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【ディエゴ視点】思わぬ提案

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最初はなんかいけ好かねぇヤツだと思ったけど、ラスクが嬉しそうだからまぁいいかって思えてきた。

そもそもエルフなんて俺でもあんまり見た事なかった。森の奥で暮らしてるんだろって思ってたけど、こんなとこでエログッズ店の店主におさまってるとはびっくりだ。

エルフっつったら長命で博識って事で有名だ。こんな近場でエルフから知識を分けて貰えるなんてだいぶラッキーなんじゃなかろうか。

「どうだろう、私の作るモノは興味深いかな?」

「はい! すごく!!!」

ラスクが元気よく答える。あんまり嬉しそうで、俺まで嬉しくなった。

「嬉しいね。店にある物は自由に見て良いよ。気になる物があったら聞いてくれ。使い方を教えよう」

「使い方……」

「組成や材料は秘密な物も多いからね」

「確かに」

すっかりワクワクモードになったラスクと店内を回る。そんなに広い店内じゃないが、売ってる物も小物が多いから、品数が半端ない。

「あ、すごい。ここはお風呂関係の物がいっぱい置いてある」

「へぇ。石鹸とか入浴剤とか普通なモンも置いてるんだな」

「泡風呂とか……ローション、ゼリーみたいなのもある。うわぁトロトロとかねっとりとかもこもこ泡とか、素材なんなんだろう」

「ゼリー……スライムっぽいのとかだったらめちゃくちゃイヤだ」

「あはは、確かに。こっちはお香かな」

「酒とかクリームとか、ほんと何でもあるな。あっちにはけっこうエグいエロいのもあるぞ。張型とか、いかにもってのが」

「そういうお店だもんね……僕、こういう系のお店、初めて入るから、実はかなりドキドキしてる」

「俺も初めてだ。今まで必要を感じなかったしなぁ」

散々ふたりで見回って、ちょくちょく店主に説明を受けながら、特に気になるのをピックアップしていく。

恥ずかしがったり興味津々だったり、エロいモンを一生懸命に吟味するラスクの色々な表情を間近で見る事ができるの、率直に言って滾る。

「まためちゃくちゃ買っちゃったな……」

「いいじゃないか。満足できる買い物ができたなら何よりだ」

満足そうなラスクを見てたら、ここに連れてきて本当に良かったとこっちまで満ち足りた気持ちになった。

「ありがとうございました。すごくいい買い物が出来ました!」

ラスクが店主に元気よくお礼を言うと、嬉しそうに微笑んだ店主が思わぬ提案をしてくれた。

「君がそんなに気に入ってくれて嬉しいよ。私も君が気に入った。せっかくの縁だ、もしも君が条件をのんでくれるなら、薬について色々と教えてあげてもいいけれど」
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