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8 入学前夜 (皇太子シュヴァエル)
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カイル・シュヴァエル・バール 17歳
皇太子である私には現在婚約者がいない。
いないと言うより……、
本来なら学園入学前に婚約者を選び私の学園卒業もしくは婚約者の学園卒業後、結婚となる予定だったのだが、13歳の時の婚約者候補を決める茶会で出会った少女に一目惚れしてどうしても諦めることができず、父である皇帝に猶予をもらっていた。
その猶予も後1年しか残っていない。
この1年でなんとか出来なければ、父上の決めた女性と早々に結婚しなければならない…。
皇族に生まれたからには本意ではない結婚もしなければならないのはわかっているが…相思相愛の両親を見るとどうも納得いかないと思ってしまう。
父上だって23歳でやっと母上を手に入れたそうだ、相当粘っていたと宰相に聞いたことがある。
もう少し猶予をくれてもいいじゃないかと文句のひとつも言いたいが、下手に愚痴っては自ら首を締めそうになるから我慢しよう。
それにしても…あれから約4年か~どう探しても見つからない…いや、意図的に隠されてると思う。
消去法で考えてみた。
確実にあの日参加していたのは伯爵家以上の令嬢、その中であの少女の容姿に当てはまる令嬢と夫人は…知りうる限りは居なかった。
正しくは記録に残されていないといった方がいい、不自然なほどに完璧に隠されている…私直轄の影を使うことも情報屋も見事に封じられていた、…となるとそれが可能なのは……この国では1人…あの人しかいない。
『ライハルト・ヴィヴォワール伯爵』
伯爵とは名ばかりの我が国の影の皇帝と言っても過言ではない程の力と実力を持っている父の従兄弟だ!
単に皇族が面倒だからとさっさと皇位継承を破棄し臣籍降下したが公爵は領地統治は苦手だからと伯爵に甘んじているが
言わずと知れたこの国のNo.2だ。
魔力と実力で言えばNo.1なのだが……、
その奥方であるマリアンヌ様も周到に隠されてる。
間違いなくあの時噴水で出会った少女はヴィヴォワール家の息女だろう、レオンの妹ルナティアラ嬢。
明日の入学式で答えがはっきりするが、あの日会った少女がルナティアラ嬢だとするとあの時母上が言っていた事が今は理解できる。
皇族の父と王族の母を持つルナティアラ嬢は皇族の血筋の唯一の姫になる。
当然ながらその高貴な血筋、知能、知性、能力、魔力全てがハイスペックで次代の皇帝妃としては申し分ない令嬢だが、そこに政略は一切不要の相手ゆえ、彼女を手に入れるには恋愛感情が不可欠になる。
つまりルナティアラ嬢本人に選ばれなければいけないということだ。
猶予は1年、そのたった1年で私という人間を知ってもらい更に好きになってもらわなければ……どうやって近づこう?
彼女の存在が今回公になる。嬉しい反面不安だ!他国の王族からも注目されるだろう。
まぁ、ライハルト様が他国にルナティアラ嬢を嫁に出すとは思えないが、万が一本人がそれを望んでしまうと…いや、そうならないようになんとか振り向いてもらわなければ……。
彼女は今回の首席入学なので自ずと校舎も宿舎も私と近いところに来てくれたことは喜ばしいが…、はぁ、
__コンコン__
「殿下、少しお時間よろしいでしょうか?」
この声はルイ・グランリエか、こんな時間に何用だろうか?
