初夜に「お前を愛するつもりはない」と言われて冷遇されるはずが、狂愛されています。タスケテ

ひよこ麺

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第47話 恐怖の時間

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エリアスが僕に変身してくれたことで、直接、皇帝陛下と話さないことになったが、話の内容が気になって仕方がない。

後で、全て教えてくれるとエリアスは言っていたが本当に気になって仕方がない。

僕は、王国のために準備された貴賓室でエリアスを待っていた。

エリアスが警戒して部屋には厳重に魔法をかけて中からしか開かないようにしてくれていたが、エリックの今までの出方を考えると不安だった。

「私が帰るまでは、誰から何を言われても、絶対に開けてはいけませんよ」

と念押しもされている。

さらに、外には普段から仕えているマルクスや騎士を配置してくれたので何かあれば彼らも力になってくれるはずだ。

短時間で戻るつもりだからとエリアスが言っていたこともあり、あまり心配していないが、なぜか変な胸騒ぎがしていた。

エリアスが話に行ってから30分くらいが経過した時、外から声が掛かった。

「もうすぐ、エリアス陛下が戻られるそうで先にお茶と軽食をお持ちいたしました」

マルクスの声だった。

いつもならあっさり開けるが、今はエリアスとの約束がある。

「ごめん、エリアスとの約束があるから、エリアスが帰るまでは開けられないんだ」

僕の言葉に、残念そうだがマルクスは「承知しました」と引き下がってくれた。

それからも、普段では考えられないくらい外から開けて欲しいと色んな人に言われ続けて、僕はいよいよ明らかに部屋に入り込もうとしている存在に気づいた。

(‥…小野崎、この世界ではエリックの仕業か?だとしたらあいつは異物で近くにいる人間を操れるのかな?)

最初に声を掛けてきたのはマルクス。あれがマルクスの意思か否かは後で聞くとして、次に右大臣、さらに左大臣、あまつさぇ皇后まで僕を出そうとした。

そこまで、考えて彼らには共通点があることに気づいた。

(みんな役割のある登場人物だ……)

考えがまとまりそうになった時、再び外から声が掛かった。

「ダーリン、話し合いが終わり戻ったよ、開けて」

エリアスの声がして、安心してすぐに扉を開けようとしたが、なぜか急に頭の中に警笛が鳴る。

違和感があるのだ。

「本当に、エリアス?」

僕が問い返すと、すぐに返事が返ってきた。

「もちろんだよ、ダーリン。だから開けておくれ、早くダーリンを抱きしめたい」

この声の主は本当にエリアスなのだろうか。
少し考えて答えた。

「エリアスなら、自分で開けられるんじゃない?」

「その魔法は特殊だから無理なんだ。ダーリン、お願い……」

「……開けない。だってお前はエリアスじゃない」

僕の言葉に、さらに外の声が甘い言葉を囁く。

「ダーリン、なぜそんな酷いことをいうの?私はダーリンの番いだよ」

エリアスのふりをこれ以上されるのが不快だったので僕は冷静に告げた。

「エリアスは僕には敬語で話すんだ。そんな風に話したりしない。それに、自分で掛けた魔法を解けないはずがない」

僕の言葉に、しばしの沈黙が訪れた。

(居なくなったか?)

ドン!

しかし、突然、扉が強く叩かれた。

「開けろ、開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろクソアケロアケロアケロ!!」

だんだん、声が機械のように変質して片言になる。

僕はエリアスの魔法を信じて大人しくしているしかなかった。

(……エリアス早く来て)

扉を破られそうな恐怖に耐えながら、僕はエリアスを待った。

どれほど時間が経ったかわからないが、誰かが走ってくる音がして扉があっさり開いた。

「ダーリン!!」

そこには、エリアスが居て僕はあまりの恐怖からその胸にしがみついた。
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