彼らの物語

ことは

文字の大きさ
2 / 2

最後の手紙

しおりを挟む
『拝啓、君へ

 君に初めて手紙を書いたのは、ちょうど1年前だったね。人生で初めて書いたラブレターを君に渡したんだ。噛み噛みだったし手渡しするなら口で言えば良かったとあれから後悔したけれど、今では良い思い出だ。

 でも、この手紙はあの時とは違う。君を振るための手紙だから。
 実は、諸事情で遠くに行くことになった。もうこっちに戻って来れそうにない。もう会えないのに君のことを幸せには出来ないし、君をいつまでも縛り付ける訳にも行かない。だから振られて。君にはもっと良い相手を見つけて、幸せになって欲しいから。
 どんなに遠くに行っても、君のことをずっと思ってる。君の幸せをずっと願っているよ。

 じゃあ、ばいばい』


 この手紙を貰ってから、1年がたった。今まで読めなかった。何が書いてあるのか怖かったから。あいつ、馬鹿だな。あいつを超える相手なんて居ないよ。ずっと緒にいたかったよ。

 あいつが死んで、1年。またあの日とおなじ春が来る。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

愛されない女

詩織
恋愛
私から付き合ってと言って付き合いはじめた2人。それをいいことに彼は好き放題。やっぱり愛されてないんだなと…

本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います

こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。 ※「小説家になろう」にも投稿しています

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

【完結】ドレスと一緒にそちらの方も差し上げましょう♪

山葵
恋愛
今日も私の屋敷に来たと思えば、衣装室に籠もって「これは君には幼すぎるね。」「こっちは、君には地味だ。」と私のドレスを物色している婚約者。 「こんなものかな?じゃあこれらは僕が処分しておくから!それじゃあ僕は忙しいから失礼する。」 人の屋敷に来て婚約者の私とお茶を飲む事なくドレスを持ち帰る婚約者ってどうなの!?

【完結】あなた方は信用できません

玲羅
恋愛
第一王子から婚約破棄されてしまったラスナンド侯爵家の長女、ファシスディーテ。第一王子に寄り添うはジプソフィル子爵家のトレニア。 第一王子はひどい言いがかりをつけ、ファシスディーテをなじり、断罪する。そこに救いの手がさしのべられて……?

真実の愛ならこれくらいできますわよね?

かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの でもそれは裏切られてしまったわ・・・ 夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。 ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

処理中です...