初夜に「お前を愛するつもりはない」と言われて冷遇されるはずが、狂愛されています。タスケテ

ひよこ麺

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第31話 帝国側の思惑とある男の呟き(???視点)

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帝国側が物資や出入国を止めた話しは初耳で驚いていた。

翻訳版には出てこない話だが、原作版であるエピソードなのかもしれない。

ディアスの話に違和感はないが、帝国側が出入国や物資を止めたら王国が困るのではと思った。

その考えを見透かしたようにエリアスが笑って答えた。

「ダーリン、王国はこの大陸以外の国とも付き合いが深いのです。特に海の果ての竜神大国とは親戚の様な関係ですから帝国からそれらを止められても困ることはありません。むしろ帝国側の方が長期間その状況が続いたら困るでしょうね」

堂々としたその態度に、普段のエリアスのおかしさで忘れがちだが実際エリアスはとても優れた国王であることを思い出した。

僕への異常な執着と嫉妬深さの印象が強すぎて忘れていたが……。

「それでも、帝国側がそれをするのは王国側になんとしても罪を擦りたい思惑があるか……番いちゃんが狙いじゃないかな?」

「僕ですか?」

ディアスの言葉に、そう言ってから、真っ先に皇后の顔が浮かんだ。

他国に嫁いだ僕に悪評を擦り不幸にしたかったのではと思ったのだ。

しかし、何か腑に落ちなかった。

皇后は長年フェリックスを虐待していたが、懐の中の人間は大切にするタイプだ。

大公夫人と皇后が親しい間柄だったことは叔父上から聞いていたので、彼を犠牲にしてまで僕の悪評を作るくらいなら、もっと別の方法を考える気がする。

「そう。番いちゃんが悪い噂を流されることで王国の人間の心象を悪くしたらなにが起きると思う?」

「……僕への反感からエリアス、国王との離縁を望む人が増えるかと……」

離縁と言った瞬間、隣のエリアスに肩を抱き寄せられた。

「ダーリン、私は絶対ダーリンを離しません。せっかく捕まえた番いを離すなんて馬鹿なことはあり得ません」

「エリアス、真面目な話し中は黙っててくんねぇかな?そう、離縁された番いちゃんは、帝国に帰ることになる。そうした場合、得するのはだーれだ」

ディアスの言葉に、僕が帰国して得をする人間が誰かを考えた時、ひとりだけはっきりと顔が浮かんだ。

「……皇帝陛下?」

「正解です。俺も聞いた話でしかないけど、番いちゃんの父親、皇帝は番いちゃんを王国に嫁がせる気がなかったんでしょう?つまり番いちゃんを取り戻そうとしてるのかもね」

ディアスの言葉に、嫁ぐ際に『苦しくなったら必ず帰ってきなさい』と言われたことを思い出した。

ソレが事実なら、僕は一度、皇帝陛下と、父と話さねばと思った。

だいたい知りたいことを確認できたため、その後は、他愛もない話をしてディアスの執務室を後にした。

この時の僕は、これから起きる事件と入り組んだ悪意を知ることはなかった。

*****

「あーあ、嘘ついちゃった。でものためには仕方ない。これでなんとかなればいいけど、ルールさえなければ、もっとうまくいくのに……」

ふたりが去った執務室で俺はひとり呟いた。
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