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休日のイケナイ課外授業
しおりを挟む定期考査と言えば、分からない所は先生に聞きに行くのが恒例だよな。尊は多分俺に聞いて来るんだろうけど、俺は確実な教師に聞きに行く。
そう、我らが担任も一応は教師だから分からない所があれば突撃しに行く。
「先生~この前の授業でしてたここが分からないんですけど…って、寝てる…」
転入したてのときに来た、懐かしの国語準備室へ突撃するとキレイな顔ですやすや寝ている担任を発見する。
ネクタイをして、いつもは意外にもきっちり着ているスーツは首元が緩められていて、髪も崩れててなんだか無造作な感じが大人の色気を増長させている気がする。
――休日のイケナイ課外授業IN国語準備室――的な題名のBL小説とかありそう。
1人で考えながらクスクス笑っていると……
「ん……」
「ッ!」
びっっっくりした~。起こしたかと思った。
「ふむ…」
教師も色々忙しいんだろうなぁ、大人って子どもには分からない悩み事とか多そうだし。
そう思うと、なんだか急に甘やかしたくなっていつもは絶対に届かない位置にある頭に無意識のうちに手を伸ばしていた。思いのほか柔らかい茶色い髪にずっと触っていたくなる。
「……ん…だ、れ…?」
「ゔぅ…」
いつもの意地悪そう雰囲気はなく、無防備な感じの担任は心臓に悪いわぁ…
思わず手を引っ込めるとガシッと腕を掴まれ、そのまま担任の頭に持っていかれて……
「…もっと、なで、て?…」
え、だれ?これ絶対担任じゃない!なんっ……認めたくないけど、これは可愛いわ…
くそっ、なんか担任のことを可愛いなんて認めるのは悔しい…
「…はぁ、いいですよ。担任が良いのなら…」
「ん。」
朗らかに微笑んで、担任はまた夢の中へと飛び立ってしまった。
いや、だから反則っ!
何かされたわけでもないのに、自分の顔に熱が集まるのを感じる。
「はっ、顔あつ……って俺は当事者にはならねぇの!」
でも、しばらくこの熱は冷めない気がした…
「んん、あれ?俺寝て…?誰かいた気が…」
微かに残る頭にある温かさが何かは分からないが、何故か心がポカポカした裕翔だった。
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