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高等部二年生
036
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「それにしても話をしていただけの割には、長いこと部屋に戻ってこなかったね?」
「何が言いたい?」
しかもぼくが自分の考えをまとめている間に、話題が核心に迫ってる!?
「話だけで終わらなかったんじゃないの? だから全然部屋に戻ってくる気配がなかった」
暗に、ぼくを慰める時間はたっぷりあったと眞宙くんは言いたいんだろうか。
うう、その節はお世話になりました!
ビックリな提案もされたけど、待ってくれると言う眞宙くんの優しさに、心を打たれたのも事実だった。
いくら次男と言えども、佐倉家の子息が孫を望まれないわけがないのにね。
……だからこそ、ぼくは甘えてばかりじゃダメなんだ。
「お前が何を想像してるのかは知らんが、言うべきことは何もない」
「そう……はぐらかすんだ?」
あくまで怜くんは話をしていただけだと言う。
そりゃいくら友人に対してでも、エッチなことをしてましたとは言えないよね……。
怜くんの返答を聞いた眞宙くんは、チラッとぼくに視線を送った。
「待て、お前ら、何を知っている!?」
明らかに動揺する怜くんに、ぼくは受け入れるしかないことを悟った。
ちゃんとBLゲーム「ぼくきみ」のイベントが進んでいることを。
これは喜ばないといけないことだ。
怜くんは一歩ずつ、恋に向かって歩みはじめている。
つい視線が下がってしまうけど、頑張るんだと自分に言い聞かせて、怜くんのほうへ顔を向けた。
その瞬間、机の上に置いていたぼくと怜くんのスマホが同時に着信を知らせる。
「何だ?」
怜くんの声を聞きながら、ぼくも着信を確認した。
同時にスマホが鳴るなんて、嫌な予感しかしない。
届いたメッセージは、風紀委員長の上村くんからのもので――。
〈七瀬が名法院の親衛隊員に襲われた。七瀬は保健室、親衛隊員は風紀委員室に連行している〉
内容を理解することを頭が拒んだ。
しかし体は動き、立ち上がって風紀委員室を目指す。
今にも走り出したいけど、それは怜くんに腕を掴まれて止められた。
「人の目がある。動揺を見せるな」
ぼくが慌てた行動を取れば、周囲にすぐ何かあったと気付かれてしまう。
ぼく自身に関することならまだいいけど、今回は違った。
頷いて、怜くんの言う通りにする。
従う様子を見せると、怜くんはぼくの腕から手を離した。
触れられた温もりが切ない。
昨日はこの手で、七瀬くんに触れていたんだ……。
「ぼくは風紀委員室に行くよ」
「分かった。俺は七瀬の様子を見てくる。眞宙は保に付いてやってくれ」
「言われるまでもないけど……何があったの?」
怜くんが当然のように七瀬くんの名前を口に出すのを聞いて、胸が痛い。
その痛みに気付かないフリをしながら、眞宙くんに届いたメッセージを見せると、彼は息を飲んだ。
「これは、急いだほうが良さそうだね」
眞宙くんの言葉に、怜くんと二人で頷き返し、生徒会室を出る。
すぐに怜くんとは分かれ、ぼくと眞宙くんは会議室を二つ挟んだところにある風紀委員室へ向かった。
風紀委員室に着くと、そこには連絡をくれた上村くんと、加害者であろう、見覚えのある怜くんの親衛隊員二人がいた。
七瀬くんの隣室に部屋を持っている、あの二人だ。
「上村くんもこっちにいたんだ」
てっきり上村くんもBLゲーム「ぼくきみ」の攻略キャラだから、七瀬くんのほうにいると思った。
そういえば忘れがちだけど、眞宙くんもぼくの傍にいることが多い。
これは七瀬くんが、怜くんのルートに入っているということなんだろうか。
「七瀬には、俺と同行していた風紀委員を付けてある。……できれば部外者には出ていて欲しいんだが」
ぼくに答えた上村くんは、鋭い視線を眞宙くんへ向けた。
しかし、眞宙くんは軽く両肩を竦めただけだった。
「……佐倉には言うだけ無駄か」
「怜同様、僕に命令できる人間なんて上級生にもいないからね」
いくら外界から隔たれていると言っても、家の威光が全く届かなくなるわけじゃない。
財閥五家に名を連ねる人物を、敢えて敵に回したい生徒は、この学園には存在しなかった。
七瀬くんだけ、ちょっと考えが違うかもしれないけど。
「他言無用で頼むぞ」
「もちろん。それに僕も、そこにいる二人が動いた理由に心当たりがあるから、話に参加できるよ」
「本当か? 順に話を聞くから、座ってくれ」
風紀委員室にも、生徒会と同じように会議用の長机が置かれていた。
長机に合わせて一列に置かれた椅子に促される。
ぼくは顔を青くして先に席についていた、親衛隊二人の隣に腰を下ろした。
