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第62話 もうひとつの声02(エリック視点)
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きっと、引き際を間違えたのだろう。
冷遇を改善したこともあり、それから3年を王妃として過ごしたが、エリアスが僕を愛することはなかった。
基本的に、正しい助言をしてくれた声だけれどエリアスと結ばれる方法だけは教えてはくれなかった。
氷の様に冷たいその銀色の瞳に僕はうつらない。
そして、それが永遠に続くのだと確信した時にはすでに僕は戻れないところに来てしまっていた。だから、耐えきれずに……。
ーエリアスを殺して、自分も自殺した。
心中だった。事切れる最期の瞬間に見たエリアスの表情は笑っていた。まるで悪夢から解放された人の様に穏やかで、それが許せなかった。
次に気づいた時、僕は母の胎内にいた。どうやら生まれる前に戻ったらしい。
不思議なことに胎内から外の様子がわかり、僕は自身が生まれる少し前に生まれ変わったことを知った。
そして、フェリックスの存在、僕の記憶のある世界には居なかった僕の従兄弟にあたる存在がなぜか増えたことを知った。
(……なぜ、増えたんだ?)
疑問に思った時に、声がした。
声はフェリックスと僕が入れ替わるように指示をした。
しかし、胎児には何も出来ないはずだったが、不思議とそこからでもあの黒いものを操れて、声の指示に従うために父上を操った。
僕とフェリックスを入れ替えて何が起きるのかば最初わからなかったが、それにより僕はあの恐ろしい皇后の魔の手に触れないですんだ。
そして、育ての親の大公も、もちろん秘密を知る父上も僕を可愛がってくれたし、あの皇后すら母の子として僕を大切に扱った。
それに引き換え、本来、僕のポジションで幸せになるはずだったフェリックスは以前の僕、いやそれ以上に不幸だった。
常に皇后に嫌がらせをされて、けれど僕と違い入れ替えた子だと知っている父上はフェリックスを放置した。
いつも、ボロボロで傷だらけのフェリックスはみんなから腫れ物扱いされていた。
それがなぜか愉快でたまらなかった。
このまま、フェリックスはずっと不幸だって思っていた。
しかし、それはエリアスとの婚約により変わってしまった。
僕が受けるはずが、大公に阻まれてフェリックスが嫁いでしまったのだ。
それでも、僕同様にフェリックスが不幸になればよかったのに、フェリックスはよりにもよってエリアスに愛されてしまった。
僕がどんなに愛しても向けられることの無かった愛を、フェリックスは受けている。
初夜も拒絶どころか熱烈に愛されて幸福に暮らしていると知った時激しい嫉妬の気持ちが湧いた。
すると、声が言った。
「フェリックスの幸せを壊してしまおう」
それからは声に導かれるままに、目覚めた大公夫人を口封じのために刺して、偽装用の鱗を置いて逃げたり、父上にエリアスに嫁ぎたいからフェリックスの失脚させるのを手伝ってほしいとお願いしたりした。
すべてはうまくいくはずだった。
しかし、なぜか父上が戻ってくるなり僕は大公夫人暗殺未遂の容疑者として拘束された。
声の通りにしたのでバレないはずがなぜか分からない。
捕えられた檻の中で呆然としていると声がした。
「あーあ、捕まってしまったね」
「君の言う通りにしたのにこの様だよ。どうしてくれるの?」
苛立ちをぶつけた僕に声が急に高笑いをした、あまりの変貌に驚くがそのまま信じられない言葉が続いた。
「君はこのまま牢獄で一生を終えるだろう。けれど、エリアスはフェリックスと結ばれて幸せになるよ」
「……いやだ、エリアスは僕のだ」
フェリックスなんかに渡したくない。すると声はさらに愉快そうに笑ってから告げた。
「ひとつだけふたりの幸せを妨害する方法があるよ」
もはや失うものがない僕の答えは決まっていた。
「方法を教えて」
「もちろん、その方法は……」
冷遇を改善したこともあり、それから3年を王妃として過ごしたが、エリアスが僕を愛することはなかった。
基本的に、正しい助言をしてくれた声だけれどエリアスと結ばれる方法だけは教えてはくれなかった。
氷の様に冷たいその銀色の瞳に僕はうつらない。
そして、それが永遠に続くのだと確信した時にはすでに僕は戻れないところに来てしまっていた。だから、耐えきれずに……。
ーエリアスを殺して、自分も自殺した。
心中だった。事切れる最期の瞬間に見たエリアスの表情は笑っていた。まるで悪夢から解放された人の様に穏やかで、それが許せなかった。
次に気づいた時、僕は母の胎内にいた。どうやら生まれる前に戻ったらしい。
不思議なことに胎内から外の様子がわかり、僕は自身が生まれる少し前に生まれ変わったことを知った。
そして、フェリックスの存在、僕の記憶のある世界には居なかった僕の従兄弟にあたる存在がなぜか増えたことを知った。
(……なぜ、増えたんだ?)
