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第44話 神との対話と目標
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「今なら、皇帝は僕が真実を知らないと思っているはずです。だから、あえて罠にハマったフリをして真実を全て聞き出せないでしょうか?」
僕の言葉に明らかにエリアスの表情が曇るのが分かった。
「それは危険すぎます。なぜ前回、ダーリンが巣から攫われたのかが分からないのです」
エリアスの言葉に、僕を元の世界に連れ去った黒い手を思い出した。アレは一体なんだったのだろう。
(……小野崎と関係していることは間違いないけど)
そう考えた時、頭が痛くなってきた。そして、久しぶりに声が聞こえた。
『フェリックスたん』
声の主が誰かは分からないし、夢でない場所ではっきり声を聞いたこともあり驚いてはいるが、きっと今ある疑問の答えは彼しか知り得ないと第六感が告げていた。
「あなたは、その理由を知っていますね?」
僕の問いに声の主が頷いた気がした。
「教えてください。時間があまりないのです」
『そうでござるな、ディアスにあれだけ頑張ってもらったのに、拙者だけ逃げるわけには行かない。話そう、全てを……』
声が告げた瞬間、眠気に襲われるが、気づけばら一面が美しい花に囲まれた場所に立っており、そこにメガネを掛けた白人の男性が立っていたのだがなんだか見覚えがあった。
『拙者の名前は、エドワード。この世界の原作を書いた作者でござる』
「作者……なるほど、つまりあなたがこの世界を作ったと……」
僕の言葉にエドワードは頷いた。作者写真で見たそのままの男は優しく微笑みながら話し始めた。
『拙者は自身が生み出した登場人物のフェリックスたんに、エリアスに幸せになって欲しくて、ふたりを幸せにする物語を書いた。そして、その物語は多くの人の目に触れ読まれた。その結果、国を超えて翻訳までされた』
「……小野崎が、あなたの物語を翻訳したのですね。しかし、小野崎は主人公を自分に変えてエリアスと幸せになろうとした」
『そう。しかし、うまくいかなかった。拙者、実は30歳童貞だったせいか魔法を身につけていたらしく記した物語が意志を持ってしまっていたでござるよ。だから小野崎はフェリックスたんになれなかった』
エドワードの言葉に、僕はずっと腑に落ちなかったことを理解した。
小野崎は主人公になり変わって幸せにならなかったのではなく、なれなかったのだ。
小野崎が主人公になり変わった世界、僕がいない世界ではエリアスは、番いがおらず今のエリアスにはならなかった。
さらに、これは予想だが、今の僕であるフェリックスと小野崎が加えたエリックは名前だけでなく別人としてこの世界は認識していた。だから、立場を乗っ取れなかったのではないか。
『フェリックスたんはさすが賢いでござる。想像通り、小野崎は最初、フェリックスを出来心から自身の名前であるエリックに変えて翻訳し、主人公になり変わろうとしたが、フェリックスが消えてあくまで新しいキャラクターのエリックが主人公である世界として生成されてしまい、その結果、あの悲惨な翻訳版が生まれた』
フェリックスではなく、エリックという別人が主人公の世界、それが翻訳版だったのだ。
『拙者は翻訳版の世界を元に戻すために、協力者ディアスと描き直したが、小野崎の妨害にあっている。翻訳版は小野崎が記していたので、この世界を作った拙者とて優勢には立ち回れない。
それゆえに小野崎が儲けた禁言やルールに縛られて助言が難しかったでござるが、ディアスが最後の力でそれを緩和してくれたため、今やっと多くを話せている』
その言葉に目頭が熱くなる。実感はないが未来で授かる僕らの息子が魂を賭けて今を作ってくれたのだ。
『小野崎、この世界ではエリックはなんらかの現実世界から持ち込んだ道具でこの世界の理を曲げている。フェリックスたん、時間がない。どうかその道具を見つけ出して破壊して欲しい……そうすれば……』
