メートルはあるだろう。もうちょっと見てみようとして…滑った。
「あ!」
えー!私こんなことで死ぬのー!
ドサ!
「…あれ?」
どこも痛くない?体を見回しても骨折どころか傷1つない。
「どゆこと?」
その場でジャンプしてみる。問題は……あった。
「うぉ!」
軽くジャンプしただけなのに今まで私がいた枝まで飛ぶことが出来た。驚いたせいで体勢を崩して落下した。
「ひぇー!」
ドサ!
やっぱり痛くない。
「…これが人じゃないってこと?」
つまりは身体能力が人より明らかに高いから、人間より高位な存在?
「でも人化って言ってたよね…」
つまりこれが人化した姿ということ?ってなると本物の姿があるはずだけど…
「どうやるの?」
だいたいこう言うのってその姿をイメージすることでできそうだけど、そもそも本当の姿が分からないから、イメージして出来るもんじゃない。
「はぁ…まぁ今はいいや。とにかく、この死体をどうにかしないとね」
今の私よりも明らかに巨大な兎と熊の死体。運ぶなんてできそうにないけど、このままにしておいたらまた別のこんなのが来ることになる。
「穴を掘るか、もしく火で焼くかだけど…」
どちらも現実的でない。そんな巨大な穴なんて掘れないし、火で焼くにはそもそも火がない。それにここは森。火事にならないとは限らない。
「どうしたもんかなぁ…」
そう言いながら私は兎の死体に触れる。食べるという手段もあるが…
「そもそも食べれるか分かんないし…はぁ、ゲームみたいにアイテムだけ残して消えるとかあったらいいのに」
そう思っていると、突如兎の死体が消えた。
「へ!?」
なにが起きたの?消えた?どこへ?え?
…少し脳内パニック状態に陥りながらも熊の方へ向かう。
「さっきどうしたんだっけ?」
とりあえず触れて、消えてと心で思ったら同じように消えた。
「…うん、こういう仕様なんだ!そうしよう!」
いわゆる思考放棄である。
「とにかく、こういうやつに出会ったときのためにも武器が欲しいよね…」
ひとまず私は兎と熊を忘れることにした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
408
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる