【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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ありがとう

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「それで今宗也たちの目の前にいるって感じだな。俺はもともと気持ちいことに流されるタイプだしそこまで間違ったことを言われたわけでもないから気にしてないんだけどな。」

そこまで言い終えて、ふと我に返る。宗也にこんな話して俺はどうしたいんだ?宗也も宗也で口挟まずにじっと聞いてくれてるし、つまんない話してなんかごめん。

「でも、嫌だったんだろ?だから、無理に話聞いたみたいになってごめん。でも、俺が気に入らなかったから。栄人のこと、少なくともいいところは俺の方が知ってるはずなのに、最近知り合ったばかりっていうので口挟めねぇ俺自身が嫌だったんだ。だからってデリケートなことを…ごめん。」

律儀に謝ってくる宗也にクスッと笑ってしまう。だって、そんなに重く受け止めなくてもって思わねぇ?
会長に対して顕著だったけど、元から堅い性格なんだろう。

「クスッ、こちらこそごめん。そんなに気にするな。俺が話したくて話しただけだ。聞いてくれてありがとう。」

俺は確かに嫌だった。
そんな目で見られること自体は別に気にしない。でも、自分のことを棚に上げて他者を攻撃するくせに、平気でその後も自分たちの欲望の為に他者を傷つけようとする。そんな人間しかいないのかと世界を絶望するほどに、初めて人間の醜さを全身で感じて嫌だったんだ。




だから、俺の気持ちを汲み取ってくれてありがとう。







そうしてタイミングを見計らったかのように豪華な食事が運ばれて来た。

「うっまそー!」

見た目からしてもう美味い料理に柄にもなくテンションが上がる。

「フッ、いっぱい食べるといい。ここは俺の家の経営している所だから、好きなものを好きなだけ食べろ。」

そんな俺に宗也はかっこよく微笑むと、驚きの内容を口にした。
え、俺の家が経営している?ってことはご令息?

それより、こんなに美味しそうな料理毎日食べられるのか?めちゃくちゃいいじゃん!

「いや、経営しているからと言って毎日ここの料理を食べられるわけではないな。」

思わず表に出てしまっていたらしい俺の考えていることに少し肩を震わせながら律儀に答えてくれる宗也。
いや、もうそこまで笑うならいっそのこと気にせず笑って欲しい。


それから色んなことを話しつつ、一緒に目の前のご馳走を食べた。宗也と二人で話すのは初めてだと思う。あいつ等と会った時は出てきたことを後悔したけど、宗也と仲良くなれたと思うと出てきて良かった。



あ、あと最後には忘れず両親へのお土産を買って帰った。



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