【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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背中流し

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大浴場の空いている時間を聞いておいてみんなで入りに行く。
やっぱり旅館と言えば大浴場だよね。ワクワクしながら入った浴場は想像以上に広く綺麗で俺は大興奮。

「めちゃくちゃキレイですね!あ、あそこに泡風呂が!ジェットバスもある!」

「ふふ、栄人君お風呂は逃げませんあから先に身体を洗ってからゆっくりと入りましょう。」

悠希先輩にそう諭すように言われて我に返る。今の俺、小学生が電車の外を身体を向けて見るみたいな感じだった…恥ずかしい…

「恥ずかしがってる栄人も新鮮で可愛い。」

やめろ、みなまで言うな瑠季よ。余計に恥ずかしいから!

じゃれてくる瑠季をいなしながら心を無にする。
心を静めながら頭、身体と順に洗う。

因みに皆横並びで身体を洗ってる。俺は一番に端っこを選んだんだけど、その後すぐに瑠季が隣に…つまり他の先輩たちがどこにいるかは俺は知らない。両隣に人がいると両方にシャワーの水を飛ばさないか気にしないとだから嫌なんだよな。

「ねぇねぇ、栄人!僕が背中洗うよ。タオル貸して?」

「マジ?サンキュー!」

背中を流すと名乗り出てくれた瑠季にタオルを渡して背中を差し出す。こういうのって大浴場ならではだよな。

「じゃあいくよ~」

その声とともに背中に何かが触れる感覚がする。え、タオルってこんな感覚だったっけ?優しく擦ってくれてるからか柔らかくて少しくすぐったい。

「瑠季?そんなに優しくしなくても大丈夫だから。くすぐったいし、ちょっと強めでお願い。」

「ん?分かった~強めね。」

そして腰あたりにグッとした刺激を感じてビクッとなる。

「る、瑠季?タオルは?使ってねぇの?」

絶対手で洗ってる感覚!どうりでくすぐったい訳だ。

「ん?だって栄人君の肌がキレイすぎてタオルだと傷つけちゃうと思って…それに手で洗った方が大事な角質とかが取れなくていいんだよ!」

そうなのか?なんか上手く丸め込まれたように感じるが折角洗ってもらってるし、瑠季の言うことを聞くことにする。

でも、撫でるように?滑るように背中を洗う手にピクピクと身体は動いてしまうわけで……恥ずかしいから早く終わってくれと切に願う。

そんな時……

「るーきー?何してんのかなぁ?ん?抜け駆けぇ?後で部屋帰ったら覚えてろよ。」

やや巻き舌気味に俺たちの間に割って入った、いつもの緩―い口調は置いてきたらしい会計はそのまま瑠季の首根っこを引っ掴んでどこかに連れて行く。

「えぇー!ちょっと待ってよ~今いい所だったんだよ!離してぇ!」

瑠季が嘆いているが、正直俺は助かったためスルーしておく。

「大丈夫か?何もされてないか?」

痴漢に遭った時並みに心配してくる会長。いや、俺男だし何ともないけど…相手瑠季だしね!

「あぁ、背中洗ってもらってただけですよ。でも、心配してくれてありがとうございます。」

心配してくれたみたいだから一応俺も添えとく。
よし、じゃあ頭も身体も洗ったことだし早速温泉につかるとしますか!






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