私のお母様は転生者そして私はザマァされるヒロイン?わかりました!立派なモブになって見せます。

キャロル

文字の大きさ
8 / 26

8 入学前夜 (皇太子シュヴァエル)

しおりを挟む
カイル・シュヴァエル・バール 17歳

皇太子である私には現在婚約者がいない。

いないと言うより……、


本来なら学園入学前に婚約者を選び私の学園卒業もしくは婚約者の学園卒業後、結婚となる予定だったのだが、13歳の時の婚約者候補を決める茶会で出会った少女に一目惚れしてどうしても諦めることができず、父である皇帝に猶予をもらっていた。

その猶予も後1年しか残っていない。

この1年でなんとか出来なければ、父上の決めた女性と早々に結婚しなければならない…。

皇族に生まれたからには本意ではない結婚もしなければならないのはわかっているが…相思相愛の両親を見るとどうも納得いかないと思ってしまう。

父上だって23歳でやっと母上を手に入れたそうだ、相当粘っていたと宰相に聞いたことがある。

もう少し猶予をくれてもいいじゃないかと文句のひとつも言いたいが、下手に愚痴っては自ら首を締めそうになるから我慢しよう。

それにしても…あれから約4年か~どう探しても見つからない…いや、意図的に隠されてると思う。

消去法で考えてみた。

確実にあの日参加していたのは伯爵家以上の令嬢、その中であの少女の容姿に当てはまる令嬢と夫人は…知りうる限りは居なかった。

正しくは記録に残されていないといった方がいい、不自然なほどに完璧に隠されている…私直轄の影を使うことも情報屋も見事に封じられていた、…となるとそれが可能なのは……この国では1人…あの人しかいない。

『ライハルト・ヴィヴォワール伯爵』

伯爵とは名ばかりの我が国の影の皇帝と言っても過言ではない程の力と実力を持っている父の従兄弟だ!

単に皇族が面倒だからとさっさと皇位継承を破棄し臣籍降下したが公爵は領地統治は苦手だからと伯爵に甘んじているが
言わずと知れたこの国のNo.2だ。

魔力と実力で言えばNo.1なのだが……、

その奥方であるマリアンヌ様も周到に隠されてる。

間違いなくあの時噴水で出会った少女はヴィヴォワール家の息女だろう、レオンの妹ルナティアラ嬢。

明日の入学式で答えがはっきりするが、あの日会った少女がルナティアラ嬢だとするとあの時母上が言っていた事が今は理解できる。

皇族の父と王族の母を持つルナティアラ嬢は皇族の血筋の唯一の姫になる。

当然ながらその高貴な血筋、知能、知性、能力、魔力全てがハイスペックで次代の皇帝妃としては申し分ない令嬢だが、そこに政略は一切不要の相手ゆえ、彼女を手に入れるには恋愛感情が不可欠になる。

つまりルナティアラ嬢本人に選ばれなければいけないということだ。


猶予は1年、そのたった1年で私という人間を知ってもらい更に好きになってもらわなければ……どうやって近づこう?

彼女の存在が今回おおやけになる。嬉しい反面不安だ!他国の王族からも注目されるだろう。

まぁ、ライハルト様が他国にルナティアラ嬢を嫁に出すとは思えないが、万が一本人がそれを望んでしまうと…いや、そうならないようになんとか振り向いてもらわなければ……。

彼女は今回の首席入学なので自ずと校舎も宿舎も私と近いところに来てくれたことは喜ばしいが…、はぁ、


__コンコン__

「殿下、少しお時間よろしいでしょうか?」

この声はルイ・グランリエか、こんな時間に何用だろうか?

「ん?ルイか?ああ、…入れ」

「ありがとうございます。」

「どうした?何かあったか?」

「いえ、私の弟のロムが明日から学園に通うことになりまして、きっと殿下のお役に立てるかと思い挨拶に参りました。」

「弟?そうか、(サミュエルと同じ年だったか)…確かに似ているな」

「お初にお目にかかります。ロム・グランリエと申します。明日よりこの隣の宿舎より学園に通うことになりました。よろしくお願いいたします。」

「隣ということはSクラスか、流石だな!…で?役に立つとは?」

「殿下、弟とその婚約者のマリア・バロン侯爵令嬢は同じSクラス、しかも!マリア嬢はレオンハルトの婚約者リリア・リード伯爵令嬢と親しいそうですよ!そしてリリア・リード伯爵令嬢の親友があのレインハルトの妹…幻令嬢ルナティアラ・ヴィヴォワール伯爵令嬢!です」

幻令嬢って……確かに言い得て妙だが……、

「何!ほんとかそれは!」

「はい、レオンの妹君はあまりに隠されすぎていて気になっていたんですよ!殿下も気になっていたのではないかと」

ニヤリと笑みを浮かべたルイの顔を見て確信した。

こいつ知ってやがったな!知っていて今まで知らぬふりしてやがったか!

