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【ディエゴ視点】何を見ても楽しそうで

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「いいって事よ。いっぱい買ってくれてるしな」

「ちなみにオヤジ、ラスクが興味持ちそうな面白い薬剤や薬草を使った店、他に知らねぇか? アイツ薬師なんだ」

「そりゃまぁ知っちゃあいるが、この通りオレが詳しいのは裏道の情報になるぜ」

「分かってる。せっかくだからこの時間帯じゃねぇと買えないレアなのがあるといいんだが」

「ふぅん、酒に関するもんはこの店に勝るモンはねぇからな。薬に使えそうなのを扱ってる中でそういう面白いモンがあるのは色ごとに特化した店だろうな。塗る、飲む、焚く、使い方もとりどりのヤツが手に入るぜ」

「ああ、多分そういうのがいいらしい」

「そんじゃあ『メッサレッサ』だな。ほい、この紙を店主に渡しな。ベールで顔を隠してる怪しい風体だが、腕は確かだ。薬草の調合や種類に関しての知識はここら辺じゃアイツが一番だから、色々聞いてみりゃいい」

「ありがとう、助かる。ラスクもきっと喜ぶと思う」

「へっ、幸せそうなツラしやがって。仲良くやんな」

「ああ! また買いに来る!」

オヤジに礼を言ってラスクの元に駆け寄ったら、ラスクはまた腕いっぱいに酒瓶を抱えていた。

俺でも呑まないような強烈な火酒もあれば、なんか魔物っぽい物が漬け込んであるような得体の知れない酒もある。ここはラスクにとっては宝箱みたいなモンなんだろう。

「すげぇな」

俺が苦笑すると、ラスクは心底嬉しそうに破顔する。

「うん! 満足!!!」

「ならちょうど良かった。それ買って、次の店に移ろうぜ。面白いモン売ってそうな店、聞いておいた」

「ほんと!?」

「おう。色ごと系の店らしいが、店主が凄腕で薬草の調合や種類に関しての知識はズバ抜けてるらしい」

「うわぁ、楽しみ!」

笑顔が眩しい。

今日はもう、ラスクのキラキラが止まらない。よっぽど楽しいんだろう。

ラスクが嬉しいと俺も嬉しい。完全に浮き足だったラスクの腰をしっかり抱いて、教えられた店を目指し裏道をいくつかの店を冷やかしながら歩いて行く。

小さな街から出たことがないらしいラスクにとっては、見る物すべてが目新しく興味をそそられる物らしい。精霊の光で明滅する変わった看板だの、客引き兼小銭稼ぎで妖艶な踊りを披露してる踊り子だの、男たちがたむろしてゲームに興じてる賭博場のボードゲームだのにいちいち反応しては「ディエゴ、あれ何!?」って聞いてくる。

ついには幾種類ものムチだのチェーンだのベルトだのがぶら下がってる怪し気な看板を指差した。
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