【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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ビーチフラッグ

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「はぁ~美味しかった!さっせっかくだし遊ばないとだよね!栄人君♪」

「あぁ、俺はここで涼んでるから楽しんできて。」

「えぇ~そんなの面白くないじゃん!一緒に遊ぼうよ!皆栄人君と遊びたくてワキワキしてるよ。」

ワキワキ?ワクワクじゃなくて?瑠季の口からワキワキはなんか聞きたくないな。

「俺は皆が遊んでるとこ見とくからさ!気にしないで!」

ほんと、もう切実に気にしないでほしい。俺はパラソルの下を死守する。

「ねぇ栄人、なんでそんなに頑なに外に出たがらないんだ?」

尊に心底不思議そうに問われてなんて答えるべきか迷う。まぁ本当のこと言ってもいっか。

「俺日焼けしたら後々痛くなるからあんまりパラソルから出たくねぇの。だから俺のことは気にせず遊んでほしい。」

よし、完璧!

「あっ!じゃあじゃあ俺良いこと考えちゃったかも~」

なんでぇ?なんでそこまでして俺を巻き込もうとするんだ?それに会計の良いことは絶対俺にとって良いことじゃないと思うんだよなぁ。

「今からビーチフラッグをして~勝った人が栄人クンに日焼け止めを塗れるってのはどう?」

いや、塗るなら自分で塗るんですけど!?俺の権利どこ行った?

「それはいい。公平に決めるべきだしな。」
「まぁ負ける気はないが…」
「やるなら私だって負けませんよ。」

輝樹先輩や会長、女神までやる気満々でしないという選択肢ははなから無さそうだ。

「じゃあ、私尊が僭越ながら公平に審判しまーす!」

ノリノリで名乗り出る尊は後で絞めておこう、うん。

「じゃあ、あみだくじで簡単にトーナメント作りまーすっ!」

俺の意見を聞かずに着々と準備が進められていく。
……俺今日日焼け止め忘れたし、ラッキーか。ならいいや。

「栄人、本当にいいのか?嫌だったら言うんだぞ?」

心配そうにそう言ってくれたのは徹、その後ろで様子をうかがっている宗也。この二人は俺のことを心配してくれているらしい。見えないはずの耳がシュンと垂れて見えてサイコーに可愛い。

「二人ともありがとう。まぁ、決まっちゃったみたいだし、大丈夫。それより二人は良かったのか?勝手に参加を決められていたけど…」

「お、俺は嫌じゃない。栄人の世話なら…したいから…」

本当に徹はおかん属性だな。世話してくれるのはありがたいけど、徹の負担にならない範囲でなら、だな。

「俺も、別に嫌じゃない。背中とか届かないだろ。」

「あ、あぁ、ありがとう。」

ぶっきらぼうだけど、俺のこと考えてくれてるのかと思うと同年代の俺より大きい男でも可愛く見える。



そうして、まんまと変な形で参加させられ………マジで俺の平穏ってこの学園に来てからないな…と思いつつもなんだかんだ楽しい俺だった。








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