【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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上の空

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「なんか最近栄人、ボーとしてる事増えたくない?」

「確かにな。何かあったんだろうか…」

そんなこと言われてるなんて知らない俺は窓の外を見ながら昨日の会長との出来事を思い出していた。
あれで良かったんだよな…

輝樹先輩にも返事をしないと。いつまでも有耶無耶にしててもだもんな。


今の俺にはテストのことを考える余地が頭に残っていない。前もって勉強してて良かったと改めて思う。

「今書いたところを訳してみてくれ。うーん、誰にしようか…それじゃあ栄人。前に」

「……………」

「栄人?栄人!栄人!!」

「っうわぁ!はいっ!」

そうだったそうだった。授業中だった、それも担任の国語の時間。いやはや、面目ねぇ。


前に出て、黒板に書かれた古文を訳していく。横からの視線を感じながら。

めっちゃ見てくるよこの人。担任にガン見されてるんだが…

そりゃ授業上の空だった俺が悪いけど、そんなに見つめてこなくてもよくない?

心の中で謝りつつも逆ギレする、器用な俺は訳し終わって席に戻る。

「正解だ。よく勉強しているみたいだな。だが、授業を上の空で聞くのはいただけない。放課後国語準備室へ来るように。」

「…はい。すみません。」

ですよね~見逃してくれるほど先生は優しくないよな…
でもでも、正解したんだから見逃してくれてもいいじゃんね。血も涙もない男だよ、先生は…なんちゃって。

その後も、担任からの妙な視線を感じながらもなんとか授業を終える。って言っても今はまだ午前中の授業だから放課後までまだまだなんだけど…

「栄人~やっちゃったな。最近ボーっとしてる事増えたけど、なんかあったんか?」

授業腑が終わって早々、尊と徹が俺の席までワラワラと集まってくる。

「いや、別に何も…何もないんだけどなー。なんかどうでもいいようなことを考えちまうと言うか、なんというか…」

「なんだよ、その煮え切らない感じ。でも、悩みとかあるなら話聞くからな?」

「そうだぞ、1人で悩まずに俺たち…いや俺に相談して。」

「なんでだよ、そこは俺たちでいいだろ。」

いつも通りな二人は見ていて安心する。

「あぁ、そうさえてもらう。ありがとう。」

「え、待って俺たちだよ?徹だけじゃないからね?俺だけ仲間外れはなしね?」





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