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勝負⑴
しおりを挟む「では、僭越ながら私、神田尊がご挨拶をさせていただきます。えー、このビーチフラッグ大会では優勝者が夜須川栄人君に日焼け止めを全身に塗りたくれる権利を掛けた戦いになっています。皆さま是非悔いのないように全力を尽くして戦ってくださいますようよろしくお願い申し上げます。」
こいつはバカなのか?
今俺たちの周囲は尊がいきなり校長先生の様な挨拶を始め異様な空気になりつつある。
あんまり詳しい内容は聞いていなかったがみんなの目がギラリと獲物を捕らえたかのように妖しく光る。え、シンプルに怖いんだが…遊びにそんなに真剣になって大丈夫なのか?
「では、早速トーナメントを発表します。第一戦目は……会長VS風紀委員長!!おっと!ここで大本命二人がいきなり対決!これは面白くなってきましたね~」
いや始まったばっかりなんですけどー。なんか分からないけど尊がノリノリなのが無性にムカつく。俺だけ?
「絶対に負けないからな。」
「俺もだ。ピュアなお前が出る幕じゃない。」
「ピュアってっ!」
「両者ともに宣戦布告―!」
先輩同士が言い合ってるけど会長がなんかたじろいでる。また輝樹先輩に揶揄われてるのか?大丈夫かな。
「それでは位置について…よーい、ドンっ!!」
尊の掛け声で後ろを向いてうつ伏せになっていた二人が起き上がって走り出す。
先にフラッグを取ったのは―――――――………
「俺の勝ちだ!」
珍しく大きな声をだして勝ち誇っているのは会長。よっぽど輝樹先輩にバカにされたんかな。
一方輝樹先輩は悔しそうにしつつもニヤリとこちらを見てくる。え、なになに?俺なんかした?
輝樹先輩って味方だとめちゃくちゃ心強いけど、いつ敵になるか分からない危険人物って感じだよな…
「勝者会長!いや~中々見ごたえのある戦いでしたな。」
審判だけじゃ飽き足りず実況もし始めたんだけど、止める奴いねぇの?
「続いては……学園の天使!村瀬瑠季VS目が合うだけで孕ませちゃう色男!来見颯!!」
「いや、孕ませねぇわ!じゃなくて~瑠季ちゃん俺負けねぇよ?」
「僕だって負ける気ないもん!」
会計の渾身のツッコミが入ったが動じない尊、こいつある意味最強なのでは?
「それでは両者位置について…よーい、ドンっ!」
先に辿りついたのは―――――……
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