「ん?ルイか?ああ、…入れ」
「ありがとうございます。」
「どうした?何かあったか?」
「いえ、私の弟のロムが明日から学園に通うことになりまして、きっと殿下のお役に立てるかと思い挨拶に参りました。」
「弟?そうか、(サミュエルと同じ年だったか)…確かに似ているな」
「お初にお目にかかります。ロム・グランリエと申します。明日よりこの隣の宿舎より学園に通うことになりました。よろしくお願いいたします。」
「隣ということはSクラスか、流石だな!…で?役に立つとは?」
「殿下、弟とその婚約者のマリア・バロン侯爵令嬢は同じSクラス、しかも!マリア嬢はレオンハルトの婚約者リリア・リード伯爵令嬢と親しいそうですよ!そしてリリア・リード伯爵令嬢の親友があのレインハルトの妹…幻令嬢ルナティアラ・ヴィヴォワール伯爵令嬢!です」
幻令嬢って……確かに言い得て妙だが……、
「何!ほんとかそれは!」
「はい、レオンの妹君はあまりに隠されすぎていて気になっていたんですよ!殿下も気になっていたのではないかと」
ニヤリと笑みを浮かべたルイの顔を見て確信した。
こいつ知ってやがったな!知っていて今まで知らぬふりしてやがったか!
明日にはわかると踏んで、俺の反応みがてらからかいに来たのか……でも、弟の婚約者がルナティアラ嬢への架け橋になってくれるなら有り難い。
「わざわざ、その事をいうためにここに来たということは…既に気がついているだろうが、まぁ、隠すつもりもないが、私はルナティアラ嬢を妃に迎えたい。卒業までになんとしてもルナティアラ嬢と親しい、…いや相愛になりたい、是非協力して欲しい」
「も、勿論です。3人は何度もお互いの家を行き来するほど仲が良くて、よくマリアからルナティアラ様のお話を聞いていました。マリアと私は同じSクラスですので何なりとお申し付けください」
「そ、そうか、では存分に力になってもらおう!ついでにしっかり虫除けもしてくれ!」
「かしこまりました。」
心強い味方を得たが……しかし3家を行き来する程仲が良かったのか…その情報も外に一切もれないとはヴィヴォワール家の力か……、
彼女から…あからさまな拒絶がなかったら…拒絶されたら…いや、前向きにグイグイ後悔の無いように少しの時間もチャンス無駄にしないように押して押して…(押し倒したい)…
………、、、よし!寝よう…寝れる気しないけど…。
皇太子である私には現在婚約者がいない。
いないと言うより……、
本来なら学園入学前に婚約者を選び私の学園卒業もしくは婚約者の学園卒業後、結婚となる予定だったのだが、13歳の時の婚約者候補を決める茶会で出会った少女に一目惚れしてどうしても諦めることができず、父である皇帝に猶予をもらっていた。
その猶予も後1年しか残っていない。
この1年でなんとか出来なければ、父上の決めた女性と早々に結婚しなければならない…。
皇族に生まれたからには本意ではない結婚もしなければならないのはわかっているが…相思相愛の両親を見るとどうも納得いかないと思ってしまう。
父上だって23歳でやっと母上を手に入れたそうだ、相当粘っていたと宰相に聞いたことがある。
もう少し猶予をくれてもいいじゃないかと文句のひとつも言いたいが、下手に愚痴っては自ら首を締めそうになるから我慢しよう。
それにしても…あれから約4年か~どう探しても見つからない…いや、意図的に隠されてると思う。
消去法で考えてみた。
確実にあの日参加していたのは伯爵家以上の令嬢、その中であの少女の容姿に当てはまる令嬢と夫人は…知りうる限りは居なかった。
正しくは記録に残されていないといった方がいい、不自然なほどに完璧に隠されている…私直轄の影を使うことも情報屋も見事に封じられていた、…となるとそれが可能なのは……この国では1人…あの人しかいない。
『ライハルト・ヴィヴォワール伯爵』
伯爵とは名ばかりの我が国の影の皇帝と言っても過言ではない程の力と実力を持っている父の従兄弟だ!