椅子に座ると、隣から小さくすみません、と声をかけられる。ぼくに対して謝るのは、お門違いなんだけどね。
自分たちが問題を起こしてしまった自覚はあるみたい。
更にぼくの隣の席に、眞宙くんが座った。
上村くんはぼくたちと対面する形で、正面の席についている。
その両隣を風紀委員が固めていて、長机を間に挟み、五対三で向き合うことになった。
「先にぼくとしては、彼らが取った行動について訊きたいんだけど」
文面には「襲われた」とあっただけで、七瀬くんがケガをさせられたのかどうかも分からなかった。
ケガをしていなければいいという話でもないけど、ぼくとしては傷がないことを祈るしかない。
「そうだな。端的に告げるために『襲われた』と表記したが、私が発見したときは、そっちの……新山が七瀬の胸ぐらを掴んでいるところだった」
新山と名前を呼ばれた親衛隊員が肩をビクつかせる。
「じゃあ、七瀬くんにケガは?」
「幸いなことに、ない。念のため隠れた場所にケガをしていないか保健室には行かせたが、同行させている人間からも、今のところケガは見当たらないと報告を受けている」
ケガはないと聞いて安心した。
ぼくは七瀬くんに対して嫌がらせをしないといけない立場だけど、最初から他の隊員まで巻き込みたいとは思っていない。
だからこそ昨日のことは内密にしたんだけど、まさかその二人が行動を起こすとは……予見できなかったぼくの落ち度だよね。
「なんだ。それなら襲ったというより、新山くんが七瀬くんに詰め寄ったっていうほうが、正しいんじゃないのかな?」
上村くんの話を聞いて、眞宙くんがそう発言する。
けど上村くんは、彼らの行動を軽くは見ていないようだった。
「それはあくまで私が彼らを止めた結果だ。人気のない場所に七瀬を呼び出している時点で、後ろめたい行動を取るつもりでいたのは明白だろう」
どうやら昼休みの風紀委員の巡回で、彼らは見つかったらしい。
親衛隊員は不審な人物を見付けたら、風紀委員に連絡するけど、風紀委員の巡回ルートは知らされていない。
親衛隊員が問題を起こさないとも限らないからだ。
案の定、その通りになって、ぼくは複雑な気持ちになった。
これは相互監視の穴だ。
普段から問題行動の多い生徒なら、みんな気をかけるけど、今回のように突発的に行動を起こした生徒を見張る目はない。
しかもこれ、完全にぼくの責任なんだよね……。
ならば、とぼくは一つ息を吸って、上村くんを見つめた。
「上村くん、彼らは七瀬くんに詰め寄っただけだよ」
「どうしてそう言い切れる?」
「だってぼくがそう指示したからね」
「何が言いたい?」
しかもぼくが自分の考えをまとめている間に、話題が核心に迫ってる!?
「話だけで終わらなかったんじゃないの? だから全然部屋に戻ってくる気配がなかった」
暗に、ぼくを慰める時間はたっぷりあったと眞宙くんは言いたいんだろうか。
うう、その節はお世話になりました!
ビックリな提案もされたけど、待ってくれると言う眞宙くんの優しさに、心を打たれたのも事実だった。
いくら次男と言えども、佐倉家の子息が孫を望まれないわけがないのにね。
……だからこそ、ぼくは甘えてばかりじゃダメなんだ。
「お前が何を想像してるのかは知らんが、言うべきことは何もない」
「そう……はぐらかすんだ?」
あくまで怜くんは話をしていただけだと言う。
そりゃいくら友人に対してでも、エッチなことをしてましたとは言えないよね……。
怜くんの返答を聞いた眞宙くんは、チラッとぼくに視線を送った。
「待て、お前ら、何を知っている!?」
明らかに動揺する怜くんに、ぼくは受け入れるしかないことを悟った。
ちゃんとBLゲーム「ぼくきみ」のイベントが進んでいることを。
これは喜ばないといけないことだ。
怜くんは一歩ずつ、恋に向かって歩みはじめている。
つい視線が下がってしまうけど、頑張るんだと自分に言い聞かせて、怜くんのほうへ顔を向けた。
その瞬間、机の上に置いていたぼくと怜くんのスマホが同時に着信を知らせる。
「何だ?」
怜くんの声を聞きながら、ぼくも着信を確認した。
同時にスマホが鳴るなんて、嫌な予感しかしない。
届いたメッセージは、風紀委員長の上村くんからのもので――。
〈七瀬が名法院の親衛隊員に襲われた。七瀬は保健室、親衛隊員は風紀委員室に連行している〉
内容を理解することを頭が拒んだ。
しかし体は動き、立ち上がって風紀委員室を目指す。
今にも走り出したいけど、それは怜くんに腕を掴まれて止められた。
「人の目がある。動揺を見せるな」
ぼくが慌てた行動を取れば、周囲にすぐ何かあったと気付かれてしまう。
ぼく自身に関することならまだいいけど、今回は違った。
頷いて、怜くんの言う通りにする。
従う様子を見せると、怜くんはぼくの腕から手を離した。
触れられた温もりが切ない。
