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【大帝】③

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「こいっ! アピス!」

 俺の声と共にアピスが姿を現した。

「何だ和希? 我を呼び出すほどの相手...」

 そこまで言いかけたアピスが声を震わせる。

「どうしたアピス?」

「和希。お前まさかあいつに手を出したのか?」

「あいつって?」

「目の前にいる存在【大帝】フリーズ=ディスティアにだ!」

 目の前の少女に指を刺すアピスの表情はいつになく険しかった。

「なに? 私の事を知っているの?」

 と呟く彼女をみてアピスは身震いをしていた。

「和希、悪いことは言わない。今すぐ撤退してゲートを塞ぐぞ」

「なにっ? そんなにやばい奴なのかあいつは?」

「やばいなんてものではない。奴は...帝王種と呼ばれる生まれつきにして一つの星の帝王となる逸材を束ねる存在【大帝】だ。いわゆるお前ら人間側神という存在に限りなく近い存在だ。ただ神と違う点は帝王種と言う輩は破壊を得意とする破壊神と呼ばれている所であろう」

「破壊神だと?」

「ああ、その方が帝王や【大帝】なんて呼ぶよりしっくりくるな。とにかく手を出してはならない存在に手を出してしまったたのだ。この構図は人間が天災に抗おうとしているようなものだぞ」

 アピスの話を聞けば聞くほど目の前のフリーズとか言う少女がやばい存在だということに気がついていく。

「今更気がついても遅いよ? 先に私の領域内に踏み入ったのは貴方達なんだから。せめて私の領域内から自分の足で出て行かない限り私は攻撃を続けるからね」

 彼女はそう呟くとその凄まじい魔力で俺たちの攻撃を再開するのだった。
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