二人のアルファは変異Ωを逃さない!

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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俺の番い予定は三人

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「…うーん、この前から少し数値が上がって来てるね。この調子だと一カ月後に発情期来そうなんだが、準備した方が良いかもしれないね。」

そう馴染みの高原先生はデータを見比べながら言った。俺はついに目の前に番う発情期が来たのかと妙な緊張感を滲ませていた。そんな俺を眺めて、高原先生は桂木先生に連絡を取りたいか尋ねて来た。

俺がしばらく考え込んでいたら、高原先生は腕を組んで言った。


「前回の事もあるし、場合に寄ったらあの施設で番った方が安心かもしれないだろう?一度こちらからも状況を連絡しておこう。その方が岳君も安心だろう。」

俺はとりあえずその方が良い気がして頷くとお礼を言って診察室を出た。待合室には、新と叶斗が待っていて、体格の良さが妙に目立っていた。一般診療時間外なので、他に数人いるけれど皆目を丸くしてアルファの二人を横目で見ていた。


「終わった。俺一人で良かったのに。後で父さんが支払いと先生に話聞きに来るらしいからもう帰れるよ。」

そう言うと、二人はやれやれと立ち上がって俺の後をついて来た。目の前には叶斗の迎えの車が横付けされていて、相変わらずの重役待遇に少し笑った。

「いつもすみません。」

そう言って乗り込むと、叶斗のところの運転手さんがにっこり微笑んで言った。

「本当は坊ちゃんも免許は取ったんですけれどね、大学合格するまで運転の許可が社長から下りないんですよ。」


俺はいつの間に免許を取ったのかと叶斗を見上げた。

「良いな…。俺も免許取りたい。」

すると叶斗が番になったら自分の所に来ているプライベート教習を受ければ良いと事もなげに言った。聞くだけでお金の掛かりそうなその話に、俺は口を尖らせて言った。

「俺のうちはそんな高額な教習は受けられないよ。良いよ、普通ので。」


すると新が俺の手を握って言った。

「俺と一緒に受けようぜ。プライベート教習受けるなら、二人の方が安心だから。」

俺はジト目になって言った。

「だから、安心とかそう言う事じゃなくて、どっからその金が出てくんのって事。俺バイトもしてないし、金無いよ?親はコンサルで普通よりは稼いでるけど、だからってそんな余計な金無いと思うんだけど。」

全くアルファの坊ちゃんたちは金銭感覚がおかしいから本当困る。俺が呆れていると、何やら俺の頭越しにヒソヒソ話していたと思ったら、叶斗が満面の笑みで言った。


「じゃあさ、俺たちが岳の分は折半して出すから。本当は俺が全部出したいけど、それは新と灰原さんから不満が出そうだからさ、皆で出させてよ。ね?」

俺はこいつらは何も分かってないと思った。どうして俺がこいつらに養われないといけないんだ。俺は寄り掛かって来る二人から身体を起こして言った。

「お断りだね。俺は自分の事は自分でやるから。お前たちに養われるつもりで番になるわけじゃ無いんだ。あくまでも自分の事は自分で何とかする。以上。」

本当アルファって色々非常識だよ。俺はその時本気でそう思ってたんだけど、俺の方がオメガの常識を知らなかったみたいだ。知らないよ、そんな事。





*** お知らせ ***

新作BL『僕は傲慢男のセフレ』公開開始しました♡
不憫受けの健気さ?と、傲慢攻めの苦悩が読みたくて書いちゃいました!笑
よろしくお願いします♡
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