疑問に思った時に、声がした。
声はフェリックスと僕が入れ替わるように指示をした。
しかし、胎児には何も出来ないはずだったが、不思議とそこからでもあの黒いものを操れて、声の指示に従うために父上を操った。
僕とフェリックスを入れ替えて何が起きるのかば最初わからなかったが、それにより僕はあの恐ろしい皇后の魔の手に触れないですんだ。
そして、育ての親の大公も、もちろん秘密を知る父上も僕を可愛がってくれたし、あの皇后すら母の子として僕を大切に扱った。
それに引き換え、本来、僕のポジションで幸せになるはずだったフェリックスは以前の僕、いやそれ以上に不幸だった。
常に皇后に嫌がらせをされて、けれど僕と違い入れ替えた子だと知っている父上はフェリックスを放置した。
いつも、ボロボロで傷だらけのフェリックスはみんなから腫れ物扱いされていた。
それがなぜか愉快でたまらなかった。
このまま、フェリックスはずっと不幸だって思っていた。
しかし、それはエリアスとの婚約により変わってしまった。
僕が受けるはずが、大公に阻まれてフェリックスが嫁いでしまったのだ。
それでも、僕同様にフェリックスが不幸になればよかったのに、フェリックスはよりにもよってエリアスに愛されてしまった。
僕がどんなに愛しても向けられることの無かった愛を、フェリックスは受けている。
初夜も拒絶どころか熱烈に愛されて幸福に暮らしていると知った時激しい嫉妬の気持ちが湧いた。
すると、声が言った。
「フェリックスの幸せを壊してしまおう」
それからは声に導かれるままに、目覚めた大公夫人を口封じのために刺して、偽装用の鱗を置いて逃げたり、父上にエリアスに嫁ぎたいからフェリックスの失脚させるのを手伝ってほしいとお願いしたりした。
すべてはうまくいくはずだった。
しかし、なぜか父上が戻ってくるなり僕は大公夫人暗殺未遂の容疑者として拘束された。
声の通りにしたのでバレないはずがなぜか分からない。
捕えられた檻の中で呆然としていると声がした。
「あーあ、捕まってしまったね」
「君の言う通りにしたのにこの様だよ。どうしてくれるの?」
苛立ちをぶつけた僕に声が急に高笑いをした、あまりの変貌に驚くがそのまま信じられない言葉が続いた。
「君はこのまま牢獄で一生を終えるだろう。けれど、エリアスはフェリックスと結ばれて幸せになるよ」
「……いやだ、エリアスは僕のだ」
フェリックスなんかに渡したくない。すると声はさらに愉快そうに笑ってから告げた。
「ひとつだけふたりの幸せを妨害する方法があるよ」
もはや失うものがない僕の答えは決まっていた。
「方法を教えて」
「もちろん、その方法は……」
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