昨日はこの手で、七瀬くんに触れていたんだ……。
「ぼくは風紀委員室に行くよ」
「分かった。俺は七瀬の様子を見てくる。眞宙は保に付いてやってくれ」
「言われるまでもないけど……何があったの?」
怜くんが当然のように七瀬くんの名前を口に出すのを聞いて、胸が痛い。
その痛みに気付かないフリをしながら、眞宙くんに届いたメッセージを見せると、彼は息を飲んだ。
「これは、急いだほうが良さそうだね」
眞宙くんの言葉に、怜くんと二人で頷き返し、生徒会室を出る。
すぐに怜くんとは分かれ、ぼくと眞宙くんは会議室を二つ挟んだところにある風紀委員室へ向かった。
風紀委員室に着くと、そこには連絡をくれた上村くんと、加害者であろう、見覚えのある怜くんの親衛隊員二人がいた。
七瀬くんの隣室に部屋を持っている、あの二人だ。
「上村くんもこっちにいたんだ」
てっきり上村くんもBLゲーム「ぼくきみ」の攻略キャラだから、七瀬くんのほうにいると思った。
そういえば忘れがちだけど、眞宙くんもぼくの傍にいることが多い。
これは七瀬くんが、怜くんのルートに入っているということなんだろうか。
「七瀬には、俺と同行していた風紀委員を付けてある。……できれば部外者には出ていて欲しいんだが」
ぼくに答えた上村くんは、鋭い視線を眞宙くんへ向けた。
しかし、眞宙くんは軽く両肩を竦めただけだった。
「……佐倉には言うだけ無駄か」
「怜同様、僕に命令できる人間なんて上級生にもいないからね」
いくら外界から隔たれていると言っても、家の威光が全く届かなくなるわけじゃない。
財閥五家に名を連ねる人物を、敢えて敵に回したい生徒は、この学園には存在しなかった。
七瀬くんだけ、ちょっと考えが違うかもしれないけど。
「他言無用で頼むぞ」
「もちろん。それに僕も、そこにいる二人が動いた理由に心当たりがあるから、話に参加できるよ」
「本当か? 順に話を聞くから、座ってくれ」
風紀委員室にも、生徒会と同じように会議用の長机が置かれていた。
長机に合わせて一列に置かれた椅子に促される。
ぼくは顔を青くして先に席についていた、親衛隊二人の隣に腰を下ろした。
椅子に座ると、隣から小さくすみません、と声をかけられる。ぼくに対して謝るのは、お門違いなんだけどね。
自分たちが問題を起こしてしまった自覚はあるみたい。
更にぼくの隣の席に、眞宙くんが座った。
上村くんはぼくたちと対面する形で、正面の席についている。
その両隣を風紀委員が固めていて、長机を間に挟み、五対三で向き合うことになった。
「先にぼくとしては、彼らが取った行動について訊きたいんだけど」
文面には「襲われた」とあっただけで、七瀬くんがケガをさせられたのかどうかも分からなかった。
ケガをしていなければいいという話でもないけど、ぼくとしては傷がないことを祈るしかない。
「そうだな。端的に告げるために『襲われた』と表記したが、私が発見したときは、そっちの……新山が七瀬の胸ぐらを掴んでいるところだった」
新山と名前を呼ばれた親衛隊員が肩をビクつかせる。
「じゃあ、七瀬くんにケガは?」
「幸いなことに、ない。念のため隠れた場所にケガをしていないか保健室には行かせたが、同行させている人間からも、今のところケガは見当たらないと報告を受けている」
ケガはないと聞いて安心した。
ぼくは七瀬くんに対して嫌がらせをしないといけない立場だけど、最初から他の隊員まで巻き込みたいとは思っていない。
だからこそ昨日のことは内密にしたんだけど、まさかその二人が行動を起こすとは……予見できなかったぼくの落ち度だよね。
「なんだ。それなら襲ったというより、新山くんが七瀬くんに詰め寄ったっていうほうが、正しいんじゃないのかな?」
上村くんの話を聞いて、眞宙くんがそう発言する。
けど上村くんは、彼らの行動を軽くは見ていないようだった。
「それはあくまで私が彼らを止めた結果だ。人気のない場所に七瀬を呼び出している時点で、後ろめたい行動を取るつもりでいたのは明白だろう」
どうやら昼休みの風紀委員の巡回で、彼らは見つかったらしい。
親衛隊員は不審な人物を見付けたら、風紀委員に連絡するけど、風紀委員の巡回ルートは知らされていない。
親衛隊員が問題を起こさないとも限らないからだ。
案の定、その通りになって、ぼくは複雑な気持ちになった。
これは相互監視の穴だ。
普段から問題行動の多い生徒なら、みんな気をかけるけど、今回のように突発的に行動を起こした生徒を見張る目はない。
しかもこれ、完全にぼくの責任なんだよね……。
ならば、とぼくは一つ息を吸って、上村くんを見つめた。
「上村くん、彼らは七瀬くんに詰め寄っただけだよ」
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