47 / 65
第47話 恐怖の時間
しおりを挟む
エリアスが僕に変身してくれたことで、直接、皇帝陛下と話さないことになったが、話の内容が気になって仕方がない。
後で、全て教えてくれるとエリアスは言っていたが本当に気になって仕方がない。
僕は、王国のために準備された貴賓室でエリアスを待っていた。
エリアスが警戒して部屋には厳重に魔法をかけて中からしか開かないようにしてくれていたが、エリックの今までの出方を考えると不安だった。
「私が帰るまでは、誰から何を言われても、絶対に開けてはいけませんよ」
と念押しもされている。
さらに、外には普段から仕えているマルクスや騎士を配置してくれたので何かあれば彼らも力になってくれるはずだ。
短時間で戻るつもりだからとエリアスが言っていたこともあり、あまり心配していないが、なぜか変な胸騒ぎがしていた。
エリアスが話に行ってから30分くらいが経過した時、外から声が掛かった。
「もうすぐ、エリアス陛下が戻られるそうで先にお茶と軽食をお持ちいたしました」
マルクスの声だった。
いつもならあっさり開けるが、今はエリアスとの約束がある。
「ごめん、エリアスとの約束があるから、エリアスが帰るまでは開けられないんだ」
僕の言葉に、残念そうだがマルクスは「承知しました」と引き下がってくれた。
それからも、普段では考えられないくらい外から開けて欲しいと色んな人に言われ続けて、僕はいよいよ明らかに部屋に入り込もうとしている存在に気づいた。
(‥…小野崎、この世界ではエリックの仕業か?だとしたらあいつは異物で近くにいる人間を操れるのかな?)
最初に声を掛けてきたのはマルクス。あれがマルクスの意思か否かは後で聞くとして、次に右大臣、さらに左大臣、あまつさぇ皇后まで僕を出そうとした。
そこまで、考えて彼らには共通点があることに気づいた。
(みんな役割のある登場人物だ……)
考えがまとまりそうになった時、再び外から声が掛かった。
「ダーリン、話し合いが終わり戻ったよ、開けて」
エリアスの声がして、安心してすぐに扉を開けようとしたが、なぜか急に頭の中に警笛が鳴る。
違和感があるのだ。
「本当に、エリアス?」
僕が問い返すと、すぐに返事が返ってきた。
「もちろんだよ、ダーリン。だから開けておくれ、早くダーリンを抱きしめたい」
この声の主は本当にエリアスなのだろうか。
少し考えて答えた。
「エリアスなら、自分で開けられるんじゃない?」
「その魔法は特殊だから無理なんだ。ダーリン、お願い……」
「……開けない。だってお前はエリアスじゃない」
僕の言葉に、さらに外の声が甘い言葉を囁く。
「ダーリン、なぜそんな酷いことをいうの?私はダーリンの番いだよ」
エリアスのふりをこれ以上されるのが不快だったので僕は冷静に告げた。
「エリアスは僕には敬語で話すんだ。そんな風に話したりしない。それに、自分で掛けた魔法を解けないはずがない」
僕の言葉に、しばしの沈黙が訪れた。
(居なくなったか?)
ドン!
