【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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思い人

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結局昨日は何も聞けないまま準備室を後にした俺は部屋で一人勉強をするっていうね…

「栄人~今日部屋に来てよ~分からない所頑張ってまとめたから教えて?」

無駄にキラキラを散りばめて懇願する尊を断ることもできず、放課後尊と徹の部屋お邪魔する。

「徹、いきなりごめんな。失礼します。」

「大歓迎だ。何飲む?お菓子を持ってくるから適当に寛いでてくれ。」

「ありがとう。じゃあカフェオレお願い。」

「俺、紅茶のみたい!」

「お前は聞いてない。」

「ちぇ、聞いてくれたっていいじゃん…」

そうして始まった勉強会は今までで一番勉強会らしくなった気がする。

「俺ちょっと休憩―」

だるーんとした尊のその声に俺と徹も気が抜けて、雑談タイムが始まる。

「栄人~俺最近BLのことで興奮あんまりしなくなったんだよね…」

深刻な顔で何を言いだすかと思えば、至極どうでもいいことを話し始めた尊。言われてみれば最近、気持ち悪い変態的な行動を見てない気がする。
滅茶苦茶どうでもいいことに変わりはないけど。

「言われてみれば…なんか心境の変化とかあったのか?」

もう一度言うがどうでもいい内容だが、話始めたということは聞いてほしいってことだろうと思い、話の内容を深く掘り下げてやる。徹なんて白けて目で見た後スマホをいじりだしたしな。俺って優しいわぁ。

「…多分そうなんだと思う。もちろん未だに漫画も小説も読むけど、リアルではそういう機会が減ったんんだよな。確実に。」

減ったってことはあるにはあるんかい。

「そう。」

「そう。ってっ!理由聞いてくれないの?」

何度も言ってると思うけど、そんなに上目遣いをしても可愛くないしどうでもいいんだよ。

「あーその理由は?」

「その心は?みたいな聞き方!」

めんどくせー。え、俺が悪いのか?いや、こいつが面倒なだけだ、絶対。

「別に聞きたいと思わない。」

「あーあー、ごめんなさいごめんなさい。あのですね、私思い人が出来ましてですね…その日と思うと妄想もしてられないというか…」

「左様ですか。」

「左様です。その思い人は誰かとは聞いてくれたりは………しませんよね~はーい。」

その後も何事もなかったかのように勉強を続けた俺たちに、ぼやきながらも一緒に勉強をする尊。


謎の好きな人いる宣言をされて、1人で話し続けた尊をメンタルは称賛に価すると思う。ガラスのハートならぬプラスチックのハートだな。




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