明日にはわかると踏んで、の反応みがてらからかいに来たのか……でも、弟の婚約者がルナティアラ嬢への架け橋になってくれるなら有り難い。

「わざわざ、ここに来たということは…既に気がついているだろうが、まぁ、隠すつもりもないが、私はルナティアラ嬢を妃に迎えたい。卒業までになんとしてもルナティアラ嬢と親しい、…いや相愛になりたい、是非協力して欲しい」

「も、勿論です。3人は何度もお互いの家を行き来するほど仲が良くて、よくマリアからルナティアラ様のお話を聞いていました。マリアと私は同じSクラスですので何なりとお申し付けください」

「そ、そうか、では存分に力になってもらおう!ついでにしっかり虫除けもしてくれ!」

「かしこまりました。」

心強い味方を得たが……しかし3家を行き来する程仲が良かったのか…その情報も外に一切もれないとはヴィヴォワール家の力か……、

彼女から…あからさまな拒絶がなかったら…拒絶されたら…いや、前向きにグイグイ後悔の無いように少しの時間もチャンス無駄にしないように押して押して…(押し倒したい)…


………、、、よし!寝よう…寝れる気しないけど…。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

転生したら没落寸前だったので、お弁当屋さんになろうと思います。

皐月めい
恋愛
「婚約を破棄してほしい」 そう言われた瞬間、前世の記憶を思い出した私。 前世社畜だった私は伯爵令嬢に生まれ変わったラッキーガール……と思いきや。 父が亡くなり、母は倒れて、我が伯爵家にはとんでもない借金が残され、一年後には爵位も取り消し、七年婚約していた婚約者から婚約まで破棄された。最悪だよ。 使用人は解雇し、平民になる準備を始めようとしたのだけれど。 え、塊肉を切るところから料理が始まるとか正気ですか……? その上デリバリーとテイクアウトがない世界で生きていける自信がないんだけど……この国のズボラはどうしてるの……? あ、お弁当屋さんを作ればいいんだ! 能天気な転生令嬢が、自分の騎士とお弁当屋さんを立ち上げて幸せになるまでの話です。

婚約破棄を喜んで受け入れてみた結果

宵闇 月
恋愛
ある日婚約者に婚約破棄を告げられたリリアナ。 喜んで受け入れてみたら… ※ 八話完結で書き終えてます。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

失踪していた姉が財産目当てで戻ってきました。それなら私は家を出ます

天宮有
恋愛
 水を聖水に変える魔法道具を、お父様は人々の為に作ろうとしていた。  それには水魔法に長けた私達姉妹の協力が必要なのに、無理だと考えた姉エイダは失踪してしまう。  私サフィラはお父様の夢が叶って欲しいと力になって、魔法道具は完成した。  それから数年後――お父様は亡くなり、私がウォルク家の領主に決まる。   家の繁栄を知ったエイダが婚約者を連れて戻り、家を乗っ取ろうとしていた。  お父様はこうなることを予想し、生前に手続きを済ませている。  私は全てを持ち出すことができて、家を出ることにしていた。

【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!

貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。

婚約破棄をされ、谷に落ちた女は聖獣の血を引く

基本二度寝
恋愛
「不憫に思って平民のお前を召し上げてやったのにな!」 王太子は女を突き飛ばした。 「その恩も忘れて、お前は何をした!」 突き飛ばされた女を、王太子の護衛の男が走り寄り支える。 その姿に王太子は更に苛立った。 「貴様との婚約は破棄する!私に魅了の力を使って城に召し上げさせたこと、私と婚約させたこと、貴様の好き勝手になどさせるか!」 「ソル…?」 「平民がっ馴れ馴れしく私の愛称を呼ぶなっ!」 王太子の怒声にはらはらと女は涙をこぼした。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

処理中です...