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会計サイド⑴
しおりを挟む興味を持ったのはただ何となく。確かに見た目はそそられたし、性格も悪くなさそうだった。
他も生徒会のみんなも興味を持ってて、ただ流れに乗っただけ。それにわざわざ会長と同じ人を好きになんて後々面倒なことになりそう。だから本気にはしてなかった。
もちろん、新歓の鬼ごっこで捕まえたのもたまたま。まぁ他の子たちよりはマシだとは思ってはいたけど、誰も捕まえるつもりなんてなかった。
それに、仕事が多くて構ってあげられないし…だから、栄人クンには悪いけど雑用を手伝ってもらうことにした。
「あー栄人クン来てくれたんだ~。言ってくれたら無あえに行ったのに~。」
「いえ、大丈夫デス。俺が手伝う仕事って何ですか?」
「えぇ~せっかく来たんだからお喋りしようよ、ね?」
「いや、早く帰りたいんでお断りします。それより早く内容教えてください。」
「つれないな~まぁ、時間はあるし焦らなくてもいいよね~」
構って上げられないとは言ったけど、こうまで素っ気ないとなんか寂しいじゃん。でも、真面目に手伝ってくれてるし俺から邪魔するようなことはしない。
悠希が外に出てから、栄人クンが部屋の中をキョロキョロし始めて、何か気になることがあるのかと思い話しかけた。
「どうしたのー?なんか気になることでもあった?」
栄人クンの行動が目に入るあたり、俺は自分が思っているよりも栄人クンのことをかなり気にしているんだろう。
「いや、特に…ただ、仕事大変そうだと思って。俺もうすぐ終わるので他に出来ること何かありますか?」
「ん~そんなにだよ?俺は結構手を抜いちゃうタイプだし。他の人の方が大変かもね~お願いとはいえ休みの日に雑用押し付けちゃってごめんね~?」
そう、人間関係ほど面倒なことはない。だから、深入りせず表面だけ合わせて、本音と建て前を上手く使い分けたらいい。俺のことも詳しく知らなくていいし、君のことも詳しく知らなくていい。
「別に俺は気にしてないっすよ。生徒会が大変そうって分かって、その手伝いができて良かったって思ってますし。それに、手ぐらい抜いてもいいんじゃないすか?なんでも全力は誰でも無理でしょう。会計さんはチャラそうだけど休みの日まで仕事して大変じゃないわけないじゃないですか。人のことばっかり気にしてないで、ちょっとでもいいから頼れるときに頼っといたらいいんですよ。」
何それ…なんでそんなこと言えんの?君は何を知ってるの?君には何が見えてるの?
「チャラそうって…それ貶してるじゃん…」
ほんと、男前なこと言うね。
……そんなの知りたくなるじゃん。俺面倒なこと嫌いなのに…特に人間関係が絡むのは勘弁。
フッ、ほんと勘弁してほしいなぁ。
自分の気持ちを理解した途端に理性が効かなくなった。俺そんな情熱的なタイプじゃなかったんだけど。
初めは抵抗している様子があったけど、途中から俺に身を委ねて、気持ちよさそうな蕩けた顔をする。声も艶やかになり、余計に掻き立てられる。
あぁ、堪らなくめちゃくちゃにしたい。
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