しかし、突然、扉が強く叩かれた。
「開けろ、開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろクソアケロアケロアケロ!!」
だんだん、声が機械のように変質して片言になる。
僕はエリアスの魔法を信じて大人しくしているしかなかった。
(……エリアス早く来て)
扉を破られそうな恐怖に耐えながら、僕はエリアスを待った。
どれほど時間が経ったかわからないが、誰かが走ってくる音がして扉があっさり開いた。
「ダーリン!!」
そこには、エリアスが居て僕はあまりの恐怖からその胸にしがみついた。
後で、全て教えてくれるとエリアスは言っていたが本当に気になって仕方がない。
僕は、王国のために準備された貴賓室でエリアスを待っていた。
エリアスが警戒して部屋には厳重に魔法をかけて中からしか開かないようにしてくれていたが、エリックの今までの出方を考えると不安だった。
「私が帰るまでは、誰から何を言われても、絶対に開けてはいけませんよ」
と念押しもされている。
さらに、外には普段から仕えているマルクスや騎士を配置してくれたので何かあれば彼らも力になってくれるはずだ。
短時間で戻るつもりだからとエリアスが言っていたこともあり、あまり心配していないが、なぜか変な胸騒ぎがしていた。
エリアスが話に行ってから30分くらいが経過した時、外から声が掛かった。
「もうすぐ、エリアス陛下が戻られるそうで先にお茶と軽食をお持ちいたしました」
マルクスの声だった。
いつもならあっさり開けるが、今はエリアスとの約束がある。
「ごめん、エリアスとの約束があるから、エリアスが帰るまでは開けられないんだ」
僕の言葉に、残念そうだがマルクスは「承知しました」と引き下がってくれた。
それからも、普段では考えられないくらい外から開けて欲しいと色んな人に言われ続けて、僕はいよいよ明らかに部屋に入り込もうとしている存在に気づいた。
(‥…小野崎、この世界ではエリックの仕業か?だとしたらあいつは異物で近くにいる人間を操れるのかな?)
最初に声を掛けてきたのはマルクス。あれがマルクスの意思か否かは後で聞くとして、次に右大臣、さらに左大臣、あまつさぇ皇后まで僕を出そうとした。
そこまで、考えて彼らには共通点があることに気づいた。
(みんな役割のある登場人物だ……)
考えがまとまりそうになった時、再び外から声が掛かった。
「ダーリン、話し合いが終わり戻ったよ、開けて」
エリアスの声がして、安心してすぐに扉を開けようとしたが、なぜか急に頭の中に警笛が鳴る。
違和感があるのだ。
「本当に、エリアス?」
僕が問い返すと、すぐに返事が返ってきた。
「もちろんだよ、ダーリン。だから開けておくれ、早くダーリンを抱きしめたい」
この声の主は本当にエリアスなのだろうか。
少し考えて答えた。
「エリアスなら、自分で開けられるんじゃない?」
「その魔法は特殊だから無理なんだ。ダーリン、お願い……」
「……開けない。だってお前はエリアスじゃない」
僕の言葉に、さらに外の声が甘い言葉を囁く。
「ダーリン、なぜそんな酷いことをいうの?私はダーリンの番いだよ」
エリアスのふりをこれ以上されるのが不快だったので僕は冷静に告げた。
「エリアスは僕には敬語で話すんだ。そんな風に話したりしない。それに、自分で掛けた魔法を解けないはずがない」
僕の言葉に、しばしの沈黙が訪れた。
(居なくなったか?)
ドン!
しかし、突然、扉が強く叩かれた。
「開けろ、開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろクソアケロアケロアケロ!!」
だんだん、声が機械のように変質して片言になる。
僕はエリアスの魔法を信じて大人しくしているしかなかった。
(……エリアス早く来て)
扉を破られそうな恐怖に耐えながら、僕はエリアスを待った。
どれほど時間が経ったかわからないが、誰かが走ってくる音がして扉があっさり開いた。
「ダーリン!!」
そこには、エリアスが居て僕はあまりの恐怖からその胸にしがみついた。
685
あなたにおすすめの小説
婚約破棄を提案したら優しかった婚約者に手篭めにされました
多崎リクト
BL
ケイは物心着く前からユキと婚約していたが、優しくて綺麗で人気者のユキと平凡な自分では釣り合わないのではないかとずっと考えていた。
ついに婚約破棄を申し出たところ、ユキに手篭めにされてしまう。
ケイはまだ、ユキがどれだけ自分に執着しているのか知らなかった。
攻め
ユキ(23)
会社員。綺麗で性格も良くて完璧だと崇められていた人。ファンクラブも存在するらしい。
受け
ケイ(18)
高校生。平凡でユキと自分は釣り合わないとずっと気にしていた。ユキのことが大好き。
pixiv、ムーンライトノベルズにも掲載中
遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。
月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」
幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。
「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」
何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。
「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」
そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。
僕、殿下に嫌われちゃったの?
実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。
帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。
志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。
美形×平凡。
乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。
崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。
転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。
そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。
え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された
あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると…
「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」
気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
初めましてです。お手柔らかにお願いします。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しております
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる