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第21話 母国での凶行と原作がまた追いかけてきた
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「エリアス陛下、至急の伝令がございました」
初夜を終えてから、どれくらいたったか分からないがエリアスと寝室で過ごしていると、ノックの後で扉が開いて壮年の男性が入って来た。
国王であるエリアスが働いていない状態で大丈夫なのだろうかと思っていたが、王国には右大臣、左大臣という有能な竜王の腹心がいることは知っていたので、話がついているのだろうと考えていた。
「……それは番いと愛し合う行為以上に大切なことか?」
普段、僕には敬語に笑顔で話すエリアスの表情が不機嫌なものに変わっていた。
その様子に、部屋を訪れた壮年の男性、たしか右大臣であるその人は全く動じる様子もなく慣れた様子で続けた。
「もちろんです。そうでなければ部屋を開けるわけございません」
「……そうだな。その話はここで聞いて問題ない話か?」
エリアスの問いかけに右大臣の目が初めて僕を捉えた。エリアスと同じ黄金の瞳だが、髪の色が深い青色をしており、同じ色のひげを顎に生やしている。前世の感覚だとイケオジのカテゴリーに入るタイプだなと考えていると右大臣は少し考えてから答えた。
「あまり良い話ではありませんが、王妃様にも関わる話ですのでこちらでお伝えできましたらと……」
「では、ここで話せ」
エリアスが先を促すと右大臣は『御意』と答えてから話し始めた。
「王妃様の故郷である帝国の大公夫人が何者かに襲撃されたとのことです」
右大臣の言葉に僕は、息をのんだ。大公夫人、つまり叔父上の最愛の人で僕の叔母にあたる方だ。確か出産時以降ずっと意識を失って目覚めないと聞いていたがなぜその人を襲ったのだろう。
「……なぜ叔母上が襲われて……ずっと意識不明のはずですが」
「大公夫人は、王妃様が嫁ぐために帝国を離れたのと同じ日に目を覚まされたそうです」
右大臣の言葉に驚きと同時に、結婚式に叔父上がいなかったことを思い出した。
(最愛の人が目を覚ましたから参加できなかったのだな……)
「なるほど、その大公夫人が襲撃を受けたことに何か問題があるのか?」
「……現場に血の付いた鱗が落ちていたそうで、帝国側から王国の関与が疑われており、近いうちに話し合いをしたいとの申し入れがありました」
右大臣の言葉を聞いた時、脳裏に原作小説の内容が浮かんだ。フェリックスが冷遇されはじめてからすぐに帝国と王国の関係が悪くなった。
その原因は、帝国の要人を王国が襲ったという話が発端だった。すぐに王国の関与は否定されたが、それにより帝国から嫁いだフェリックスへの王国民の風当たりが悪くなったことを思い出した。
流石に、番いとしてエリアスが尊重してくれているので冷遇はされないとしても、国民から悪感情を持たれるのは良いことではない。
(……初夜の後はもう王国に居ないつもりだったからその先の展開について全然考えていなかった。ただ、この事件に王国が関与していない事実の証明方法は覚えている)
誰が真犯人までかは知らないが、証明方法は簡単だったので、すぐに王国の関与を否定し大事にならなければ僕への悪感情も抱かれないはずだ。
「鱗ひとつでこちらを疑うなんて随分と短絡的だな。ダーリン、安心してください。こちらには大公夫人を襲う理由がありません。だから、ダーリンが不利益を被ることなんてありえない」
僕の様子を見て何かを感じたように、エリアスが優しく抱きしめて安心させようとしてくれている。
「エリアス……」
「ダーリン」
「ゴホン!まだ私もおりますよ。では早急に調査をいたします」
右大臣がそう答えて、部屋から出ようとしたので急いで叫んだ。
「鱗についている血と、大公夫人の指先を調べてください。そうすればこちらの関与は否定できます」
初夜を終えてから、どれくらいたったか分からないがエリアスと寝室で過ごしていると、ノックの後で扉が開いて壮年の男性が入って来た。
国王であるエリアスが働いていない状態で大丈夫なのだろうかと思っていたが、王国には右大臣、左大臣という有能な竜王の腹心がいることは知っていたので、話がついているのだろうと考えていた。
「……それは番いと愛し合う行為以上に大切なことか?」
普段、僕には敬語に笑顔で話すエリアスの表情が不機嫌なものに変わっていた。
その様子に、部屋を訪れた壮年の男性、たしか右大臣であるその人は全く動じる様子もなく慣れた様子で続けた。
「もちろんです。そうでなければ部屋を開けるわけございません」
「……そうだな。その話はここで聞いて問題ない話か?」
エリアスの問いかけに右大臣の目が初めて僕を捉えた。エリアスと同じ黄金の瞳だが、髪の色が深い青色をしており、同じ色のひげを顎に生やしている。前世の感覚だとイケオジのカテゴリーに入るタイプだなと考えていると右大臣は少し考えてから答えた。
「あまり良い話ではありませんが、王妃様にも関わる話ですのでこちらでお伝えできましたらと……」
「では、ここで話せ」
エリアスが先を促すと右大臣は『御意』と答えてから話し始めた。
「王妃様の故郷である帝国の大公夫人が何者かに襲撃されたとのことです」
右大臣の言葉に僕は、息をのんだ。大公夫人、つまり叔父上の最愛の人で僕の叔母にあたる方だ。確か出産時以降ずっと意識を失って目覚めないと聞いていたがなぜその人を襲ったのだろう。
「……なぜ叔母上が襲われて……ずっと意識不明のはずですが」
「大公夫人は、王妃様が嫁ぐために帝国を離れたのと同じ日に目を覚まされたそうです」
右大臣の言葉に驚きと同時に、結婚式に叔父上がいなかったことを思い出した。
(最愛の人が目を覚ましたから参加できなかったのだな……)
「なるほど、その大公夫人が襲撃を受けたことに何か問題があるのか?」
「……現場に血の付いた鱗が落ちていたそうで、帝国側から王国の関与が疑われており、近いうちに話し合いをしたいとの申し入れがありました」
右大臣の言葉を聞いた時、脳裏に原作小説の内容が浮かんだ。フェリックスが冷遇されはじめてからすぐに帝国と王国の関係が悪くなった。
その原因は、帝国の要人を王国が襲ったという話が発端だった。すぐに王国の関与は否定されたが、それにより帝国から嫁いだフェリックスへの王国民の風当たりが悪くなったことを思い出した。
流石に、番いとしてエリアスが尊重してくれているので冷遇はされないとしても、国民から悪感情を持たれるのは良いことではない。
(……初夜の後はもう王国に居ないつもりだったからその先の展開について全然考えていなかった。ただ、この事件に王国が関与していない事実の証明方法は覚えている)
誰が真犯人までかは知らないが、証明方法は簡単だったので、すぐに王国の関与を否定し大事にならなければ僕への悪感情も抱かれないはずだ。
「鱗ひとつでこちらを疑うなんて随分と短絡的だな。ダーリン、安心してください。こちらには大公夫人を襲う理由がありません。だから、ダーリンが不利益を被ることなんてありえない」
僕の様子を見て何かを感じたように、エリアスが優しく抱きしめて安心させようとしてくれている。
「エリアス……」
「ダーリン」
「ゴホン!まだ私もおりますよ。では早急に調査をいたします」
右大臣がそう答えて、部屋から出ようとしたので急いで叫んだ。
「鱗についている血と、大公夫人の指先を調べてください。そうすればこちらの関与は否定できます」
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