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エリアミッション:1

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「忘れ物は無いな?」

「バナナは、おやつにはいるんですかっ!?」

健太がアイザックに向かってバカな事を聞く。


「バナナは3本までな。 ほかに質問は?」

苦笑しながら、アイザックが答える。

釣られて、他のギルメン達も小さく笑う。

討伐メンバー全員が集まっている今いる場所は、兵舎エリアで借りたミーティングルームだ。

ここに、今回の討伐メンバー全員が集まっている。

1人に着き、1つの椅子と机が用意されている。


「それでは、猿は放っておいて、状況説明に入りたいと思います。」

香織さんが、前に出てミッションの説明を促す。

「猿っ!」

健太が、声をあげてるが、スルーされる。

「前回のエリアミッション討伐では。

地球の騎士団アース・ナイツのメンバー達が、今一歩の所でミッションクリアを逃しています。

大きな理由としては。

ミッションボスの耐久値HPが3割を切った辺りから、行動パターンが変わってしまい。

超広範囲での攻撃を食らっての大ダメージを受けての敗退。

その時の討伐参加人数は132人。

参加機体の4割が、ランク7以下のノーマルランクの機体。

4割が、8から10のレアランクの機体。

2割が、11と12ランクのレジェンド機体と。 データ上では発表されています。

各自のスクリーンで見れるので、確認しておいてください。」

香織さんに言われて、それぞれが自分のウィンドウを開いてデータを見る。


「今回の、私達の討伐人数は102人です。

地球の騎士団ア^ス・ナイツの討伐時の人数よりは少ないですが。 構成内容が全然違います。

まず、プレイヤー皆さんの所持している機体のランクが、前回の討伐時の機体ランクよりも高くて多い事です。

これは、決して、ランクの低い機体所持者をけなしている訳では在りませんので、そこら辺は勘違いしないでくださいね。

確かに、高ランクの機体の方が、単騎での性能は上かも知れませんが。

決して、低ランクの機体でも活躍できないと言う訳では在りません。

現に、私たちの直下の傘下である、戦艦ギルドハウス幻夢げんむのプレイヤーである、悠夜君の所持する機体のランクは3ですが。

此処にいる、多くのプレイヤーが既に、ご存知の通りに。

彼は、これまでの大討伐ミッションでは、ランクの低い機体で在りながらも目覚ましい活躍をしています。」


集まるプレイヤー達の視線が俺に集まる。

そりゃそうだろう。 ランク3って機体のランクは、それこそ初期ランクに等しい。

それで、このエリアミッションに挑もうと言うのだから、俺の事を知らないプレイヤーからすれば、お荷物以外の何物でもない。


戦艦ギルドハウス幻夢げんむ艦長ギルマスの悠夜です。

機体ランクが3と低い機体での参戦となりますが。

他のプレイヤーの邪魔に為らない様に努力したいと思っています。

足を引っ張らない様にしますので、よろしくお願いします。」

そう言って、一応形だけの挨拶としての体裁で頭を下げて置く。

なにせ、初顔あわせのプレイヤーも居るのだ。

俺の事を知っているプレイヤーならともかく、知らない奴にはこれでも邪険にしてくる。

「同じく、戦艦ギルドハウス幻夢げんむ機械技師メカニックマン担当のシズルだ。

直接戦闘には参加しないが。 まぁ、邪魔に為らないようにはするので宜しく。」


「「おおお!」」

「「えっ! なんでシズルさんが!?」」

「「マジでっ!!」」

シズルさんの紹介で、一気に場がに騒がしくなる。


そりゃそうだろう。

どこの大手の戦艦ギルドハウスが狙っていた機械技師メカニックマンだからな。

それが、こんな小さな名も売れて居ない戦艦ギルドハウスに加入してるんだ。

驚きと、やっかみが無い方がおかしいだろう。


シズルさんが、俺の所ゲンムに来てくれたのは実に有り難い。

    
これで、多少の無茶をしても、シズルさんの魔改造で済ます事が出来るのだから。

そこらへんも、事前にシズルさんとは打ち合わせているので。

空を飛んで移動しなければ、大抵の事はシズルさんがフォローしてくれるとの事。

さすがに補助機も補助機体も無しで、空を飛んでの移動だけは、ランク3での魔改造だけでは説明しきれないらしいが。


「説明を続けても宜しいでしょうか?」

人差し指で眼鏡を持ち上げながら言う、香織さんの言葉で、一斉に騒がしかった場が収束していく。

あれは、機嫌が悪いサインだ。

最近分かってきだしたが。

機嫌が悪い時には人差し指で。

機嫌が良い時は、中指で眼鏡をあげるのが香織さんの癖だ。


そのあと、10分ほどの打ち合わせと、ミッションクリア報酬の分配などを決めて、15分後にミッション開始と為る。

その15分の間に、忘れ物や、トイレなどを済ませて来いという事だ。
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