花畑の情景が消えていく。しかし、確かに僕はどうすべきかを理解した。
僕の言葉に明らかにエリアスの表情が曇るのが分かった。
「それは危険すぎます。なぜ前回、ダーリンが巣から攫われたのかが分からないのです」
エリアスの言葉に、僕を元の世界に連れ去った黒い手を思い出した。アレは一体なんだったのだろう。
(……小野崎と関係していることは間違いないけど)
そう考えた時、頭が痛くなってきた。そして、久しぶりに声が聞こえた。
『フェリックスたん』
声の主が誰かは分からないし、夢でない場所ではっきり声を聞いたこともあり驚いてはいるが、きっと今ある疑問の答えは彼しか知り得ないと第六感が告げていた。
「あなたは、その理由を知っていますね?」
僕の問いに声の主が頷いた気がした。
「教えてください。時間があまりないのです」
『そうでござるな、ディアスにあれだけ頑張ってもらったのに、拙者だけ逃げるわけには行かない。話そう、全てを……』
声が告げた瞬間、眠気に襲われるが、気づけばら一面が美しい花に囲まれた場所に立っており、そこにメガネを掛けた白人の男性が立っていたのだがなんだか見覚えがあった。
『拙者の名前は、エドワード。この世界の原作を書いた作者でござる』
「作者……なるほど、つまりあなたがこの世界を作ったと……」
僕の言葉にエドワードは頷いた。作者写真で見たそのままの男は優しく微笑みながら話し始めた。
『拙者は自身が生み出した登場人物のフェリックスたんに、エリアスに幸せになって欲しくて、ふたりを幸せにする物語を書いた。そして、その物語は多くの人の目に触れ読まれた。その結果、国を超えて翻訳までされた』
「……小野崎が、あなたの物語を翻訳したのですね。しかし、小野崎は主人公を自分に変えてエリアスと幸せになろうとした」
『そう。しかし、うまくいかなかった。拙者、実は30歳童貞だったせいか魔法を身につけていたらしく記した物語が意志を持ってしまっていたでござるよ。だから小野崎はフェリックスたんになれなかった』
エドワードの言葉に、僕はずっと腑に落ちなかったことを理解した。
小野崎は主人公になり変わって幸せにならなかったのではなく、なれなかったのだ。
小野崎が主人公になり変わった世界、僕がいない世界ではエリアスは、番いがおらず今のエリアスにはならなかった。
さらに、これは予想だが、今の僕であるフェリックスと小野崎が加えたエリックは名前だけでなく別人としてこの世界は認識していた。だから、立場を乗っ取れなかったのではないか。
『フェリックスたんはさすが賢いでござる。想像通り、小野崎は最初、フェリックスを出来心から自身の名前であるエリックに変えて翻訳し、主人公になり変わろうとしたが、フェリックスが消えてあくまで新しいキャラクターのエリックが主人公である世界として生成されてしまい、その結果、あの悲惨な翻訳版が生まれた』
フェリックスではなく、エリックという別人が主人公の世界、それが翻訳版だったのだ。
『拙者は翻訳版の世界を元に戻すために、協力者ディアスと描き直したが、小野崎の妨害にあっている。翻訳版は小野崎が記していたので、この世界を作った拙者とて優勢には立ち回れない。
それゆえに小野崎が儲けた禁言やルールに縛られて助言が難しかったでござるが、ディアスが最後の力でそれを緩和してくれたため、今やっと多くを話せている』
その言葉に目頭が熱くなる。実感はないが未来で授かる僕らの息子が魂を賭けて今を作ってくれたのだ。
『小野崎、この世界ではエリックはなんらかの現実世界から持ち込んだ道具でこの世界の理を曲げている。フェリックスたん、時間がない。どうかその道具を見つけ出して破壊して欲しい……そうすれば……』
花畑の情景が消えていく。しかし、確かに僕はどうすべきかを理解した。
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