これで異世界なんて、どうかしてるっ!

ひむべーれ

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優弥の魔法の真価

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 ステータスに疑問はあるものの、それは自分にしかわからないことだから今は気にしないでおく。
 というか……。

「他人のステータスを見ることはできないんですか?」

 隊長を鑑定しても、名前、レベル、クラス、ランクしかわからなかった。
 他人にはそこまでしか見ることはできないのだろうか。

「できますよ。その『鑑定眼鏡』はあまり質の良いものではありません。もっと高ランクの『鑑定眼鏡』、もしくは鑑定アイテムがあれば見れます」

(アイテムにもランクがあるのか)

 それもそうである。何て言ったって、ここは異世界なのだから。

 素朴な疑問は置いておいて、そろそろ一番の問題に入ろう。
 優弥はごくりと喉を鳴らし、隊長に聞いた。

「同化魔法って何ですか?」

 ステータスの一番最後の欄の魔法、そこに書かれていた、同化魔法。
 これが優弥の魔法なのだろうが、詳細が一切わからない。
 槍やきんつばを手と同化させたりすることができるのだが、もっと詳しいことが知りたい。
 何ができて、何ができないのか。

「すみません、わかりません」

 隊長は申し訳なさそうに頭を下げる。
 しかしその答えは想定内だった。優弥が手と槍を同化させたり出したりしているのを見て、本当に驚いていた。あれはこの魔法を知らないからだ。
 だから、賭けた。隊長が『同化魔法とは何か』を知っているのではなく、『同化魔法とは何かを知っている人』を知っていることに。
 だが、どうやら賭けには負けたようだ。

 想定内ではあったが、やはり残念だ。こうなれば自分で調べるしかない。
 王都に着けば何か手がかりが見付かるだろうか。

 優弥は一人考え事をしていたが、隊長の説明はまだ終わっていなかった。

「魔法の欄は大抵の場合、属性になります。火とか水とか。私の場合は風です。ユウヤ殿のように○○魔法、となっているのはユニーク魔法と呼ばれるものです」

「ユニーク魔法?」

「その人固有の魔法のことです。高位のランクと同じで多種に渡りますが、保有者自体が少ないですが、ユニーク魔法は例外なく強力です」

 優弥は再び喉をごくりと鳴らした。
 強力なユニーク魔法。
 自分が持っているものだが、恐ろしくなったのだ。
 得体の知れないところが質が悪い。早く詳しく知りたいところだ。しかし、保有者自体が少ないなら、残されている情報もそんなに多くないのではないか。
 あるいは貴重だからこそ厳重に残されているか。
 どちらにしろ、優弥がすぐにどうこうできる問題ではない……

「詳しく知りたいなら、『見て』みたらどうですか?」

 ……こともないようだった。

「『見る』とは?」

 隊長が軽い感じで提案してきたので、優弥はやや呆気に取られてしまった。

「これは感覚的なものなので、うまく説明できないのですが、ステータスを見ている時に、その同化魔法をじっと見ていてください。おそらく、詳しい説明がわかると思いますが」

 どういうことなのだろうか。そもそも、頭の中に直接情報が流れてきているのに、じっと見るとはどうすればいいのか。
 優弥は半信半疑で鏡の前に立った。

「スキル・鑑定」

 もう一度自分のステータスが頭の中に出てきた。
 そこで、同化魔法を詳しく知りたいと念じてみる。
 すると……。


同化魔法
 あらゆる無生物と同化することができる。
 同化した物のステータスは自らのステータスに補正され、反映される。
 同化できる容量は、同化する物の大きさなどによって変化する。
 流動物との同化は不可。

(ランクF)同化解除設定、解放
 「解除」発言をせずに、動作設定を行うことによって同化解除が可能になる。


「できた……」

 本当に情報が優弥の頭の中に流れ込んできた。しかも追加情報まで。

「いかがですか?」

「はい、『見れ』ました……」 

 確かにこれは『見る』と表現した方が良いかもしれない。
 文字情報として認識して、覚えた感じだ。

 隊長は面白そうに笑みを溢した。

「ユウヤ殿のその真剣なしかめ面は可愛いですね」

「かわっ……!」

 急に何を言い出すのやら。
 隊長がそんな冗談を言うタイプだとは思っていなかったので、あわてふためいてしまう優弥。

「他にわからないことはありますか?」

 隊長はそんな優弥をまったく気にせずに話を元に戻す。

「今のところはありません……」

 なんだか気恥ずかしくなってしまった。
 この人は天然だ、天然で女を弄ぶタイプだ。
 優弥はそんなことを考えながら答える。

「では、これからの話をしましょうか」

 そういって隊長は真剣な顔付きになる。
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