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捕まった?
しおりを挟む「ふぅ~、それにしても会長おかしかったな。なんかあったんかな?」
体育館の屋根の上から抜け出し、どこか隠れるところを探しながら先ほどまで一緒にいた会長の姿を思い浮かべる。
やっぱり生徒会の仕事とか忙しいのかな?休める時間必要そうだよな。
「ねぇ、栄人こんな所にいたんだ。探したんだよ?」
「ひぃっ!」
いきなり耳元でと息の多い声がして慌てて振り返る。
変な声出ちゃったじゃん、はずっ!
「って、尊!変な声の掛け方するんじゃねーよ。」
「いや~なんか物思いに耽ってたから。普通に話しかけても面白くないな~と思って。」
「そ、そうか。それで、あの~なんでそんなに近づいて来ようとするんだ?」
真正面からじりじりと近づいてくる尊に合わせて、俺も後ずさる。なんか、雰囲気が怖いんだが…爽やかさに鋭さがプラスされた感じ?
「ん~特に理由はないよ?栄人が離れようとするから近づいてるだけ。」
「そ、うか。…それより尊は誰か捕まえたのか?」
「まだ誰も。フフ、栄人が記念すべき1人目だよ。」
「ひぇ、俺行くわ!じゃっ!」
そんな記念いらんわ!尊の言うこと聞くとか、なんか嫌な予感がするんだよ。とにかく逃げるのみ!
「あーあ、行っちゃった。残念。」
だから残念そうにしろっての。だが、構っている暇はない。速く隠れ場所を探さないと。そう思い旧校舎へ入る。どこか目につきにくい場所…
旧校舎3階の奥、使われている様子もない教室が目に入った。取りあえず教室の中に入ると物置部屋だった。これなら見つかりにくそうと思い、物陰に隠れようとすると床の出っ張りに躓く。うん、俺ここに来てから躓てばっかり…ドジっこキャラは狙ってないんだけどな~
「おっと、危ないね~」
その声とともに誰かに抱きすくめられた。
「っす、すいません!すぐどきます。」
「別にいいよ~役得ってやつ?」
「…?」
何言ってんだこの人、って…
「会計さんじゃん!」
「そ~会見さんだよ~。できれば楓先輩とかで呼んでほしいかな~なんて。」
「え、なんで?」
「えぇーそこ聞く?聞いちゃう?」
「面倒なんでいいです。」
「とにかく離れるんで手離してください。」
この人しつこい!中々離してくれないから語尾を強くして言った。顔はキレイなのになんか勿体無い人だな。
「フフ、いいよ~栄人クンは俺が捕まえたし♪」
「え、捕まえた…?」
会計の腕を見ると赤の腕輪がされていた。
「っは、赤…oh…」
やられた、俺としたことが…まぁでも物騒な奴よりはよっぽどマシか。
「落ち込んでるとこ悪いけど行くよー。」
「え、どこに?」
「あ、話聞いてなかったなー?体育館だよ、捕まったら鬼に体育館に連れて行かれて、そこで終わるまで待機ね。あ、あと知れていくときは必ず手を繋いでいかないとなんだよ♪」
「へぇ~そうなんだ。」
説明の時そんなこと言ってなかったよな?なんでだろう?俺一瞬寝てたんかな?
「それじゃあレッツゴー!」
「おー」
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