TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

蛙の試練⑥

「なんで...！」

　私は思わず目を見開きました。

　なぜなら、目の前でティアの奴が白い体色に変貌した大蛇が彼女の体を一飲みしてしまう瞬間を私が見てしまったからです。

「あっ...！」

　と言う最後の言葉を残し、彼女は一息に丸呑みにされてしまいました。

　私はすぐ様奴の死体を見て見たのですが、そこには皮だけが残って焼き焦げており、中身はどうやら皮を犠牲に生き残っていたようです。

(脱皮か？)

　蛇特有の脱皮であの炎を凌いだのか！？。

　奴の皮ならあのくらいの炎の中を耐えるくらいの防御力はあったのかもしれません。

　でも...、そんなことよりも...。

「ティアを食いやがった...！」

　私の中でそれが怒りとなり力に変換されて行く...。

　最初っから全力でやっておけば良かったと後悔する。

　この後に試練がどのくらい控えているのか分からないので、温存の為に出来るだけ【極限】の能力は使いたくなかったのですが仕方ありません。

　私は全身に力を入れてもう呟きました。

「【蒼極・蛙伝雷速の型】」

　私がそう呟くと、蒼き電流が体の組織全体に走り始め、身体能力が格段に向上する。

「よくも...、ティアを！！」

　激しい怒りを奴に向け、一瞬のうちに距離を詰める！！。

　まずは1発！！。

　バチィ！！。

　凄まじい雷撃音と共に奴の新しい皮膚が焼ける！。

　私が殴りつけた一面のみが黒焦げになっており、まるでそこだけに落雷が飛来したかのようにも思える跡がついた。

「まだまだぁ！！」

　バチィ！バチィ！バチバチバチィ！！。

　連撃に次ぐ蓮撃はとどまることを知らない。

「ギシャー！！」

　あまりの威力に奴も苦しそうな声を上げていたが、攻撃を止める気など毛頭ない。

　白い大蛇と化した奴だったが、私の雷撃により、所々黒々と化している。

「死ね...」

　私は小さくそう呟き、あの技を使う。

「【蛙伝雷速終いの型・極流拳】！！」

　私はそっと奴の皮膚に拳を当て、そこから内部に電流を流し込んだ！！。

外側からの電撃でもこれほど効いたのだ、中からの電撃はさぞかし痛かろう...。

「これで終わり...」

そう呟いた私は、静かにこの戦闘に幕を下ろすのだった...。