初夜に「お前を愛するつもりはない」と言われて冷遇されるはずが、狂愛されています。タスケテ

ひよこ麺

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第60話 突然の悪夢

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「皇后、いえ、の言葉は本当だったようですね」

「エリアスは何か知っているのですか?」

全てを知っているようなエリアスの言葉に少しイラッとして返すが、エリアスは甘い笑みを浮かべたまま特に何も言わないのでわざとらしく頬を膨らませた。

「ダーリン可愛い。ああ、そんな顔をされたら愛おしすぎて、すぐにでも全てが欲しくなります」

そう言って、後ろから抱きしめた挙句に膝の上に座らされたが、まだ、機嫌はなおっていない僕にエリアスが耳元で囁いた。

「まだ、話せないことがありますが全てが終わったらちゃんとお話ししますので、そんなに可愛くむくれないでください。理性がもたなくなる……」

エリアスの言葉に驚いて振り返ると、獣欲を秘めた物騒な眼差しと目があった。

この間までは、その眼差しに恐怖心もあったが、今はそれ以上に愛おしさを感じた。

「……エリアス」

「ダーリン」

視線が絡み合って、そのまま唇が重なろうとした時、大きな咳払いが聞こえた。

「エリアス陛下、ここが執務室だと忘れないでください」

右大臣に注意されて、うっかりふたりの世界に自分も入ってしまったことを反省した。

「仕方ない、ダーリン。この先は後で……」

そうエリアスが口にした瞬間、それは起こった。

真っ黒な何かがエリアスの体を包み込んだのだ。

「エリアス?」

「……これは、なぜ?」

そして、そのまま一瞬、体を覆いつくしたように見えたが光により消えた。

「エリアス、今のは……、エリアス!?」

エリアスは眠っていた。あまりのことに驚きながらもその肩を揺らすが全く動かない。

僕の様子がおかしいことに気づいた右大臣も近づいてエリアスの異常に気づいた。

「……主治医を呼べ」

それから、皇宮は慌ただしくなった。なぜならエリアスが謎の眠りについて目覚めなくなったからだ。

僕もあまりのことに動転していた。

今まではエリアスが居たから解決していたことも多い中で、そのエリアスが倒れてしまったのだ。

「エリアス、どうして……」

全く動かないエリアスの手を握りながら考える。どうすればエリアスを救えるのだろうと、しかし、全くその答えがわからない。

ふたりの寝室のベッドにエリアスだけが眠る姿は違和感で涙が溢れた。

「僕はどうすればエリアスを救えるの?」

そう口にした瞬間、僕はエリアスの体にそれを見つけた。

真っ黒く太い糸。

異物だった。その瞬間にエリアスが異物を見つけ次第排除していたことと、自身に巻き付いているそれは排除できなかったことを思い出した。

「まさか、でもエリックは捕えられたはずで……」

そこまで考えて嫌な予感がした僕は叫んだ。

「至急、帝国にエリックが今どうしているか確認して下さい」
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