単に皇族が面倒だからとさっさと皇位継承を破棄し臣籍降下したが公爵は領地統治は苦手だからと伯爵に甘んじているが
言わずと知れたこの国のNo.2だ。
魔力と実力で言えばNo.1なのだが……、
その奥方であるマリアンヌ様も周到に隠されてる。
間違いなくあの時噴水で出会った少女はヴィヴォワール家の息女だろう、レオンの妹ルナティアラ嬢。
明日の入学式で答えがはっきりするが、あの日会った少女がルナティアラ嬢だとするとあの時母上が言っていた事が今は理解できる。
皇族の父と王族の母を持つルナティアラ嬢は皇族の血筋の唯一の姫になる。
当然ながらその高貴な血筋、知能、知性、能力、魔力全てがハイスペックで次代の皇帝妃としては申し分ない令嬢だが、そこに政略は一切不要の相手ゆえ、彼女を手に入れるには恋愛感情が不可欠になる。
つまりルナティアラ嬢本人に選ばれなければいけないということだ。
猶予は1年、そのたった1年で私という人間を知ってもらい更に好きになってもらわなければ……どうやって近づこう?
彼女の存在が今回公になる。嬉しい反面不安だ!他国の王族からも注目されるだろう。
まぁ、ライハルト様が他国にルナティアラ嬢を嫁に出すとは思えないが、万が一本人がそれを望んでしまうと…いや、そうならないようになんとか振り向いてもらわなければ……。
彼女は今回の首席入学なので自ずと校舎も宿舎も私と近いところに来てくれたことは喜ばしいが…、はぁ、
__コンコン__
「殿下、少しお時間よろしいでしょうか?」
この声はルイ・グランリエか、こんな時間に何用だろうか?
「ん?ルイか?ああ、…入れ」
「ありがとうございます。」
「どうした?何かあったか?」
「いえ、私の弟のロムが明日から学園に通うことになりまして、きっと殿下のお役に立てるかと思い挨拶に参りました。」
「弟?そうか、(サミュエルと同じ年だったか)…確かに似ているな」
「お初にお目にかかります。ロム・グランリエと申します。明日よりこの隣の宿舎より学園に通うことになりました。よろしくお願いいたします。」
「隣ということはSクラスか、流石だな!…で?役に立つとは?」
「殿下、弟とその婚約者のマリア・バロン侯爵令嬢は同じSクラス、しかも!マリア嬢はレオンハルトの婚約者リリア・リード伯爵令嬢と親しいそうですよ!そしてリリア・リード伯爵令嬢の親友があのレインハルトの妹…幻令嬢ルナティアラ・ヴィヴォワール伯爵令嬢!です」
幻令嬢って……確かに言い得て妙だが……、
「何!ほんとかそれは!」
「はい、レオンの妹君はあまりに隠されすぎていて気になっていたんですよ!殿下も気になっていたのではないかと」
ニヤリと笑みを浮かべたルイの顔を見て確信した。
こいつ知ってやがったな!知っていて今まで知らぬふりしてやがったか!
明日にはわかると踏んで、俺の反応みがてらからかいに来たのか……でも、弟の婚約者がルナティアラ嬢への架け橋になってくれるなら有り難い。
「わざわざ、その事をいうためにここに来たということは…既に気がついているだろうが、まぁ、隠すつもりもないが、私はルナティアラ嬢を妃に迎えたい。卒業までになんとしてもルナティアラ嬢と親しい、…いや相愛になりたい、是非協力して欲しい」
「も、勿論です。3人は何度もお互いの家を行き来するほど仲が良くて、よくマリアからルナティアラ様のお話を聞いていました。マリアと私は同じSクラスですので何なりとお申し付けください」
「そ、そうか、では存分に力になってもらおう!ついでにしっかり虫除けもしてくれ!」
「かしこまりました。」
心強い味方を得たが……しかし3家を行き来する程仲が良かったのか…その情報も外に一切もれないとはヴィヴォワール家の力か……、
彼女から…あからさまな拒絶がなかったら…拒絶されたら…いや、前向きにグイグイ後悔の無いように少しの時間もチャンス無駄にしないように押して押して…(押し倒したい)…
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